観戦記2641 WBCミドル級王座戦 ジャーマル・チャーロvsブランドン・アダムス | 人生マイペンライ

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《本日のTV鑑賞》

 

いまや兄弟王者とうのは様々なスポーツであるが、双子でボクシング世界王者という例は4例。当然、双子なので体格は似ていて同じ階級になる事が多くWBAミニマム級王者になったポーパオイン兄弟は、兄のチヤナ・ポーパオインが失ったWBAミニマム級王座を弟のソンクラーム・ポーパイオンが3年1ヶ月後に栄冠。ガルシア兄弟は、兄のラモン・ガルシアが元WBOライトフライ級王者で弟のラウル・ガルシアが1階級下の元IBF&WBOミニマム級王者。そして、3組目の双子世界王者となったジャーメルとジャーマルのチャーロ兄弟は、双子で同時にスーパーウェルター級王者になった。

しかし、双子の兄であるジャーマルは公証で3cm身長が高く身体つきも大きく、スーパーウェルター級王座(69.853kg)を返上し弟の獲得を期待してミドル級(72.575kg)のミドル級に階級を上げ世界王座を獲得し2階級制覇を達成した。

 

1990年5月にテキサス州リッチモンドで生まれた‘ヒットマン‘ジャーマル・チャーロは、双子の弟のジャーメル・チャーロとテキサスを中心に活動~2008年9月に18歳でデビューしてシマロン・デイビスを2RでKO~2012年12月まで10戦10勝と全勝も4KOとそれ程の強打は見せていない。しかし、1年後の2014年12月までの10戦で棄権勝ち3つを含む全10KO!2015年3月のマイケル・フィニーには3者フルマークも判定勝ち~そして、9月にベテランのIBFスーパーウェルター級王者のコーネリアス・バンドレイジに挑戦し4度ダウンを取り3RにTKOで王座奪取 『観戦記1008

11月の初防衛戦ではIBF14位のウィルキー・キャンプフォートの4RにTKO勝ち 『観戦記1098』 2016年5月に、IBF9位のオースティン・トラウトの挑戦を受けるも、判定勝ちで2度目の防衛に成功 『観戦記1323』 視力が悪く、レーシックの手術などを経て12月の3度目の防衛戦では、IBF1位のジュリアン・ウィリアムスを5RにTKOで降し3度目の防衛に成功 『観戦記1578』

 

そして、IBFスーパーウェルター級王座を返上してミドル級に階級を上げる~2017年7月に、いきなりWBCミドル級挑戦者決定戦としてWBCミドル級1位のホルヘ・セバスチャン・ヘイランドと対戦し4RにTKOで降し挑戦権を獲得 『観戦記1774』しかしアルバレスのドーピング問題や、ゴロフキンが保持するIBF王座の指名挑戦者であるセルゲイ・デフレヤンチェンコをゴロフキンが拒否するなど混沌とする~ゴロフキンはIBFに2万$を払い、なんとWBAスーパーウェルター級1位&ミドル級12位のバーネス・マーティロスヤンへ 『観戦記1452』 そして2018年1月に、無理して王者を決めないでも・・・・WBCミドル級暫定王座決定戦で、WBCミドル級4位のウーゴ・センティノJrと対戦し豪快に2RKO勝ちで2階級制覇達成 『観戦記2046』

 

この時点では、WBCミドル級正規王者にゲンナディ・ゴロフキンがいて統一戦には向かわず・・・ゴロフキンは、サウル・アルバレスとの2戦目に向かい判定負け 『観戦記2140』 12月に暫定王座の初防衛戦で、ウィリー・モンローJrと対戦予定もモンローJrが試合前のドーピング検査で陽性。急遽、アンダーカードに出場予定だったWBC&IBF13位のマット・コロボフの挑戦を受け判定勝ちで暫定王座初防衛に成功 『観戦記2322』

 

そして、2度目の防衛戦に地元テキサス州に迎えるのは挑戦者はWBC12位のブランドン・アダムス!

