観戦記2733 WBAスーパー&WBCライトフライ級王座戦 寺地拳四朗vsカルロス・カニサレス | 人生マイペンライ

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今度こそは延期してほしくない、史上初4団体統一ヘビー級王座戦WBCヘビー級王者タイソン・フューリーvs3団体統一へぼー級王者オレクサンドル・ウシクが5月18日に再セットされた。フューリーがスパーリング中にカットした事による延期だったが、フューリーは2022年12月が最後の防衛戦(フランシス・ガヌーと2023年10月に闘っているが)オレクサンドル・ウシクも、2023年8月に1年振りの防衛戦をしてから防衛戦はしていない。クルーザー級とヘビー級を制しているウシクは、意外や世界戦は10戦しかしていない。最強を誇るタイソン・フューリーは、なんと世界戦は7戦だけでというのも驚く(しかも、デオンテイ・ワイルダーと3戦)

日本人で二桁の世界戦をしているのは、具志堅用高さん15戦、渡辺二郎さん14戦、徳山昌守さん12戦、勇利アルバチャコフ10戦、長谷川穂積さん16戦、亀田興毅さん13戦、内山高志さん14戦、井岡一翔選手25戦、山中慎介さん15戦、井上尚弥選手21戦、寺地拳四朗選手15戦。

井岡選手と井上選手の世界戦数は頭抜けているが、2選手ともに4階級制覇をしていて連続防衛数は井岡選手がWBOスーパーフライ級王座を6度防衛。井上尚弥選手は、WBAバンタム級王座を8度防衛したのが最長。複数階級制覇が全盛の現代で、世界戦15戦で日本人3位タイの14勝目を狙うのがライトフライ級一筋の寺地拳四朗選手!

 

1992年1月に京都府城陽市に生まれた寺地拳四朗選手は、元日本ミドル級王者(3度防衛)で元東洋太平洋ライトヘビー級王者でもある(4度防衛)寺地永さんの長男。名前は、なんと漫画‘北斗の拳‘から本当にとったらしいから驚き!父は189cmの大きな体を誇るが、拳四朗選手は164.5cmと小柄。ボクシングも父いわく 『無理やりやらせた面もある』 らしいが、奈良朱雀高校時にはインターハイや国体に出場するなど才能を開花。高校3年時の2009年のインターハイでは、現WBOスーパーフライ級王者の井上尚哉選手に3Rにレフリーストップ負けをしている。

関西大学に進学し、大学4年時には国体で成年男子ライトフライ級優勝~やりたかったのは、競艇だったらしいが、2度受験に失敗。2014年8月に、父が経営するB.M.Bボクシングクラブから井岡一翔選手とも対戦経験がある 『観戦記205』 東洋太平洋ミニマム級11位のヘリ・アモルを相手にデビューし判定勝ち~10月にファウワナイ・ウォースラポーを2RにTKO、2015年3月に長嶺克則選手を7RにTKO、8月に大前貴史選手に4RにTKO、3連続KO勝利して10月にロリー・スマルポンとWBCライトフライ級ユース王座決定戦で争い判定勝利で栄冠~12月には、日本ライトフライ級王者の堀川謙一選手に挑戦し判定勝利し栄冠~2016年4月には初防衛戦で角谷淳志選手を迎えるが1RにTKO勝ち~8月の2度目の防衛戦は大内淳雅選手と東洋太平洋ライトフライ級決定戦の2本のベルトが賭けられるも、大差判定勝ちで日本王座防衛と東洋太平洋王座も獲得!親子2代での日本&東洋太平洋王座の栄冠は日本初の偉業達成 ~12月には、東洋太平洋王座の初防衛戦でレスター・アブタンを3RにTKO勝利。2017年4月に日本王座3度目の防衛戦が予定されるが、5月にガニガン・ロペスへの世界王座挑戦が決まり王座返上。そして、村田選手とアッサン・エンダムのWBAミドル級王座決定戦があった 『観戦記1314』 5月20日のアンダーカードでガニガン・ロペスのWBCライトフライ級王座に挑戦し2-0の判定勝ちし世界初挑戦で見事に栄冠 『観戦記1329』

