観戦記2812 UFC245 マルロン・モラレスvsジョゼ・アルド | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

5月1日に南アフリカのボクシング2階級制覇王者ディンガン・トビラが、57歳の若さで死去された。まだ南アフリカが黒人差別のアパルトヘイト時代にWBAライト級王者になり、2000年9月には5階級上のWBCスーパーミドル級王者になった漫画みたいな王者。しかも、WBAライト級王座を奪ったのが日本でもお馴染みのオルズベック・ナザロフなのでよく覚えていてご冥福をお祈り致します。5階級上というのは日本では考えられないが、マニー・パッキャオのように10階級をまたにかけて6階級制覇なんていう怪物が出現するが、階級制の格闘技で階級を下げての複数階級制覇というのは珍しい。それでも、チャンスを求めて1つ上の階級で世界王座挑戦はボクシングのような細かい階級が確立している格闘技ではあること。しかし、ライトヘビー級で無敵だったロイ・ジョーンズJrがヘビー級で王者に成り、再び階級をライトヘビー級に戻すと脆くなったように感じたのもボクシングの細かい階級制の厳しさ。

それが階級の幅が大きいMMAとなると、1階級落とすと重量級で10kgあり軽量級でも5kgの差がある。世界最高穂のMMA団体であるUFCで、2階級制覇したのは2024年6月現在で女子を入れても9人。意外な事に、UFCで初の2階級制覇をしたランディ・クゥートゥアと2人目のBJ・ペンは階級を下げての2階級制覇。これはランディ・クゥートァがヘビー級王者に成った時はライトヘビー級は無かった。BJ・ペンは元々はライト級だったが、ウェルター級に上げた初戦でウェルター級王座決定戦で獲得~ライト級に戻り王座栄冠とMMA初期の時期だったからは否めない。女子ではアマンダ・ヌネスがバンタム級~フェザー級~バンタム級で王者にはなっているが、これは敵がいないだけ。

そんなUFCでフェザー級絶対王者から王座陥落~バンタム級に階級を落として2階級制覇を狙うのが初代フェザー級王者のジョゼ・アルド!

 

1986年9月にブラジルのアマゾナス州で生まれたジョゼ・アウド・ダ・シウヴァオリヴェイラ・ジュニオールことジョゼ・アルドは、貧しい家庭に育ったらしく幼い頃はサッカーをしていたが自身を守るためにカポエラを始める~14歳から柔術を始め、17歳でブラジルの首都であるリオデジャネイロに出る~2004年8月に17歳でデビューして7連勝し、2005年11月にルシアノ・アゼベドに1本負け~2007年7月には、日本でパンクラスにも登場し昇侍選手に判定勝ち~2008年からはWECに参戦し、日本でも猛威を振るったアレッシャンド・フランカ・ノゲイラ 『観戦記136』 にパウンドでTKO勝ち~2009年6月のWEC41では、カブ・スワンソンを飛びヒザで8秒KO 『観戦記2764』

 

11月のWEC44で、マイク・トーマス・ブラウンを2RにTKOで破りWECフェザー級王座を獲得~2010年4月のWEC48では、元WECフェザー級王者のユライア・フェイバーに判定勝ちで初防衛に成功。

 

9月のWEC51でも、マニー・ガンブリャンを2RにKOして2度目の防衛に成功~2010年10月にWECがUFCに吸収され、UFCの初代フェザー級王者に認定される~2011年4月、UFC129での初防衛戦はマーク・ホーミニックに判定勝ち~2011年10月のUFC136でも、ケニー・フロリアンに判定勝ちして2度目の防衛に成功~2012年1月のUFC142でも、母国ブラジルで無敗のチャド・メンデスにバックを取られるが振り向きざまにヒザを一閃~パウンドで1RKO 『観戦記82』

 

