観戦記2747 WBAバンタム級王座戦 井上拓真vsジェルウィン・アンカハス | 人生マイペンライ

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《本日のDVD鑑賞》

 

あのドジャースの大谷将平選手は末っ子、スポーツは末っ子や次男など兄よりも弟の方が優れていると言われている。兄を見て早くからスポーツをしたり、様々な要因はあるのだろう!?ボクシングでもカズ&コウジの有沢兄弟、カオコー&カオサイのギャラクシー兄弟、レオン&マイケルのスピンクス兄弟、ジミーとジョニーのブレダル兄弟、ビタリとウラジミールのクリチコ兄弟など、どちらも凄いが数字上は弟が勝っている。しかし、エリックとディエゴのモラレス兄弟やファン・マヌエル&ラファエルのマルケス兄弟などの実績は兄が上だろうから一概には言えない。亀田兄弟の3兄弟世界王者などは世界でも稀にみる例だが、やはりセンスは1番下の弟和毅選手があると言われている。

私は次男で兄と比べらええるのが非常に嫌だったが、兄も弟は好きにやりあがってと疎ましい気持ちがあったらしい。兄が勉強が出来て、弟が不良になるというのもドラマや漫画でもよくあるパターン。『倒せる兄との差にモヤモヤすることもあった。そこをいくらマネしようとしても兄のように倒すことは難しい。自分にできることを研究して自分のものをつくり上げたい』 と話し、兄が返上したWBAバンタム級王座を井上家に戻したのが井上拓真選手!

 

1995年12月生まれの井上拓真選手は、兄の井上尚弥選手を追うように幼稚園時から元アマチュアボクサーだった父親にボクシングを習う~高校生では、後に3階級制覇する田中恒成選手に2度決勝で負けるなどして1年生時の高校総体1冠。高校3年時の2013年12月に、後のWBOミニマム級王者になる、当時日本ミニマム級8位の福原辰弥選手に判定勝ち~2戦目に元WBAミニマム級王者の宮崎亮選手にKO勝ちした世界ランカーのファーラン・サックリンJrにも判定勝ち。3戦目は、チャナチャイ・ソーシアムチャイに2Rで初のKO勝ち。4戦目は、兄が鮮烈な2階級制覇した前座でオマール・ナルバエスの弟のネストール・ナルバエスに判定勝ち。そしてスーパーフライ級に上げて、2015年7月にOPBFスーパーフライ級2位のマーク・アンソニー・ヘラルドに判定勝ちして兄と同じくデビュー5戦目での東洋太平王座を獲得 『観戦記942』

12月にレネ・ダッケルに判定勝ちし初防衛に成功~2016年5月にアフリザル・タンボレシを2RにTKOで降し2度目の防衛に成功~世界挑戦に向けて東洋太平王座は返上して、9月にフローイラン・サルダールに大差判定勝ち~そして、2016年末にWBOバンタム級王者のマーロン・タバレスに挑戦する予定だったが・・・・右拳を負傷してしまう~2017年8月に1年振りとなる試合で、4度の世界挑戦経験がある日本スーパーフライ級2位の久高寛之選手に判定勝ち 『観戦記1608』 12月に世界戦に向けて待ったをかけてきた、元日本バンタム級王者の益田健太郎選手を判定で降す 『観戦記1618』

 

2018年5月にワルト・サブを1RでKOする~そして、9月にWBCバンタム級挑戦者決定戦としてWBC3位のマーク・ジョン・ヤップに判定勝ち。しかし、ルイス・ネリの計量オーバー~山中さんにKO勝ち 『観戦記1432』 そして王座空位となり、ウバーリ陣営とルーシー・ウォーレン陣営による対戦交渉~入札遅れなどで、12月に井上拓真選手がWBC2位のペッチ・CPフレッシュマートを判定で降しWBCバンタム級暫定王座を獲得 『観戦記1642』 2019年1月にウバーリが正規王者になり、11月に拓真選手と王座統一戦も判定負けで暫定王者陥落 『観戦記1835』 2021年1月に再起し、東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太選手を9R負傷判定で降し王座奪取 『観戦記2106』

 

