観戦記2795 WBCヘビー級マヤ王座決定戦 タイソン・フューリーvsオット・ワリン | 人生マイペンライ

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《本日のTV鑑賞》

 

日本ボクシング界の新たな1ページとなった5月6日の東京ドーム大会。2階級で4団体制覇を成しえた井上尚弥選手だが、井上尚弥選手が引退した後にこんな日本人が出てくるのかな!?と変に怖くなり、変な不安に襲われてしまった。解説だった元3階級制覇王者の長谷川穂積さんも、ラジオ番組で井上尚弥選手みたいな選手が今後も出てくるか聞かれ 『出て来ないと思います。もう、あと100年は出て来ないと思います』 と話し、長谷川さんがウーゴ・ルイスをTKOで降し大感動の3階級制覇を達成し 『観戦記1202』 引退か悩んでいる時に、井上選手との会話で 『試合前ってやっぱ寝れないやろ”って僕が聞いたら、“寝れないです”って。“そうやんな。やっぱ怖いよな”って言ったら、“あ、僕怖くて寝れないんじゃなくて、もう楽しみでワクワクして寝れないんです”って言ったんですよ』 と話したらしく、それを聞いた長谷川さんは 『僕らの時代って怖くて寝れなかったんですよ。あしたやられたらどうしよう、とか。でも井上選手はもうキラキラした目で、いやもう次の日楽しみで全然寝れないんです。これはもう僕らの時代じゃない。僕はもうそれもきっかけの一つでありましたね。ああ、時代が違うんやと。もうこういう子らが今から作っていく時代なんかなと思って、まあ引退する1つのきっかけにもなりましたね』 と話していた。

長谷川さんも井上選手も父親がボクシング経験者だが、長谷川さんは都会へ出る口実でボクシング再開を約束したらしく 『ボクシング、大嫌いでしたね。子どもの頃から強制的にやらされたから。ボクシングが嫌いでプロボクサーになった選手、僕の他にあまりいないと思います。でもまあだんだん、勝っていくうちに好きになったという感じです。『あ、おもしろいな、もしかして俺、けっこう強いんかも』って自分で思うようになってきて。強いんやったら、どれくらい強いのか、それを知りたいために続けていたようなもんです』 と話す。

そして、あのタイソン・フューリーも父親がボクシングとベアナックルの選手で 『俺はボクシングが嫌いだ。ただ、自分があきれるくらいボクシングが強くて、めちゃくちゃ稼げるから、やめられないだけだ。俺は1秒たりともボクシングが好きだと思ったことはないし、ボクサーじゃなければよかったと思っている』 と話す。

 

1988年8月にイングランドのマンチェスターに生まれたタイソン・ルーク・フューリーは、アイルランドの移動民族の家計でなんと6ヶ月の早産で生まれ未熟児だったらしい。父親が素手で闘うベアナックル・ボクシングと通常のボクシングの選手で、元統一ヘビー級王者のマイク・タイソンから因んだ名前を付けたらしい。

12歳で父親に習いボクシングを始める~ベアナックルの試合もしていたらしいが、北京オリンピックを目指す~オリンピック選考からは漏れたのを機にアマ30勝4敗で、2008年12月に20歳でプロデビューしベラ・ハディクを1RにTKO勝ち~デビュー7連勝7KOで、2009年9月にジョン・マクダモットとのBBBofcイングランドヘビー級王座決定戦を判定勝ちし王座栄冠~王座は返上するがノンタイトル戦を2連勝し、2010年6月にジョン・マクダモットとBBBofcイングランドヘビー級王座決定戦&英国ヘビー級挑戦者決定戦を9RにTKO勝ち~9月にリッチ・パワー、12月にザック・ページに判定勝ちし2011年2月にもマルセロ・ルイス・ナシメントを5RにTKOで降す~2011年7月に、BBBofc英国&コモンウェルス英連邦ヘビー級王者のデレック・チゾラを判定で降し王座獲得 『観戦記2133』