2013年2月のUFC156で、元UFCライト級王者のフランク・エドガーに大激闘も3-0で判定勝ちして4度目の防衛に成功 『観戦記393』 8月のUFC163ではアンソニーペディスが挑戦予定だったが、負傷欠場により代役で5位のジョン・チャンソン4RにパウンドでTKOに降す 『観戦記547』 2014年2月のUFC169では、リカルド・ラマスに判定勝ちして6度目の防衛に成功 『観戦記701』 10月のUFC179で再びランキング1位のチャド・メンデスの挑戦を判定勝ちして7度目の防衛に成功~そして、2015年12月に8度目の防衛戦でコナー・マクレガーに10年振りの敗戦で王座陥落 『観戦記1023』 2016年7月のUFC200で再起し、フランク・エドガーに3-0の判定勝ちでフェザー級暫定王座を獲得 『観戦記1162』 そして、マクレガーとの対決を要望も・・・マクレガーがフェザー級王座を返上~正規王者に昇格。そして2017年6月のUFC212でホロウェイとの統一戦に敗北し王座陥落 『観戦記1483』 王者のホロウェイが12月のUFC218でフェザー級2位のフランク・エドガーと防衛戦予定も、エドガーが怪我で欠場しランキング1位のアルドとダイレクトでのリマッチとなる~しかし、3Rに完璧にTKO負けし連敗 『観戦記1483』 2018年7月のUFC on FOX.30では9年振りのノンタイトル戦で、フェザー級4位のジェレミー・スティーブンスを左ボディー~パウンドで1RTKO勝ち 『観戦記1721』

 

2019年2月のUFC Fight Night.144で、フェザー級5位のヘナート・モイカノを2RにTKOで降す 『観戦記2135』

 

2019年5月のUFC237で、フェザー級1位としてフェザー級4位のアレクサンダー・ヴォルカノフスキーと対戦も判定敗け 『観戦記2409』

 

そして、これだけのベテランで33歳となっても1階級落としてバンタム級で王座を狙う!対戦するのは、UFCバンタム級1位のマルロン・モラレス!

 

1988年4月にブラジルのリオデジャネイロ州で生まれた‘MAGIC‘マルロン・ルイス・マラレスは、7歳からムエタイを始める~15歳からブラジリアン柔術を始め、2007年4月にDesafioでデビューしてブルーノ・サンタナに1Rで1本勝ち~2008年3月にも、MMA Sports Combat.2でホセ・ルーカス・デ・メロに1RでTKO勝ち~その後はSHHOT BRAZIL、DOJO COMBAT、WEFなどのマイナー団体で3勝3敗1分。

2011年11月にRing of Combat.38で、ディヴィダス・タウロセヴィチェスのROCフェザー級王座に挑戦するも1Rに1本負け~12月にはXFC.15でクリス・マヌエルに判定勝ち~2012年4月のXFC.17でジャロッド・カードに1RでKO勝ち~2012年11月からWSOFに参戦し、ミゲール・トーレスに判定勝ち~2013年3月のWSOF.2では、タイソン・ナムを1RでKOする~8月のWSOF.4でも、ブランドン・ヘンプマンに判定勝ち~10月のWSOF.6では、カーソン・ビービーに1RでKO勝ち~そして2014年3月のWSOF.9で、ジョシュ・レッティングハウスを判定で降しWSOFバンタム級王座を獲得。

9月のWSOF13で、ノンタイトル戦でコーリー・ボリンジャーに2Rで1本勝ち~9月のWSOF.18で、ジョシュ・ヒルを判定で降しWSOF王座の初防衛に成功~2014年9月のWSOF.22でも、シェイン・モラレスを3Rに1本で降し2度目の防衛に成功~2016年2月のWSOF.28では、ジョセフ・バラハスを1RにTKOで降し3度目の防衛に成功~7月のWSOF.32でも、ジョシュ・ヒルを2RにKOして4度目の防衛に成功~大晦日のWSOF.34では、ジョゼナウド・シウバを1RにTKOで降し5度目の防衛に成功。

2017年4月にUFCと契約し、6月のUFC212でバンタム級3位のハファエル・アスンソンと対戦も1-2の判定負け~しかし、11月のUFC Fight Night.120でバンタム級8位のジョン・ドッドソンに2-1の判定勝ち~12月のUFC Fight Night.123でも、バンタム級8位のアルジャメイン・スターリングに1RでKO勝ち

 

2018年6月のUFC Fight Night.131では、バンタム級4位のジミー・リベラを1R44秒にハイキックでKO勝ち

 

そして2019年2月のUFC Fight Night.144で、次期バンタム級王座挑戦者決定戦といえる対決はバンタム級3位のハファエル・アスンソンとの再戦を1Rに1本勝ち 『観戦記2144』

