観戦記2718 WBAスーパーフライ級王座戦 井岡一翔vsホスベル・ペレス | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

大晦日のWBAスーパーフライ級王者井岡一翔選手の防衛戦の前に、中継するabema.TVでお笑いコンビTKOの木下隆行さんが「井上尚弥選手、もう2階級違うから。一翔は率直にどういう存在で見ているの?』 と、禁断の質問をした。井岡選手は『年齢は僕のほうが上ですね。もちろん、意識もするし…。意識してるっちゃ意識してるし、意識してないっちゃ意識してない。言葉にしづらい感覚やねんけど。自分と比べるのも・・・・そもそも自分と人を比べたりしないけど、彼は彼で行き切ってるから。どっちが上とか下とか分からないけど、僕からすると彼の方がすごい次元で戦っているから。なおかつ世界的にも彼の方がもちろん評価も大きいと思うし、認知もされてるし自分は自分のやるべきことをこれからも全うしてやっていくという気持ちやけど、彼に関しては同じ日本人として『凄いな』というふうにしか思わない。交わることはない?う~ん、難しいんじゃない。だって、遥かに俺よりすごいことしてるやん、もう。すごいよ。だから別に、現実的に彼と戦いたいとか、彼に対して『自分が日本人で1番注目されて、自分が1番なんや』とも思わんし。もちろん、彼も思っていないと思うし。でも、誰がどう見ても凄いことをしているから。自分がどうとか、そういう考えじゃない』 と代わらずクールな受け答えをしていた。

しかし、そこはボクサーであり4階級制覇している井岡選手なので、プライドも確固たる想いもあるだろう。2023年の大晦日決戦には「KO防衛したい」と珍しくいっていた。

 

1989年3月に大阪市で生まれた井岡一翔選手は、実父の一法さんも2戦2勝のボクサーで叔父に2階級制覇した井岡弘樹さんを持つ~中学1年生の時から、井岡弘樹さんが所属したグリーンツダジムで練習をする。中学3年生の時に、井岡弘樹さんが設立した井岡ジムに移籍~興國高等学校に入学し高校6冠を達成~オリンピックを目指し東京農業大学に進学。2008年のキングスカップでは、後のIBFフライ級王者のアムナット・ルエンロンに敗北~大学2年生の全日本選手権の決勝で林田太郎選手に1ポイントの差で敗退~2年連続の準優勝となり、北京オリンピックの道が厳しくなりプロ転向。 2009年4月に、タイ国のフライ級王者のトンタイレック・ポーウォラシンを3RにTKOでデビュー。2戦目に世界挑戦経験もあり、日本ランカーの松本博志選手に2RにTKO勝ちで日本ランキング入り。3戦目は、世界ランカーの國重隆選手に判定勝ちしWBA&WBCとも14位にランク入り。4戦目は、インドネシア国内王者のヘリ・アモルにプロ初ダウンを 奪われるも判定勝ち 『観戦記205』 6戦目には、同ジムの宮崎選手が返上した日本ライトフライ級王座を1位瀬川正義選手と争い10RにTKOで栄冠。そして、2011年2月にオーレイドン・シスサマーチャイを5RにTKOで降し、当時の最速タイの7戦目でWBAミニマム級世界王者になる 『観戦記69』

8月の初防衛戦は、1位のファン・エルナンデに判定勝ち。大晦日に初登場となった2度目の防衛戦は、ヨードグン・トーチャルンチャイをわずか98秒で担架送り 『観戦記69』

 

そして、2012年6月に日本人同士による統一戦となったWBC王者八重樫選手との戦いを 『観戦記210』 判定で完勝しWBA&WBCミニマム級統一王者。 王座を返上してライトフライ級に上げると、いきなり2012年の大晦日にホセ・ロドリゲスとWBAライトフライ級王座決定戦を6RにTKOで2階級制覇『観戦記361』

しかし・・・正規王者のローマン・ゴンサレスをスーパー王者に追いやって、5位のホセ・ロドリゲスとの決定戦はいかなるものなのか! WBAは90日以内にローマン・ゴンサレスとの統一戦を行うように指令を出し、入札が行われるハズだが・・・噂では井岡陣営が12万5千ドル払って回避したと・・・ 2013年5月の初防衛戦ではWBA3位のヴィサヌ・ゴーキャットジムを悶絶ボディーで9RにKO 『観戦記472』 2度目の防衛戦は、2013年9月にWBA5位のクワンタイ・シスモーゼンも7RにKOし 『観戦記575』 王座奪取から3連続KO!3年連続の大晦日出場となった、フェリックス・アルバラードとの3度目の防衛戦は、タフなアルバラードに判定までいくも完勝 『観戦記671』 そして、2014年5月に井岡家悲願の3階級制覇を目指し、IBFフライ級王者でアマ時代に苦杯を飲まされたアムナット・ルエンロンに挑戦するも・・・天才的なダーティーテクニックに翻弄され判定負け 『観戦記778』

 

ノン・タイトル戦を挟んで、WBAフライ級王座を日本で黒田雅之選手を含む 『観戦記412』 8度防衛中の2階級制覇王者のファン・カルロス・レベコに挑戦し、2-0の判定勝ちで3階級制覇 『観戦記861』

