GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -10ページ目


今回は、経営についてあまり科学的ではない話をします。
完全に「精神論」だと申し上げても良いくらいでしょう。

しかし、ここを間違うと上手く行くかもしれない可能性までつぶしてしまうので、

お話ししたいと思います。



最近の流行り言葉に「コラボレーション(collaboration)」というものがあります。
「共同、協力、合作、共同制作」とかいう意味ですね。

私が支援させていただくような中小の事業者様の間でも盛んにその言葉が使われています。


劇的に業績回復しないと存続すら危ういような事業者の方に限って、

(ないしは地域全体、業界全体で再興を目論む場合は、その集団)


「どなたかとコラボレーションしたい」
「誰々さんとコラボして」

(その「誰々さん」は近隣の著名事業者であったり、もしくは同じように業績回復が必要な事業者だったりする)

「地域みんなで頑張ります」


とかいうのをとにかくしつこいまでに唱えられます。




唱えること自体は構いません。
しかしそこに横たわるマインドに問題があるのです。それは大抵の場合、

「(自分が頑張るのではなく)コラボ相手の良さに乗っかって、自分のところの業績回復をさせたい」

「みんながやってくれるなら、自分もやる」


ということなのです。
要は自分がまず頑張るのではなく、誰かに助けて欲しいと待っているだけなのです。


そういう例をイヤというほど目にしてきました。
そして結果は・・・何も起こりません。起こるはずもありません。
だって自分では汗をかかないのですから。


その都度、私は、

「『みんなでやる』は『誰もやらない』と同じことですよ」

と申し上げています。


そもそも、
誰かと組まないと改革は進まないのでしょうか?
どうしても地域全体で取り組まないと何事も成功しないのでしょうか?

そんなことはないでしょう。


そして多くの人とともに何かをするとか、誰かと組むとかすると、その結果責任を周囲やその相手に押し付けてしまう。そういう気持ち自体がもう既に改善や発展を阻害しています。
自分のビジネスなのでしょう?だったら「自分で何とかするんだ」という気持ちと行動力をまず発揮してください。その先の方法論は我々コンサルタントがお手伝いします。

しかし気持ちや行動するしないのレベルまではお手伝いのしようもありません。


厳しい言い方をしますが、自分で汗をかけない事業者の方々は何をしても無駄です。
仮に誰かと一緒に作業するにしても、ご自身で先頭に立ち、頭を働かせそれを行動に移してください。
そうして初めて少しばかり結果が出てきます。それを積み重ねた方が大きな成果を手にします。



これはビジネスだけでなく、人間のやること何でも一緒です。
暑い日が続き、皆様大変なのは百も承知ですが、そういう心構えでこの厳しい時代は乗り切って
いかなければ、時代に飲み込まれて跡形なく消えてしまうだけです。


それでも良いのでしょうか?
いや、それでは困る。何とかしたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に頑張りましょう。
喜んでお手伝いさせていただきますので、ご連絡ください。



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2014年も半分が過ぎました。
それぞれの事業所・会社にて、年始に立てられた目標に少しでも近付けて
いますか?少し立ち止まって見直しもしていただきたいと思います。



今月の上~中旬に、視察と休暇を兼ねてタイ・ベトナムを旅して来ました。
どちらの国も若い世代の割合が多く、非常に躍動感があります。
そして彼らがそれぞれの社会を動かす力の源泉になっていることを否応なしに感じられました。
どこを歩いても、もうお年寄りが大半(…に見えてしまう、というほうが適切
なのでしょうが)の日本とはえらい違いです。

ただ、今月のお話したいことはその高齢社会の問題ではありません。

現在「ビジット・ジャパン」(Visit Japan)という標語のもとに、世界各国から日本
への観光客をより多く呼び込もうとする動きが盛んです。インフラ整備も徐々に
進んでいますが、受け入れる我々自身の準備がちっとも進んでいないように
思うのです。

それは、特に言葉の面でです。

英語を話せる(もしくは上手でなくとも積極的に話そう)という人が非常に少なく
見えます。
特に、ここ京都は観光産業で食べていかなければならない街なのですが。
(英語を日常的に話せる方の絶対数は日本でも増えてきていると思います。
しかし、人口比からすればまだまだでしょう)

先般旅した、タイ・ベトナム両国ともに、日本と比べれば、まだまだ教育水準は
低く、社会も混沌としている部分が多いとは言えます。
(タイはクーデター後、今も軍政下にありますし、ベトナムでも反中デモなどが
あり、街中は兵士や治安維持警察が銃を構えて警備をしています)

ですが、そんな中であっても、それなりの観光名所や商業施設を歩けば、
かなりの方が片言の英語で応じてくれます。それだけで、文字の読めない
観光客にはどれほど心強いことか。
(タイは独自の文字があり、それは日本語やローマ字とは似ても似つきません。
ベトナムもアルファベットが並んではいますが、発音や綴りが全く違うのでまず
読みこなすのは困難でしょう)