11月には1階級上げて、WBOアジア太平洋スーパーバンタム級王座決定戦で元東洋太平洋スーパーバンタム級王者の和氣慎吾選手を大差判定で降し王座栄冠 『観戦記2265』2022年6月にも、日本スーパーバンタム級王者の古橋岳也選手を大差判定でWBOアジア初防衛と日本王座栄冠 『観戦記2430』

 

12月に、元WBFインターコンチネンタルスーパーフライ級王者のジェイク・ボルネアを8RにTKOで降す 『観戦記2499』

 

2023年4月に、WBAバンタム級1位としてWBAバンタム級2位のリボリオ・ソリスを判定で降し王座獲得 『観戦記2573』

 

そして、初防衛戦に迎えるのは元IBFスーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス!

 

1992年1月にフィリピンのミンダナオ島で生まれた‘Pretty Boy‘ジェルウィン・アンカハス(ヘルウィン・アンカハス)は、2009年7月に17歳でデビューし、レイナルド・ブルアンを48秒でKO~9月の2戦目も、シャーウィン・マクドラングウェイを1RにKO~2010年5月の4戦目に、エルビン・ヤモと偶然のバッティングでアンカハスが左目を負傷し、試合続行不可能と判断され負傷判定で引き分け~その後も6連勝2KOして、2011年4月にレックス・ティトを判定で降しWBOアジア太平洋スーパーフライ級ユース王座を獲得。

さらにノンタイトル戦を3連勝2KOするも、2012年3月にマーク・アンソニー・ヘラルドとの初防衛戦に判定負けし王座陥落~8月に再起し5連勝5KOして、2014年2月に後に河野公平選手のWBAスーパーフライ級王座に挑戦する 『観戦記1126』 インタノン・シッチャムアンを2RにKO~2014年5月にペッチワンチャイ・ソービセキットとIBF環太平洋スーパーフライ級王座決定戦で闘い1RにKO勝ちで獲得~さらにノンタイトル戦を4連勝4KO~そして、ついに2016年9月にIBF3位としてIBFスーパーフライ級王座のマックジョー・アローヨに挑戦して判定勝ちで王座奪取 『観戦記1971』

2017年1月には、IBF14位ホセ・アルフレド・ロドリゲスを7R終了時TKOで降し初防衛に成功~7月にはオーストラリアでマニー・パッキャオのアンダーカードにてIBF3位の帝里木下選手に7RでTKO勝ちして2度目の防衛に成功 『観戦記1334』

 

3度目の防衛戦は、11月に北アイルランドに乗り込みIBF4位のジェイミー・コンランを6RにTKOで降す 『観戦記1901』 2018年2月の4度目の防衛戦は、アメリカのテキサス州でIBFスーパーフライ級9位のイスラエル・ゴンサレスを10RにTKOで降す 『観戦記1962』5月には、同国のIBF1位ジョナス・スルタンを大差判定で降し5度目の防衛に成功 『観戦記2089』またも短い間隔の4ヶ月で、9月にIBF14位のアレハンドロ・サンチャゴとドローで6度目の防衛成功 『観戦記2179』 2019年5月に、IBF1位の船井龍一選手を6R終了時TKOで降し7度目の防衛に成功 『観戦記2514』

 

12月に、ミゲール・ゴンサレスを6RにTKOで降し8度目の防衛に成功~コロナ過もあり間が空き、2021年4月にジョナサン・ロドリゲスを判定で降し9度目の防衛に成功~しかし、2022年2月にフェルナンド・マルティネスに判定敗けして王座陥落~10月のフェルナンド・マルティネスとの再戦も、大差判定敗けして連敗~2023年6月に、ウィルネル・ソトに5RでTKO勝ちして再起を果たす。

 

前戦で2年振りにバンタム級に戻し、兄が返上したWBAバンタム級王座を井上家に戻した拓真選手!かつて井上尚弥選手とも対戦が噂された元IBFスーパーフライ級王者のジェルウィンが2階級制覇を狙い、日本人に2勝2KOの自信をもって日本へ襲来!