 

10月に、元王者でWBC1位のペドロ・ゲバラに判定勝ちして初防衛に成功 『観戦記1399』

 

わずか2ヶ月後の12月に2度目の防衛戦で、WBC11位のヒルベルト・ペドロサを4RにTKO勝ち 『観戦記1412』 2018年5月の3度目の防衛戦で雪辱に燃える前王者のガニガン・ロペスをわずか2RにボディーでKO 『観戦記1468』 4度目の防衛戦は、10月に元IBFライトフライ級王者のミラン・メリンドを7RにTKOで降す 『観戦記1590』 2018年12月には、WBC7位のサウル・フアレスを大差判定で降し5度目の防衛に成功 『観戦記1651』 4年4ヶ月で15試合してきた拳四朗選手には最長の6ヶ月半空いて2019年7月に6度目の防衛戦でWBC1位、フィリピンのジョナサン・タコニンを地元に近い大阪で4RにTKOで降す 『観戦記1769』 12月には、WBC14位のランディ・ペタルコリンを4RにTKOに降して7度目の防衛に成功 『観戦記1875』 泥酔騒ぎなども起こし3ヶ月間ライセンス停止などもあったが、拳四朗選手が日本王者時代にはすれ違った久田選手と2021年4月に8度目の防衛戦で対戦し判定勝ちで8度目の防衛に成功 『観戦記2164』 そして、9月にWBC1位の矢吹正道選手の挑戦を地元の京都で受けるも10RにTKO負けし王座陥落 『観戦記2238』

 

引退も考えた拳四朗選手だったが、矢吹選手のバッティングが問題となりWBCから再戦指令が出る!2022年3月に、ダイレクトリマッチで矢吹正道選手のWBCライトフライ級王座に挑戦し3RにTKO勝ちし王座奪還 『観戦記2343』11月には、WBAライトフライ級スーパー王者の京口紘人選手との統一戦を7RにTKOで降しWBC王座初防衛とWBAスーパー王座獲得 『観戦記2481』

 

2023年4月には、WBOライトフライ級王者のジョナサン・ゴンザレスと3団体統一戦の予定もゴンザレスが肺炎にかかり中止・・・・急遽代役としてWBAフライ級2位のアンソニー・オラスクアガを9RにTKOで降しWBC王座2度目&WBAスーパー王座初防衛に成功 『観戦記2574』再度、WBO王者ジョナサン・ゴンザレスに向かいたいところだがWBCから指名試合が指令される~2023年9月に、WBC1位のヘッキー・ブドラーを9RにTKOで降しWBC3度目、WBAスーパー王座2度目の防衛に成功 『観戦記2663』

 

2024年に入り、今度はWBA1位との防衛戦となり対戦するのは元WBAライトフライ級王者のカルロス・カニサレス!

 

1993年3月にベネズエラのカラカスで生まれた‘CCC‘カルロス・アントニオ・カニサレス・シヴィラは21歳でデビューなので、それなりのアマチュア戦績があったのだろう?2014年7月にエディクソン・フエンマヨルを1RにTKO勝ち~その後も5ヶ月の間に6連勝6KOで、2015年5月にベネズエラ・ライトフライ級王座決定戦でエディクソン・フエンマヨルと再戦し3RにTKO勝ちして王座栄冠~6月にもケンドリー・ペレスを1RにTKOで降し、10月にロベル・バレラのWBAラテンアメリカライトフライ級王座に挑戦し2-1の判定勝ちで王座栄冠~2016年に入ってからも6連勝4KOでランキングをWBA3位まで上げ、2016年の大晦日に田口良一選手のWBAライトフライ級王座に挑戦するが陣営がスコアを読みが甘かったか!?後半3ラウンドを流し過ぎて1-1のドローで王座獲得ならず 『観戦記1258』