 

2019年6月のUFC238で、バンタム級王座決定戦としてフライ級王者のヘンリー・セフードと対戦も3RにTKO敗けで王座獲得ならず 『観戦記2460』

 

フェザー級で2度に渡り王者に成ったジョゼ・アルドが、MMAフェザー級65.8kgからバンタム級61.2kgに落としてバンタム級1位のマルロン・モラエスと対戦!前戦でバンタム級王座決定戦に敗れたモラエスは、再び王座戦をアピールする為にも元フェザー級絶対王者を降し再挑戦へ近づけるか!?

 

2019年12月14日 UFC245 マルロン・モラレスvsジョゼ・アルド

 

マルロン・モラレス 22勝6敗1分 バンタム級1位

 

ジョゼ・アルド 28勝5敗 元フェザー級王者

 

1R、前へ出てきたアルドに、モラエスが廻りながら左ハイキック!

 

さらにモラエスがハイキック~アルドはカウンターの右!モラエスは廻りながらカーフキック

 

モラエスがスイッチを繰り返しながら、左ストレートを何発も当てる

 

動くモラエスにアルドは蹴れない~モラエスがローから左ストレート!

 

アルドのパンチは空を切るが、廻るモラエスを追いかけ右!

 

2R、廻るモラエスにアルドが出ていくも、またもモラエスは左ハイキック!アルドはガードする

 

ついにアルドがローキックも、モラエスは右を合わせる!足を止めないモラエスは、細かく左を当てていく

 

アルドはコンビネーションから左ボディー!モラエスは嫌がる

 

ジャブを打ちながら廻るモラエスに、アルドは右クロスを打ち落ろす!

 

モラエスはバックスピンも魅せるが、変わらず細かく左を当てる

 

3R、最終ラウンドも、廻るモラエスにアルドが出ていき右ストレート!

 

モラエスは徹底してジャブ~スイッチして左ストレート!

 

廻るモラエスを、アルドが捕まえられない~モラエスはカウンター!

 

アルドはモラエスを止めたくボディーも、モラエスは止まらない~アルドの飛びヒザもかわす

 

廻るばかりのモラエスだが、急に飛び込んで右オーバーハンド!

 

判定は、29-28 28-29 29-28 2-1でマルロン・モラレスの判定勝利!

 

判定は微妙だったものの、マルロン・モラレスがバンタム級1位の実力を魅せ元フェザー級王者のアルドを降す。採点表を見ると、ジャッジ2者が1Rと3Rをモラエス、残る1者は2Rと3Rをアルドに付けている。これに対しフライ級&バンタム級の元2階級制覇王者ヘンリー・セフードは 『判定はデタラメだ。ジョゼ・アルドは負けてない。俺は勝ったと思ってるし、ジョゼ・アルドと対戦したい』 と書いている。記者のアダム・ヒルは 『私は3Rドはモラエスが取って29-28で彼の勝ちにした。アルドは判定を待ってる間に勝った気分でいるが結果は逆になるだろう』 選手でもアーロン・ブロンズテーターは 『俺は29-28でアルドにした。アルドがバンタム級でやれるか疑問に思っていた人たちはこのパフォーマンスを想像できなかった』 デレク・ブランソンは 『アルドは階級の転向に専念しこれまで以上によく見えた。減量を上手くやり最終的により健康的な生活をするのはプロとして素晴らしい仕事だ』 カブ・スワンソンは 『アルドは本当に良かった。俺はアルドの勝ちだと思う』 アルジャメイン・スターリングは 『なんて試合だ!どういう結末になるか想像もできなかったよ!2人を祝福するよ!』 ベン・アスクレンは 『ジョゼ・アルドが33歳だって信じられるかい?』 ブライス・ミッチェルは 『デタラメな判定だ』 と話す。
バンタム級は、ジョゼ・アルドがランク外から9位にランクインされる。勝利したマルロン・モラエスは変わらず1位。マルロン・モラエス11万$(約1,205万円)に勝利ボーナス11万$を稼ぐ。ジョゼ・アルドは、流石の40万$(約4,380万円)を稼ぐ。

 

★アルドは次戦もバンタム級でペドロ・ムニョスと対戦 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村