そういう安心感が、気安く訪問できる、つまり観光のために訪れる場所として
必須だと思います。ですが、そういう意識に乏しいなと京都周辺では思わざる
を得ません。

私の住む京都市内は、さすがにそういう整備が少しずつできてきているように
思います。それは官公庁による整備ではなく(もちろんそれもありますが)、
個々の事業者によっても進められています。その良い例が独自のパンフレット
や案内カード等の英語版を作成したり、看板やメニューブックを日本語・英語の
両方で表示しているところが増えている、ということです。
(確固たる統計資料があるわけではありませんが、街を歩いていただくと、
もうこれは視覚的に理解できるはずです)


私がしばしば伺う京都府内のとある地域がありますが、そこでも観光入込客数を
伸ばしたいとそこの人々はおっしゃっているのですが、何せ英語での対応を
やろうとする意識に乏しい。
そしてそういう取り組みも「地域挙げてでないと動けない」かのようにおっしゃる。
(実際大きなインフラ整備はそうせざるを得ないでしょうが、自前でできること
だってあるはず)

それでは外国人はおろか、日本の人々だって目新しさのないところへわざわざ
行ってみようという気持ちを持ってもらえるとは到底思えないのですが。
地域ぐるみでの動きを待つのではなく、個々の事業者様でも抜け駆け同然で
いいので、ぜひ英語対応は取り組んでいただきたいと思うのです。

別に完璧な英語を話す必要なんかありません。
私とて20数年ずっと英語の学習をしていますが、まだまだ勉強が必要だと思う
くらいです。それでも必要とあらば、ガンガン話しますよ。

そうでなければ生き残れないのです。そういうハングリーさが、差を作ります。

今から少しずつでも英語で対応できるように何かしら始めれば、1年もすれば
結構いろいろとできるはずです。しかも、人の手を借りずに自分で辞書を
使って勉強するだけであっても。


観光関連産業で勝ち組になりたければ、まず英語から取り組みましょう。
そういう新しい取り組みへの意識が、単に外国人対応だけでなく、様々な改善に
もつながるのです。

ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
もちろんその英語化(ないしは国際化)の支援もできますので、お気軽にご相談
ください。




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今月のコラムは私自身のことについて書かせていただこうと思います。


私が経営コンサルタントとして開業して、今日でちょうど丸5年が経ちました。

その5年前の今日、何のツテも全くなく開業しました。
「計画を立てて、それに沿って事業を展開してください」などと申し上げるのが常の人種にあるまじきスタートでした(苦笑)。またそういう私をバカにした先輩同業者もいました(その人達のことは今でも忘れません。ずっと忘れないことでしょう)。
そういうスタートでしたから、最初の半年はコンサルタントしての仕事でお金を得ることが全くできず、自分で蒔いた種とはいえ、大変しんどい思いもしました(自分でも何という非効率なことをやったのだろうと思います)。
ですが「先輩コンサルタントのおこぼれに与かるようなことは絶対にしない」というのがポリシーでしたし、またそれが「自分が開業をすること」へのモチベーションでもありました。そして、それは今も全く変わりません。

もちろん、どなたかの紹介で仕事を得ることはあります。しかし、それはずいぶん後になってからのことで、自分である程度実績を挙げ、その評判によって紹介を得たのです。
それまでは、とにかく指名をいただいた仕事を目いっぱい頑張って、依頼元に満足していただき、また依頼元から指名してもらう。それを細々と繰り返してきました。今は相応にいろいろとお声かけいただいていますが、それでも「目いっぱい頑張って、依頼元に満足していただき、再度の指名を待つ」という当初のスタイルは何ら変わりないですし、これからも変えることはないでしょう。

ですから、最初の頃、ほとんど実績もなかった私に次々と仕事をさせてくださった、とある支援機関の方のご厚意は本当に忘れられません。もちろん私もそれに応えるべく頑張りはしましたが、その仕事を認めていただけてなかったら、細々と続けることすら叶わなかったのです。どこのどなただとはいろいろ差し支えがありますので申しませんが、本当に感謝しております。有難うございます。
そして、そのことが呼び水となり、多くの事業者の方々や同業の方々からもお声かけいただけるようになり、またそれが次の仕事へとつながるようになりました。そうこうして5年続けることができました。ご一緒させていただいた全ての方々にも厚くお礼申し上げたく思います。

しかし、5年が経ったからといって慣れ慣れしく仕事をするつもりはありませんし、またそれができるような器用さを私は持ち合わせていません。与えられた仕事に対して愚直に向き合い、一から下調べをして、少しでも事業者様のお役に立てるアウトプットを出す、というのを繰り返すだけです。器用に立ち回ってお金を稼げればいいというのなら、コンサルタントなどやめてしまい別の仕事に就くべきだ、とすら思っております。

次の5年もそういうスタンスで頑張って参りますので、どうぞ引き続きお付き合いくださいますよう宜しくお願い申し上げます。



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