9月、ニコライ・フィルサに5RTKO勝ち~11月にネベン・パイケッチを3RにTKOで降し初防衛に成功~2012年4月にアイルランドヘビー級王座決定戦で、マーティン・ローガンを5RにTKOで降し王座栄冠~7月に、ビニー・マダローンとのWBOインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦を5RにTKO勝ちし王座栄冠~12月にケビン・ジョンソンとのWBCヘビー級王座挑戦者決定戦を大差判定勝ち~ノンタイトル戦を2連勝し、2014年11月にEBU欧州&WBOインターナショナルヘビー級&BBBofc英国ヘビー級王座決定戦でデリック・チゾラと再戦し10Rに棄権に追い込む 『観戦記2494』

世界ランキングもWBA4位、WBC5位、IBF3位、WBOは1位まで上げ、2015年2月にクリスチャン・ハマーを8R終了TKO勝ちしWBOインターナショナルの初防衛に成功 『観戦記2424』

 

そして、11月にWBAスーパー&WBC&IBFヘビー級王者のウラジミール・クリチコに挑戦し判定勝ちしで3団体王者に輝く 『観戦記1048』

 

鬱やらドーピング問題やらで2年7ヶ月のブランクをつくるも、2018年6月にセフェル・セフェリとの再起戦を4R終了時棄権に追い込む 『観戦記1614』 8月にも、元IBOヘビー級王者のフランチェスコ・ピアネタをフルマークの判定で完封 『観戦記2184』 そして、12月にデオンテイ・ワイルダーのWBCヘビー級王座に挑戦も1-1のドロー 『観戦記2257』

 

2019年6月に、WBOインターナショナルヘビー級王者のトム・シュワルツを2RにTKOで降し王座獲得 『観戦記2601』

 

ワイルダーとの再戦は決まらず、再びアメリカで対戦するのはWBA4位のオット・ワリン!

 

1990年11月にスウェーデンのヴェステルノールランドで生まれたアイナー・オット・ワリン(オットー・ヴァリン)は、父親と兄もボクシングをしていて16才でボクシングを始める~2010年のスウェーデンユース選手権で、スーパーヘビー級にて優勝~6月には、後のオリンピック金メダリストで3団体ヘビー級王者になるアンソニー・ジョシュアに判定敗けなど34勝12敗。

2013年6月にデンマークでデビューして、ローマン・チャー二―に1RでKO勝ち~さらにデンマークやドイツで16連勝10KOして、2017年4月にジャンルカ・マンドラスを5RにTKOで降しWBAコンチネンタルヘビー級王座を獲得~2018年1月に、スルダン・ゴベダリカに3RでKO勝ち~2018年4月にも、エイドリアン・グラナを判定で降しEBU―EU圏ヘビー級王座を獲得~2019年4月のニック・キスナーとは、1Rに偶然のバッティングで無効試合。

 

無敗のフューリーの調整試合と思われて、オッジは11:1.04という賭けにならないような数字。しかし、ヘビー級ではこの試合の2ヶ月半前に3団体統一王者アンソニー・ジョシュアがアンディ・ルイスJrにTKO敗け 『観戦記2589』 フューリーは翌年に予定されるワイルダーとの再戦に無傷で進めるか!?無敗のワリンがインゲマル・ヨハンソン以来のスウェーデン人ヘビー級王者へ進めるか!?

 

2019年9月14日 WBCヘビー級マヤ王座決定戦 タイソン・フューリーvsオット・ワリン

 

タイソン・フューリー 28勝20KO無敗1分 元3団体統一ヘビー級王者

 

オット・ワリン 20勝13KO無敗1無効試合 WBA4位

 

1R、やはりフューリーが、軽やかに廻りながらジャブを当てていく

 

ワリンも果敢に突っ込むが、懐深いフューリーに当たらない

 

2R、サウスポーのワリンに対し、フューリーはサウスポーにスイッチ~しかし、ワリンは右フックで飛び込んでいく!