2017年は、ベネズエラで3連勝3KOしてランキングを1位にキープ~2018年3月にWBAライトフライ級王座決定戦で再来日して、WBAライトフライ級2位の小西伶弥選手を判定で降し王座栄冠 『観戦記1657』

 

7月に、最速の2戦目で世界王者を目指すWBA12位の呂斌を12RにTKOで降し初防衛に成功。

 

2019年5月に中国で、WBA2位の木村翔選手を判定で降し2度目の防衛に成功 『観戦記2542』

 

対戦相手の体重超過などがあり2年空き、2021年5月にWBA10位のエステバン・

ベルムデスと3度目の防衛戦も6RにKO敗けして王座陥落~10月に再起して、ジャーマン・バランズエラ・バレラスを判定で降しWBAフェデカリブライトフライ級王座を獲得~2022年3月に、元WBCライトフライ級王者のガニガン・ロペスを4RにKOしてWBAアメリカ大陸ライトフライ級王座を獲得~8月にも、アルマンド・ヘルナンデス・トーレスを1RにTKOで降す~2023円ン6月に、ダニエル・マテヨンとのWBCライトフライ級王座挑戦者決定戦を8R負傷判定して挑戦権を獲得。

 

1度は3団体王座が決まった拳四朗選手だが、このまま他団体王者との対戦が決まらなければフライ級に上げる事も考えているらしい。世界王座戦が15戦目となる拳四朗選手が、日本人3人に敗けなしのカニサレスに対し 『ジャブから組み立てて、そこから上下に打ちわければ、次第に反応できなくなっていく』 と自信をみせているが、カニサレスも 『日本での試合が決まってとてもうれしかった。しかも世界タイトルマッチだ。日本のことはホームのように感じている。タイトルを取り戻したい』 と話す。

 

2024年1月23日 WBAスーパー&WBCライトフライ級王座戦 寺地拳四朗vsカルロス・カニサレス

 

寺地拳四朗 22勝14KO1敗 WBA3度目&WBC4度目の防衛戦

 

カルロス・カニサレス 26勝19KO1敗1分 WBA1位&WBC2位

 

1R、拳四朗選手が、跳ねるようなステップから突き刺すように左を入れていく

 

カニサレスも、上下に綺麗なパンチを伸ばす~力強いワン・ツーで、拳四朗選手はバランスを崩す!

 

さらにカニサレスが、左に身体を傾けながら右を打ち込んでいく!

 

2R、さらに、カニサレスの手数が増してくる~左フックをボディーから顔面へ!

 

足を止めての打ち合いになる~拳四朗選手が、カニサレスの左を貰いながら右!

 

カニサレス必死に堪えるも、足元が定まらずダウン!

 

立ち上がったカニサレスに、拳四朗選手が詰めて打ちまくるもラウンド終了

 

3R、拳四朗選手が前に出ていくも、カニサレスはダメージを感じさせず力強く振る!

 

拳四朗選手は、ボディーにも打ち分けて削る~しかし、カニサレスの右!拳四朗選手ダウン!

 

拳四朗選手は、ビックリしたような表情で立ち上がる~カニサレスが振り回していくもラウンド終了

 

4R、カニサレスがガンガンいく~拳四朗選手も、ここは引かずに打ち合って拳が交差する!

 

お互いに、細かく動きながら手数多く打ち合う~カニサレスの左アッパーに、拳四朗選手は右ストレート!

 

公開採点、36-38 37-37 37-37 0-1でカニサレスがリード!

 

5R、拳四朗選手が前へ前へと出ていきながら、凄まじい手数でカニサレスを追いかける

 

カニサレスも、下がりながら返す~しかし、拳四朗選手が追い回して右フックから右ボディー!

