観戦記2811 WBCスーパーミドル級王座戦 アンソニー・ディレルvsデビッド・ベナビデス | 人生マイペンライ

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《本日のTV観賞》

 

WBOバンタム級王者の武居由樹選手が、6月22日のYoutube魔裟斗チャンネルで同じくキックボクシングからボクシングに転向した那須川天心選手に対し 『自分もこのまま勝ち続けて、天心選手も勝ち続けてもらって、お互いが良いタイミングでできたらいいなと思います。だから、自分も価値をもっともっと上げていかなきゃいけない』 と話していた。なんと言っても現在のバンタム級は、4団体とも日本人王者が君臨している。井上尚弥選手の4団体統一はもちろん快挙なのだが、4団体とも4人の日本人王者という方が二度とないのでは!?と思える。

井上尚弥選手の弟であるWBAバンタム級王者の井上拓真選手は、兄に続いてバンタム級4団体制覇を目指すとは言っているが・・・・WBCバンタム級王者の中谷潤人選手は、拓真選手の東京ドームでの防衛戦を 『観戦記2794』 リングサイドで観戦し 『1番対戦したいのは井上拓真選手になったかな、と。1番強くて評価も高い選手と対戦したいです』 と話している。

兄弟だから体格や才能は似ていて当たり前だが、意外と兄よりも弟の方が大きいというのはスポーツ選手では多い。私も兄よりも身長も体格も大きいが、元WBAスーパーライト級(63.503kg)暫定王者のホセ・ベナビデスの4つ下の弟であるデビッド・ベナビデスは、スーパーミドル級(76.204kg)で兄弟世界王者になっている。

 

1996年12月にアメリカのアリゾナ州フェニックス出身で生まれた‘The Mexican Monster‘デビッド・ベナビデスだが、両親がメキシコ系で実兄が元WBAスーパーライト級王者のホセ・ベナビデス。13歳の時に体重が100kgあったらしく、4歳上の兄に連れられてダイエット目的でボクシングを始める~アマチュアで15戦全勝して、アマチュアタイプにしたくない父親の方針でプロ転向~2013年8月に16歳でデビューして、エラスモ・メンドサに1RでKO勝ち~その後も7連勝6KOして、2015年4月にロリン・ウィリアムスとのNABF北米ライトヘビー級ジュニア王座決定戦を1RにTKO勝ちして王座獲得~さらに8連勝8KOして世界ランキングをWBA4位、WBC9位、IBF9位まで上げる~2017年5月にWBC10位、IBF5位のロヘリオ・メディナとWBCスーパーミドル級挑戦者決定戦で対戦し8RにTKO勝ちして世界王座の挑戦権を獲得。

しかし、WBC王者のバドゥ・ジャックがライトヘビー級に階級を上げる為に王座を返上。WBC1位のカラム・スミスがWBSSに参加~WBC2位のアンソニー・ディレルと9月にWBC王座決定戦予定も、ディレルが怪我で欠場。そして王座決定戦に選ばれたWBC6位のロナルド・ガブリルと王座決定戦で、優勢に試合を進めるも最終回にダウンを奪われるも2-1の判定勝ちでなんとか王座獲得 『観戦記1807』

 

判定が割れたのもあり、なぜかロナルド・ガブリルはWBC5位にランキングを下げたが5ヶ月置いて2018年2月の再戦はベナビデスの大差判定勝ちで初防衛に成功 『観戦記1977』

 

そしてトップランク社と契約し、ビックマッチへ突き進むかと思われたが・・・・プロモートするサンプソン・ルコウィッツが、契約は2021年まで有効と訴訟を起こしてトップランク社とは破断。さらに8月に、WBCが推進するボクシング・クリーン・プログラムによる抜き打ちのドーピング検査で陽性反応が出る(コカインとの報道もあるが)10月には正規王者から休養王者になり、2019年2月にWBC1位のアンソニー・ディレルと2位のアブニ・イルディリムとWBCスーパーミドル級王座決定戦が行われ 『観戦記2395』 10R負傷判定でアンソニー・ディレルが新王者。

そして、この時点では一応は休養王者ということらしいが・・・2019年3月に復帰して、ノンタイトル戦でIBF15位のジェイレオン・ラブを2Rで圧倒してKO勝ち 『観戦記2400』

 

しかし、マネージメントで揉めて訴訟になる~ドーピング疑惑などもあり、王者から休養王者。そして新王者が制定される~ベルトを取り戻す為に、新王者のアンソニー・ディレルに挑戦!

 

1984年10月にアメリカのミシガン州フリントで生まれた‘The Dog‘アンソニー・ディレルは、1つ年上の兄である元IBFスーパーミドル級王者のアンドレ・ディレルとともに幼いころからボクシングを始めアマチュアで活躍~2003年4月には、後のWBA&WBC&IBFウェルター級王者になるアンドレ・ベルトに判定負け~2004年の全米選手権では準決勝で敗退となり、アテネ五輪の予選でも決勝で敗退。

2005年1月にデビューして、ヘンリー・デュークスに1RでKO勝ち~さらに20連勝17KOして、2011年7月にダンテ・クレイグを5RにKOしてUBOインターコンチネンタルスーパーミドル級王座を獲得~さらに4連勝3KOして、2013年12月にWBCスーパーミドル級王者のサキオ・ビガに挑戦もドローで王座獲得ならず 『観戦記718』 2014年8月にダイレクトリマッチで、サキオ・ビガを判定で降しWBCスーパーミドル級王座を獲得。

