観戦記2746 WBCバンタム級王座戦 アレハンドロ・サンティアゴvs中谷潤人 | 人生マイペンライ

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日本人3人目の4階級制覇達成が達成された大会の 『観戦記2475』 次の試合で3階級制覇を賭けた挑戦があり、しかも試合はセミファイナルだというのだから何とも贅沢な興行。‘NEXT MONSTER‘と呼ばれる中谷潤人選手だが、見る目が無い私は「強いがそんなに凄いかなぁ!?」と、WBOフライ級王者になってからも思っていた・・・・しかし、自分の素人眼力を思い知ることになったのは中谷潤人選手が2階級目となった2023年5月のWBOスーパーフライ級王座決定戦 『観戦記2593』 アンドリュー・マロニーの衝撃的なKO王座奪取。

いまや海外で世界王座防衛は特別な事ではなくなってきたが、私の青春期は世界王座挑戦21連敗中で日本人世界王者不在~その後は、2013年3月に高山勝成さんがIBFミニマム級王座を奪うまで海外での海外世界王座挑戦37連敗と暗黒時代だった

中谷潤人選手は中学校を卒業後にアメリカでボクシング修行し慣れているとは言っても、WBOフライ級王座の初防衛戦もアメリカのアリゾナ州でWBO1位のアンヘル・アコスタをKO防衛 『観戦記2230』 スーパーフライ級でも体重が厳しくなった173cmの‘NEXT MONSTER‘が、ついにバンタム級に階級を上げ、いきなりの世界王座挑戦!

 

1998年1月に三重県東員町で生まれた‘NEXT MONSTER‘中谷潤人選手は、両親の礼儀作法を学ばせたい気持ちもあり小学4年生から空手を習う~小学6年生時に階級がしっかりしているボクシングに転向~三重県桑名市で、東洋太平洋スーパーバンタム級王者の石井正三さんが開設したKOZO BOXING GYMに入会し、2012年アンダー15の32.5kg級優勝。2013年にもアンダー15の40kg級で優勝~中学を卒業して高校には行かずに、アメリカに渡り畑山隆則さん、伊藤雅雪選手の指導で知られるルディ・エルナンデスの指導を受ける。

 

2015年4月にデビューして、糸賀純一選手を1RにTKOで降す~その後も3連勝して、2015年度ルーキーズトーナメントライトフライ級優勝。2016年は4連勝4KOで東日本新人王に輝き、12月にも矢吹正道選手を判定で降し全日本フライ級新人王に輝く~2017年は3連勝2KO後の8月に、ユーリ阿久井政悟選手を6RにTKOで降し日本フライ級ユース王座を獲得~さらにフィリピン人、メキシコ人、フィリピン人に3連勝2KOして日本ランキング1位になる~2018年10月に、日本フライ級2位の小坂俊選手との日本王座次期挑戦者決定戦に判定勝利して挑戦権を獲得 『観戦記1709』 そして、当時日本フライ級王者の黒田雅之選手がIBFフライ級王者のモルティ・ムザラネに挑戦する為に返上。そして、1位の中谷選手と2位の望月直樹選手で王座を争い9RにTKO勝ちで中谷選手が日本王座を獲得 『観戦記1747』

 

6月に中野ウルフ選手と初防衛予定も、中野ウルフ選手が怪我で出場できず代役のフィリピンバンタム級8位のフィリップ・ルイス・クエルドを6RにTKOで降す~10月に世界前哨戦として、元IBFライトフライ級王者でWBCライトフライ級9位のミラン・メリンドと対戦し6RにTKO勝ち 『観戦記1885』そして、大晦日にWBOフライ級王座3度目の防衛に成功した 『観戦記1866』 田中選手がスーパーフライ級へ階級を上げるために王座を返上~2020年4月に、WBOフライ級1位のジーメル・マグラモと王座決定戦予定も・・・・コロナウィルスの影響で8月に延期。しかし、8月でもコロナウィルスの猛威は衰えず再度延期・・・・そして、ついに7ヶ月遅れで11月に王座決定戦となりジーメル・マグラモを8RにKOして王座獲得 『観戦記2056』