 

9月の初防衛戦は、WBA10位のロベルト・ドミンゴ・ソーサを大差判定で降す 『観戦記971』 5年連続の大晦日での闘いは、4月に王座を奪った前王者でWBAフライ級2位のフアン・カルロス・レベコとの再戦を11RにTKOで降す 『観戦記1055』

7月には3度目の防衛戦では、WBAフライ級6位でWBCラテンアメリカ・フライ級王者のキービン・ララを11RにKO 『観戦記1164』 4度目の防衛戦は、6年連続の大晦日に18才のWBAフライ級暫定王者スタンプ・キャットニワットを迎え7RにTKO勝ち 『観戦記1256』 2017年4月の5度目の防衛戦で、WBA2位のノクノイ・シッチパラサートを判定で降す 『観戦記1298』 そして1ヶ月後の5月20日には、比嘉大吾選手がWBCフライ級王座を獲得し 『観戦記1319』 井岡選手との統一戦をアピールなどがあったが・・・・父である一法会長が、WBAが指名する1位のアルテム・ダラキアンとの対戦準備不足と、結婚を機に東京に拠点を移した事などを理由に井岡選手が不在の中で王座返上を発表。そして大晦日には井岡選手自身が引退を発表して、新しい夢の為に進むと・・・・

そして、様々な噂が流れるなかで2018年7月に井岡選手の電撃的な復帰と大手K2プロモーションと契約しアメリカで 「SUPER FLY.3」 への参戦が発表され、9月にアメリカでマック・ウィリアムス・アローヨを判定で降す 『観戦記1533』

 

そして4階級制覇を目指して、大晦日にマカオでWBO1位同じく3階級制覇王者のドニー・ニエテスとWBOスーパーフライ級王座決定戦で対戦するも判定負け 『観戦記1646』しかし王者のドニー・ニエテスが、井岡選手との決定戦前の王座決定戦で引き分けたアストン・パリクテとの再戦での初防衛戦をWBOに指示されるとビックマッチを求めて拒否・・・・ファン・フランシスコ・エストラーダや、シーサケット・ソー・ルビンサイとの対戦を求めて王座を返上。そして2018年末に本来はドニー・ニエテスと再戦予定も、ダイレクトリマッチが嫌われたか!?井岡選手に王座決定戦を奪われたWBO1位のアストン・パクリテと、2019年6月にWBO2位の井岡選手がWBOスーパーフライ級王座決定戦を行い10RにTKO勝ちして日本人初の4階級制覇達成 『観戦記1749』

大晦日には、WBO1位のジェイピエール・シントロンを判定で降し初防衛に成功 『観戦記1872』コロナウィルスの影響で1年振りとなる2020年大晦日には、4階級制覇を目指す田中恒成選手を見事に8RTKOで降し2度目の防衛に成功 『観戦記2078』2021年9月の3度目の防衛戦で、元IBF&WBOミニマム級王者のフランシスコ・ロドリゲスJrに判定勝ちして3度目の防衛に成功 『観戦記2225』 恒例の大晦日ではコロナウィルスの水際対策で日本への入国規制により、IBF王者のジェルウィン・アンカハスとの統一戦が流れ・・・・それでもテレビ局からも期待されている凄さで、大晦日に急遽挑戦者に選ばれた2022年2月に試合予定だった福永亮次選手を判定で降し4度目の防衛に成功 『観戦記2296』

 

2022年7月に、コロナウィルスの水際対策での入国規制も緩みWBO1位のドニー・ニエテスとの再戦を判定で制して5度目の防衛に成功 『観戦記2412』そして11度目の大晦日決戦で念願の王座統一戦に挑み、WBAスーパーフライ級王者のジョシュア・フランコと対戦もドローでWBO6度目の防衛もWBA王座は獲得ならず 『観戦記2507』

 

そして、井岡選手が復帰を決めるきっかけとなったWBCスーパーフライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダとの統一戦が噂されたが・・・・金銭面で折り合わないという、実にもったいない話となり頓挫。それでも、日本の大晦日は井岡選手だ!と対戦するのは、WBA6位のホセベル・ペレス!

 

1995年2月にベネズエラのミランダ州で生まれた‘Avalancha(雪崩)‘ホスベル・アレクサンデル・ぺレスは、2016年4月にベネズエラのロステケスでデビューしてクリスティアン・アビラを4RにKOする~さらに2連勝2KOするも、2016年8月にカルロス・モレノに1RでTKO敗け~直ぐに再起して6連勝4KO5KOして、2017年11月にホセ・バリオスを判定で降しWBAボリビア地域フライ級王座を獲得~2018年4月にも、ホアン・フローレスを8Rに棄権に追い込みベネズエラフライ級王座を獲得。

ノンタイトル戦を2連勝2KOして、12月にホセ・ガリシアを2RにKOしてベネズエラフライ級王座の初防衛に成功~王座を返上して2連勝2KOし、2019年7月にロベル・バレラとWBAボリビア地域フライ級王座決定戦で対戦も判定敗け~12月に再起し、ドミンゴ・トバルを1RにTKOで降す。

2020年2月に、WBAフライ級12位としてWBAフライ級王者のアルテム・ダラキアンの王座へウクライナで挑むも大差判定敗け 『観戦記2697』

 

5日前に井上尚弥選手が2階級での4団体統一を果たし、世界戦での勝利も21と井岡選手に並ぶ。4階級制覇も並ばれた井岡選手だが、再び日本人世界戦最多所勝利なるか!?