2015年4月に、WBC8位のバドゥ・ジャックに判定負けして王座陥落~2015年9月に再起し、マルコ・アントニオ・ルビオに判定勝ち~2016年4月に、後のIBFスーパーミドル級王者になるケイレブ・トゥル―アックスに1RでTKO勝ち~2017年1月に、ノーバート・ネメサパティに6RでTKO勝ち~11月にも、デニス・ダグリンに5R負傷判定勝ち~2018年4月に、アブラハム・ハンに判定勝ち。そして何故か2019年2月に、WBCスーパーミドル級1位として、WBCスーパーミドル級2位のアブニ・イルディリムとWBCスーパーミドル級王座決定戦で対戦し10Rにバッテイングによる負傷判定2-1で勝利し王座栄冠 『観戦記2395』

 

無敗ながらドーピング違反~いつの間にか王座剥奪されてしまったデビッド・ベナビデス。元々は2018年5月に、アンソニー・ディレルとWBCスーパーミドル級王座2度目の防衛戦をする予定も剥奪され立場を入れ替えての王座戦!暫定王座~正規王座となったディレルがベテランの意地を魅せるか!?12歳若いベナビデスが、ベテラン王者をなぎ倒して新時代をつくっていくのか!?

 

2019年9月28日 WBCスーパーミドル級王座戦 アンソニー・ディレルvsデビッド・ベナビデス

 

アンソニー・ディレル 34勝24KO1敗1分 初防衛戦

 

デビッド・ベナビデス 21勝18KO無敗 前WBCスーパーミドル級王者

 

1R、自信満々に前に出てくるベナビデスに、ディレルは手を突きだしながら廻り左を伸ばす

 

前に出るも手が出てこないベナビデスに、廻りながらも手数多いディレル

 

2R、やはり、前には出るが打っていけないベナビデス~ディレルは左を突きながら廻り、ワン・ツーで飛び込む!

 

さらにベナビデスがプレスを強め、ディレルをロープに追い込み右を振っていく!

 

3R、ゆったりと出ていき単発ながらも右を振るベナビデスに、ディレルは腰が引けた左しか出ない

 

ガードが固め廻るばかりのディレルに、ベナビデスは追いかけコンビネーションからボディー!

 

4R、ベナビデスが出ていき振るも、ディレルは左を突きながらヒラヒラ廻る

 

ベナビデスが左を当てながら追い回す~しかし、ディレルもガードを固めて突っ込み連打!

 

5R、前に出ていくのだがベナビデスだが、手数を出していくのは廻るディレル

 

ディレルも必死に押し返すが、ベナビデスは上下に打ちながらディレルを追い込む

 

6R、変わらずベナビデスが、高いガードからディレルを追い回していく

 

ディレルはボディーに左を伸ばしてベナビデスを止めようとするも、ベナビデスは止まらず左から右を伸ばしてくる!ディレルは右目上をカット!

 

7R、カットの傷が深いディレルが廻るも、ベナビデスは詰めていき連打!

 

ディレルの傷が開く~必死に廻るディレルも、ベナビデスが追い込んでいき左をカチ上げる!

 

ディレルの血が吹き出る~再び右目上の傷にドクターチェック

 

再開後はディレルがラッシュも、直ぐにベナビデスが追い回して右目上の傷を狙う

 

8R、ラウンド開始後に、再びディレルの傷にドクターチェック~ディレルはサウスポーに代えてラッシュ!

 

しかし、ベナビデスが振り廻して極めにいく~ディレルは必死にかわす

 

ベナビデスは露骨に、ディレルを抱え込むようにして左フックで傷を狙う

 

9R、オーソドックスに戻したディレルに、ベナビデスは距離を潰してラッシュ!

 

必死に廻るディレルも、ベナビデスは逃がさない~アッパー!コーナーに追い詰め連打!

 

ディレルなんとか動くも、ベナビデスが追いかけ再び連打!止まらないベナビデスの連打に、ディレルのコーナーからストップの要請が入る!

 

見事にデビッド・ベナビデスが、9RにTKO勝ちでWBCスーパーミドル級王座返り咲き!ベナビデスが圧倒的な体力と強打で、ベテラン王者に対し前に出続けて力で完勝。ディレルも上手さは魅せていたが、スコアカードを見ると1Rはジャッジ3者がディレル、2Rは1者がディレル、3Rは3者がベナビデス、4Rは1者がディレル、5R~8Rは3者がベナビデスと、ポイントにはつながっていなかった。

試合前のオッズもベナビデスが1.09倍に対し、ディレルは9.5倍と大差がついていたが、ファイトマネーは両者ともに100万$(当時レートで1億1000万円)を稼ぐ。そして、サウル・アルバレスとのメキシコ頂上対決が期待されるベナビデスだが、WBCは指名挑戦者でアブニ・イリディリムとの防衛戦を指令~アブニ・イリディリムがドーピング違反が出るが、故意ではないとWBCは承認。しかし、ベナビデスはWBC15位のロアメル・アレクシス・アングロと2020年4月に防衛戦を行う予定もコロナ禍に入り延期。8月にロアメル・アレクシス・アングロと初防衛戦も、前日計量でベナビデスが2.8ポンド(1.7kg)オーバー・・・・

 

★ディレルは次戦でキローネ・デービス(カイロン・デービス)とWBC挑戦者決定戦 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村