コロナ禍で防衛戦がなかなか出来ず、10ヶ月を置いて2021年9月の初防衛戦はアメリカのアリゾナ州ツーソンで元WBOライトフライ級王者のアンヘル・アコスタを4RにTKOで降し初防衛に成功 『観戦記2230』2021年末の2度目の防衛戦予定は、コロナウィルスの影響で延期~2022年4月に、WBO2位の山内涼太選手を8RにTKOで降し2度目の防衛に成功 『観戦記2356』

 

11月に元IBF&WBOミニマム級王者で、2021年9月に井岡一翔選手のWBOスーパーフライ級王座に挑戦した 『観戦記2225』 フランシスコ・ロドリゲスJrに大差判定勝ち 『観戦記2478』そしてWBOスーパーフライ級1位にランクされ、WBOスーパーフライ級王者の井岡一翔選手に挑戦か!?となったが、井岡選手は年末に引き分けたWBA王者ジョシュア・フランコとの再戦へと王座を返上~2023年5月に、WBOスーパーフライ級王者決定戦でWBO2位のアンドリュー・マロニーを最終ラウンドに衝撃の失神KO勝ち 『観戦記2593』

 

9月に、WBOスーパーフライ級6位のアルヒ・コルテスを大差判定で降し初防衛に成功 『観戦記2661』

 

そして、早くもスーパーフライ級王座を返上してバンタム級へ上げる~なんと!テストマッチはしないで、いきなりの王座挑戦!挑戦する王者は、WBCバンタム級王者アレハンドロ・サンティアゴ!

 

1996年2月にメキシコのバハカリフォルニア州で生まれた‘Pequeno(子供)‘アレハンドロ・アレクサンドロ・サンティアゴ・バリオスは、16歳の2012年12月に地元バハカリフォルニア州でデビューしてマリオ・バルデスに2RでTKO勝ち~さらに6勝2KO無敗1分も、2013年12月にエクトール・フローレスとの再戦に判定敗け~4勝1敗後の2016年8月にニューヨークで、アントニオ・ニエベスのNABO北米バンタム級王座に挑戦もドローで王座獲得成らず。

メキシコに戻り5勝4KO無敗1分~2018年3月に、ホセ・マルティネスのNABO北米スーパーフライ級王座に挑戦もドロー~9月に、ジェルウィン・アンカハスのIBFスーパーフライ級王座に挑戦もドロー 『観戦記2179』

 

その後も4連勝3KLOするがチャンスは訪れず、2019年11月にロベルト・サンチェスを8RにTKOで降しWBCインターナショナルバンタム級王座を獲得~2020年9月に、ウィリバルド・ガルシア・ペレスを判定で降し初防衛に成功~王座を返上し2連勝2KOするも、2021年11月にゲイリー・アントニオ・ラッセルに判定敗け~2022年3月に、ファン・ダニエル・ラミレスに判定勝ち~2022年7月に、デビッド・カルモナを判定で降しメキシコスーパーバンタム級王座を獲得~10月に、アントニオ・ニエベスとの再戦に7RTKO勝ち~2023年7月に、WBC3位としてWBC1位のノニト・ドネアとWBCバンタム級王座決定戦で対戦し判定勝ちで王座獲得。

 

フライ級から上げた中谷選手が身長173cmリーチ176cm、バンタム級王者のサンティアゴが身長159cmリーチ166cm。明らかに肩回りが大きくなった中谷選手が、MONSTER井上尚弥選手が去ったバンタム級でNEXT MONSTERとしてバンタム級を席巻するか!?

 

2024年2月24日 WBCバンタム級王座戦 アレハンドロ・サンティアゴvs中谷潤人

 

アレハンドロ・サンティアゴ 28勝14KO3敗5分 初防衛戦

 

中谷潤人 26勝19KO無敗 WBCバンタム級1位

 

1R、中谷選手が、広いステップからリーチを生かしたジャブを突き刺す!