 

上体を動かすフューリーに、ワリンはボディーを叩くがフューリーは涼しい顔

 

3R、オーソドックスに戻すフューリー~挑発しながら、ワリンを呼び込んで右!

 

それでもワリンは手数多く出ていくが、フューリーはヒラヒラかわしながらカウンターの右!

 

ワリンはダメージを感じさせずに突っ込む~下がったフューリーに、左のオーバーハンド!フューリー右目上から出血!

 

4R、ワリンは勢いづいて攻める~突っ込んで左を振り、揉み合いでもフューリーの右目を狙う

 

廻りながらジャブとクリンチのフューリーに、ワリンは振り回しながら右目を狙う

 

5R、フューリーが細かいジャブから動きワリンを入らせないようにするも、ワリンは左で突っ込む!

 

止まらないワリンに、フューリーも右を振る~入ってくるワリンに、フューリーが右アッパー!

 

6R、右目上の傷を気にするフューリーを、ワリンが追っていき左を伸ばす

 

フューリーはクリンチで誤魔化すが、離れ際にワリンは左ストレート!

 

フューリーの右目上の傷に、ドクターチェックが入るも再開される

 

7R、フューリーが慌てて倒しにいく~珍しい豪快なアッパーも空振り

 

フューリーが攻める~コーナーに押し込み連打!ワリンも廻りながら返すが、フューリーの右にロープまで吹っ飛ぶ

 

8R、傷を気にするフューリー~ワリンが突っ込んでくるが、クリンチから押し込んで左右のボディー!

 

ワリンも押し返しながら返すが、フューリーは下がりながらもコンパクトなワン・ツー!

 

9R、出血が止まらないフューリーだが、軽快な動きから上下に打っていく

 

スイッチを繰り返し打っていくフューリー~頭を振りながら押していき右!

 

10R、ラウンド開始と同時にフューリーがラッシュ!ワリンをロープに埋め込み右を振り落とす!

 

フューリー打ちまくるが、決定的なパンチを当てられない~ワリンは何とか耐える

 

11R、フューリーが体格を生かして、ワリンにのし掛かるようにして打ち込む

 

フューリーが頭で押していき右!ワリンは腰が落ちるが、なんとか耐えて倒れない

 

12R、フューリーが打ってこいとワリンを煽るが、ワリンは廻りながら耐えるだけ

 

フューリーがラフにパンチを打ったところに、ワリンは潜って左!フューリーはクリンチ

 

フューリーの出血かま激しく、レフリーが覗き込む~しかし、ワリンは行けずに試合終了

 

判定は、116-112 117-111 118-110 3-0でタイソン・フューリーの判定勝ち!

 

タイソン・フューリーが、ドクターストップ寸前のヒヤヒヤながら大差判定勝ち!この試合にはメキシコの独立記念日にあやかり、WBCヘビー級マヤ王座が賭けられていたらしくフューリーが獲得。大苦戦のフューリーだったが、傷口を打たせないようにヒラヒラと闘うスタイルを変えて頭を下げてファイター化する場面も多々あり幅の広さを魅せつけた。フューリーは 『序盤にもらったパンチで試合が完全に別物になってしまった。ほとんど見えていなかった。ハートと決意がすべて。もし続行できるならやるだけだ』 と話し病院へ直行。

スコアカードを見ると、6Rと12Rをワリン、1R、2R、12R、をワリン、3R、5R、6R、12Rにワリンに10点を付けたジャッジだった。インタビューでもフューリーは、デオンテイ・ワイルダー待ってろ!と吠えたが、ワイルダーは2ヶ月後の2019年11月に元WBAヘビー級暫定王者のルイス・オルティスと再戦。それでもワイルダーとの再戦は、5ヶ月後の2020年2月にラスベガスで実現。初黒星となってしまったオット・ワリンは、11ヶ月後にトラヴィス・カフマンに5RでTKO勝ち。

 

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