 

2023年12月31日 WBAスーパーフライ級王座戦 井岡一翔vsホスベル・ペレス

 

井岡一翔 30勝15KO2敗1分 初防衛戦

 

ホスベル・ペレス 20勝18KO3敗 WBA6

 

1R、お互いに左を伸ばすも、リーチが短いだろう井岡選手の方がキッチリ当てる

 

井岡選手は、ジャブを当てながら距離をキープ~ペレスが打ってきてもキッチリとガード

 

井岡選手も初回から出ていく~カウンターの右!

 

2R、やはり、左の差し合いでは井岡選手が勝る

 

身体を合わせる展開から、ペレスが右を振り降ろす~返しの左は、コンパクトな井岡選手が当てる

 

ペレスが接近戦で強烈に振り回してくる~フックの連打からボディー!

 

しかし、井岡選手もプレスを強くかける~ペレスを下げさせてボディー!

 

3R、ペレスが、ラウンド開始とともに大きいワン・ツーから踏み込んでくる~井岡選手は細かくボディー

 

井岡選手は前に出て打ち合う~細かく身体を振りながら右ストレート!

 

4R、またも開始と同時にペレスが踏み込んでくるが、かわした井岡選手が右!

 

それでもペレスは、右を大きく振ってくる~井岡選手が詰めていき、ペレスが距離を取ろうとするも井岡選手がボディー!

 

ペレス効いたか!?井岡選手が追い回すが、ペレスも下がりながら右!

 

5R、ペレスが、廻りながら長いジャブを伸ばして距離をつくる

 

プレッシャーをかける井岡選手に、手数のペレスだが井岡選手が右ストレート!

 

井岡選手が詰めていきボディー~嫌がりガードを下げたペレスに右ストレート!

 

ペレスも必死に打ち返すが、井岡選手がカウンターの右!

 

ペレス効いた!さらに井岡選手がボディー連打でペレスはダウン!

 

立ち上がったペレスに、井岡選手が連打から右でペレスを吹っ飛ばす!

 

ペレスは諦めそうだったが、立ち上がりラウンド終了

 

6R、ペレスのダメージはどうか!?井岡選手が極めにいき右!さらに右ストレート!

 

ペレスは必死に動きながら返すが、井岡選手が狙い済ました右ストレート!

 

井岡選手が追いかけ右~ボディー連打!ペレス効いている!

 

7R、井岡選手が冷静に詰めていく~ペレスはロープ際を廻りながら振るが、井岡選手はバックステップでかわす

 

井岡選手が極めにいく~追い込んで右ストレート!

 

ペレスの大きい左アッパーに、井岡選手が左ボディー!効いた!

 

井岡選手は狙っているか!?それでも冷静に、ボディーで身体を折り右ストレート!

 

さらに井岡選手は、ボディー2発から右ストレート!

 

ペレスは目に直撃したか!?立ち上がることはできず、宣言通り井岡選手のKO勝ちにコーナーに駆け上がる!

 

相変わらず素晴らしいガードを中心としたディフェンスの井岡選手だが、いつに無く1Rからグイグイとプレスをかけていき格の違いを魅せた!これで、再び世界戦22勝となり日本人トップとなるが 『意識してないです。まあ、現役を終えて振り返った時に積み重ねてこれた記録だと思うので。何よりこうして長く僕が戦えているのも、このリングに上がれるのも、ほんとに皆さんの応援のサポートのおかげなので、12年目ですけど、僕自身がすごいというより、ホント12年間長く応援して頂いている皆さんに改めて感謝の気持ちを言いたいです。ありがとうございます。ボクシング人生、こうしてマイクを握って、毎回試合後にこういう試合がしたい、統一戦がしたい、誰かと戦いたい、そういった目標ももちろんあります。でも、戦う理由はそれだけじゃありません。これからも愛する人たちのために、共に闘っている同志たちのために、そして1番は日本の未来のために戦い続けます。そして、この日本人の強さを伝え続けます。皆さん、今年も1年、最後の最後までこうして時間を使っていただき、応援していただき、本当にありがとうございました。今年も残り少ないですが、皆さん良い年を迎えてください。ありがとうございました』 と、いつもの井岡選手らしいマイク。

ファン・フランシスコ・エストラーダとの交渉は継続中らしいが、エストラーダはバンタム級に上げる話があったしどうなるのか!?2009年のデビュー以来、日本ボクシング界を牽引してきた井岡選手だけに日本ボクシング界が協力してでもファン・フランシスコ・エストラーダとの統一戦が実現しないものなのか!?

 

★今回は急遽の防衛戦でサラス氏とのキャンプは無かったらしい 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村