 

サンティアゴも右ストレートで踏み込んでくる~しかし、早くも中谷選手は入ってくるタイミングが読めてきたか!?カウンターを狙う!

 

2R、長いジャブを、中から外から伸ばす中谷選手~サンティアゴ入れない

 

サンティアゴも必死に入っていくが、中谷選手が左を狙ってくると動けない

 

それでもサンティアゴは、大きい右フックから左で飛び込む!

 

3R、中谷選手がプレッシャーを強める~左ストレート!

 

サンティアゴはパンチが届かず、中谷選手は懐深く避けながらも左を伸ばす!

 

4R、手数は前に出るサンティアゴも、中谷選手は距離をキープしながら左から右!

 

サンティアゴは引かずに出続ける~中谷選手は廻りながら距離をキープし左ストレート!

 

公開採点、ジャッジ3者とも36-40で中谷選手がリード

 

5R、公開採点も聞き何とかしたいサンティアゴが出るも、中谷選手は廻りながら捌いて右を突き刺す

 

さらに中谷選手が、コンビネーションでまとめてきて連打!

 

6R、中谷選手が、跳ねるような動きから打ち込んでいく!

 

カスった感じでかわしたサンティアゴも、直ぐに中谷選手がワン・ツー!サンティアゴ吹っ飛びダウン!

 

立ち上がったサンティアゴは下がるだけ~中谷選手が追いかける!

 

サンティアゴ動けない~コーナーに詰まり、中谷選手の連打を貰う!

 

崩れ落ちるサンティアゴに、中谷選手は止めの右アッパー!

 

これは無理!サンティアゴ陣営がエプロンに駆け上がり終了!

 

見事6RにTKO勝ちで、中谷潤人選手がWBCスーパーフライ級王座を奪取し3階級制覇達成!

『今回は楽しかったですね。自然と笑みがこぼれてしまいました。ベストバウトと呼べる試合になったかな、と思います。チャレンジャーとして花道を歩くのは、いい緊張感がありました。両国国技館で戦った経験はありませんでしたが、リングと客席が近く、圧迫されるような気持ちになりました。周囲が見渡せて、知っている顔が目に入ってくるんです。試合開始直後は、サンティアゴがプレッシャーをかけてくることを想定して、あまり自分から前に出なかったんです。パンチを喰らわないようにディフェンシブに入りました。右手を前に出しながら、自分の距離を保つというのは作戦通りでした。もっとサンティアゴがグイグイ来ると考えていたのですが、上手くコントロールできたので、手応えがありました。ポイント差を聞いて、ルディから 『チャンスだと思ったら、4つ5つとコンビネーションを打て』 とアドバイスされました。僕のジャブを嫌がっている素振りも見せたので、出て来られなくなっていましたね。打ったところで1発か2発。連打できる体勢じゃないなと、不安はありませんでした。ルディから『アップライトに構えて、ワン・ツー、ワン・ツーと打っていけ!』と言われたので、指示に従いました。キャンプでも繰り返していましたし、練習通りにやったら倒れましたね(笑)。手応えは、そこまではなかったです。ただ、とてもリラックスして打てました。投げたようなパンチでした。ダウンとった後にコーナーを見たら、ルディが『もうちょっと待て』と。だから、様子を見ながらジャブを放ったらサンティアゴが怯んだので、気持ちが折れたことを理解しました。そこでワン・ツーを打って、彼のバランスが崩れたところに、もう一回ワン・ツー、フック、ワンテンポ置いてフックを放ったんです。真ん中ばかり狙っていましたから、外からの攻撃、横からがスムーズに決まりましたね。感触的には、今回の右フックが一番ズシリときました。僕が持っていたベルトを田中選手が獲ったことになりますが、もう過去のことなので特にこだわりはないです。ただ、日本人3人とも勝てて良かったなぁくらいの感情です。拓真選手は同じ階級ですから、意識しますね。ファンの方にも喜んでいただけるカードだと思いますし、是非、戦いたいです』 と話す!

 

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