 

2024年2月24日 WBAバンタム級王座戦 井上拓真vsジェルウィン・アンカハス

 

井上拓真 18勝4KO1敗 初防衛戦

 

ジェルウィン・アンカハス 34勝23KO3敗2部 WBA9位

 

1R、拓真選手が、行く気満々に出ていく~アンカハスは廻りながらも、鋭く踏み込んでいく

 

距離を取りながら、アンカハスらしい左ストレート~拓真選手は、左フックを合わせようと狙う

 

2R、アンカハスは、踏み込みを中と外に分けながらボディーにも左を伸ばしていく~拓真選手は左フックのタイミングが合ってくる

 

右で入ってくるアンカハスには、拓真選手は右を合わせる!

 

3R、様々な飛び込みを魅せるアンカハスも、拓真選手はよく見えていてかわす

 

拓真選手も入っていきボディー~内側に踏み込むアンカハスに、拓真選手がカウンターの右!

 

4R、飛び込みづらくなったアンカハスに、拓真選手が出ていきボディー!

 

アンカハスもプレスをかけ出てくる~接近戦を仕掛けていき、拓真選手をロープに追い込みボディー!

 

5R、再びアンカハスが左ストレートで飛び込むも、拓真選手は柔らかく避ける

 

アンカハスが強引に打ちまくる~拓真選手は足を使いながらも、ボディーアッパーをカウンターで入れていく

 

6R、アンカハスは、前に出るが手は出てこない~拓真選手は下がるも手数出すが、アンカハスが打ち終わりを狙う

 

アンカハスが出ていく~お互いにカウンターを狙う、凄まじい駆け引きの打ち合い!

 

7R、拓真選手が、廻りながらコツコツ当てていく~突っ込んでくるアンカハスに、拓真選手が右ボディーアッパー連打!

 

アンカハスは接近戦を仕掛け、拓真選手は足を使いながらカウンターを狙う~それでも拓真選手も、頭を付けて押し合いボディー!

 

アンカハスも頭から押して必死に押し返すが、拓真選手がボディーアッパー連打!

 

8R、アンカハスは勝負を賭けにきているか!?再び大きい左で飛び込んでくる!

 

さらにアンカハスが、手数で押し込んでいく~拓真選手もボディーをコツコツ返すが、アンカハスも振り回していく!

 

9R、完全にスピードが落ちたアンカハスのジャブに、拓真選手は右を合わせる!

 

それでもアンカハスは、身体を浴びせながら手数を出す~拓真選手はタイミングいい右ボディーアッパー!

 

アンカハス効いた!それでも打ってくるアンカハスに、拓真選手が再度右ボディーアッパー!

 

崩れたアンカハス!これは立てない!レフリーが試合を止める!

 

見事にKO敗けが無かったジェルウィン・アンカハスを、試合前までKO率21%だった井上拓真選手が9RにTKO勝ち!まさかKO勝ちするとは・・・・!アンカハスは 『中央に入った。初めての経験。自分も当てようと思っていたが、それに気をとられすぎたところもあった。おそらく井上選手も私を研究していた。研究してきたものよりも進化を感じた』 と話し、解説の長谷川穂積さんが言った通り、拓真選手は‘確変‘に入ったのか!?

拓真選手は 『やる前から過去1の強敵だと思ってましたし、自分自身、試合当日まで不安がいっぱいで、勝てるか負けるか分からない極限の状態で練習をしてきました。やっぱりここまで判定続きだったり、いい見せ場を見せられず、お客さんもたぶん退屈してしまっていたところもありますし、自分も変わったところを見せたいと思ってここまで頑張ってこられて、こういう結果で終われて最高です。こんだけの強豪相手に接近戦で打ち勝てたというのは今後の自信にもなりましたし、これから変わった井上拓真を見せて生きたいと思います。最高の結果に終われて、本当にありがとうといいたいです。日本でバンタム級が盛り上がってますけど、そこの頂点は井上拓真ありというのを見せていきたい』 と嬉し涙も見せながら喜びを語る。

そして、5月6日に東京ドームでの開催が発表された兄の井上尚弥がWBCスーパーバンタム級1位のルイス・ネリとの防衛戦を行う興行で、WBAバンタム級1位の石田匠選手との防衛戦が発表される!

 

★それにしても拓真選手はハードマッチメイクが続く! 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村