 

6R、拳四朗選手が、ゴングと同時に走っていき左右のボディー!カニサレス嫌がっている!

 

カニサレスは、ロープを背負う時間が長くなる~打ち返してはいるカニサレスも、拳四朗選手のボディーにガードを固めて廻る

 

7R、拳四朗選手が攻めるも、カニサレスは耐えて耐えて打ち終わりを狙う

 

カニサレスが、物凄い連打で拳四朗選手をロープに追い込む!

 

しかし、耐えた拳四朗選手が反撃~コンビネーションで上下に打ち、カニサレスを下げさせて右ストレート!

 

それでも出てくるカニサレスに、拳四朗選手がボディー!カニサレス効いた~拳四朗選手が追いかけボディー連打!

 

8R、ダメージもあり、カウンター狙いでロープ際を廻るカニサレス~拳四朗選手は果敢に攻める!

 

カニサレスは、疲れとダメージで手数が止まる~拳四朗選手がワン・ツー!さらにワン・ツー!

 

公開採点、75-75 76-74 76-74 2-0で拳四朗選手が逆転

 

9R、拳四朗選手は、廻るカニサレスを追いかけボディー~カニサレスは上手く、ジャブを当てながら廻る

 

カニサレスは、再び手数が増してくる~動きながら、様々な角度で打ってくる

 

10R、流石の元世界王者カニサレスは、まだまだテクニカルなパンチを流れるように打つ

 

カニサレスの回転が上がる~しかし、拳四朗選手のボディーも効いている

 

11R、拳四朗選手は細かくステップを踏み、再び軽快なジャブを突き刺していく

 

拳四朗選手が、足を使い廻る~カニサレス追い付けず、拳四朗選手の左が当たる

 

12R、拳四朗選手はポイントをリードしていると読んでか、足を使ってカニサレスの猛攻をかわす

 

拳四朗選手は、徹底して足を使い打ち合わない~カニサレスは必死に追いかけ振り回す!

 

判定は、113-113 114-112 114-112 2-0で拳四朗選手が王座防衛!

 

最後は足を使いながらポイントをまとめた拳四朗選手が、薄氷の勝利でWBAスーパー3度目&WBC4度目の防衛に成功!そうなんだよなぁ~拳四朗選手は素晴らしい槍のような左とフットワークで主導権を握れるが、最近は激闘派になり前半からダウンの応酬という、観ている方としたら楽しいが身体が心配になる内容。

試合後の会見では 『2回のダウンは僕も何があたったか、はっきりわからなかった。3回のダウンはそんなにダメージ残るでもなく、一瞬、フラッシュというか。そこは結構冷静やったかなと思う。ボディーも当たっていたと思うけど、(相手が)落ちてくれない。後半30秒で出てくる、向こうの作戦にハマっちゃった。僕が緩くなっていたところもあるのか、ビデオを見てみたい。』 11R、12Rの足を使ったのを聞かれると 『セコンドの指示です。そこは守りました。打ち合うよりも、あっちの方が確実にポイントをとれるのかなと。(脅威は)ありましたね。強かったですね。僕もいっぱいいっぱいで、必死で戦った感じですね。打ち返してくれるし、もっと落ちてくるかなと思ったが、落としきれなかった。』 と話す。

加藤トレーナーは 『凄いタフな試合。激しい打ち合いになった時の距離感、打ち合いになった時のしのぎ方とか、いろいろ学ぶ試合だった。採点は賭け。相手にポイントを与えないよう指示した。』 足を使わせた事については 『本当にやったのは10回の終わり‘触らせるな‘‘後ろに空間を広げろ‘と言ったらしい。

採点表を見ると、ドローを付けたジャッジは1R、3R、6R、8R、10R、12Rをカニサレスに付けている。114-112のジャッジ2者は、12Rを拳四朗選手に10点を付けているので、12Rのアウトボクシングをポイントに取ってくれなかったら3者ともドローだった事になる。

 

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