 

1989年7月にアメリカのカリフォルニア州ロスアンゼルスで生まれた‘The Cannon(大砲)‘ブランドン・クインシー・アダムスは、アマチュア歴は少なく4勝2敗。2011年3月にカリフォルニア州サンディエゴでデビューして、エリン・ビーチに判定勝ち~さらに13連勝9KOして、2014年5月にウィリー・モンローJrとNABA北米NABO北米ミドル級王座決定戦で対戦も判定敗け。2015年1月に再起して、ESPNS‘ボクシングトーナメントで3連勝3KO~5月の決勝では、ジョン・トンプソンとNABA北米暫定&WBインターコンチネンタルスーパーウェルター級王座決定戦で対戦も2RにTKO敗け。

3年ブランクを作り、2018年5月からのザ・コンテンダースシリーズ5に参加し3連勝1KO~11月の決勝では、シェーン・モズリーを大差判定で降し優勝。

 

正規王者のサウル・アルバレスが、2018年12月にWBAスーパーミドル級王者のロッキー・フィールディングを3RにTKOで降し王座栄冠 『観戦記2334』 2019年5月には、WBAスーパー&WBCミドル級王者としてIBFミドル級王者のダニエル・ジェイコブスを判定で降し3団体ミドル級王者 『観戦記2527』 次はWBC暫定王者のジャーマル・チャーロと思われたが・・・・WBCはアルバレスをフランチャイズ王者にして、ジャーマル・チャーロがWBCミドル級正規王者になり2度目の防衛戦!

 

2019年6月29日 WBCミドル級王座戦 ジャーマル・チャーロvsブランドン・アダムス

 

ジャーマル・チャーロ 28勝21KO無敗 2度目の防衛戦

 

ブランドン・アダムス 21勝13KO2敗 WBC12位

 

1R、体格で勝るジャーマルが、前に出てプレッシャーをかけながら左を伸ばす

 

アダムスは、素早く動きながら距離を取る~ジャーマルが詰めてきても何とか避ける

 

2R、小さいアダムスは、何度も低く飛び込んでいき中途半端な距離にいない

 

ジャーマルは右を振る~アダムスはダッキングでかわしていたが、ジャーマルが手数を増して右を当てるがアダムスは流す!

 

3R、ロープに詰まりながらも、左右によく動くアダムス~飛び込んでの左フック!

 

地元のジャーマルに大歓声も、アダムスのタイミングが読みにくい飛び込みに惑わさられる

 

4R、プレッシャーかけていくジャーマルだが、アダムスは廻って廻り込みながら下から左を突き上げる

 

アダムスは入れば密着して打ち、ジャーマルはやりづらそう~レフリーに分けられても、アダムスは変則的に飛び込む!

 

5R、アダムスが飛び込んでくるところに、ジャーマルが右を合わせる~飛び込みづらくなり、止まったアダムスにジャーマルがダイレクトの右!

 

それでもアダムスが、身体を柔らかく動かしながら飛び込んでくる~ジャーマルはカウンターで左を合わせる!

 

アダムス効いた!ジャーマルは凄まじい連打だがクリーンヒットしない

 

6R、まだまだアダムスは低く飛び込む~ジャーマルは倒しにいっているが、アダムス柔らかくかわす

 

ジャーマルが荒々しく打つが、アダムスは常に頭を低くしてクリーンヒットは貰わない

 

7R、ダメージあるも細かくジャブを当てるアダムスに、ジャーマルは豪快に振るが当たらない

 

アダムスの飛び込んでの左フックも、スピードが落ちてジャーマルに見切られる

 

8R、アダムスが左フックで飛び込むも、ジャーマルはバックステップでかわす~ジャーマルが遠い距離から飛び込んでストレートのような左を連打!

 

それでもアダムスは前には出ているが、ジャーマルのパワフルな左に弾き返される

 

9R、なんとか入りたいアダムスが、頭を下げてジャーマルが待ち構えていようと右を振る!

 

しかし、ジャーマルも腰を落としてアダムスを詰めていく~ボディーから連打!

 

10R、頭を振りながら入っていこうとするアダムスも、スピードが落ちてジャーマルに狙い打たれる

 

それでもアダムスは喰らいつく~ジャーマルがアッパーから連打!

 

アダムス効いた!フラフラ下がるアダムスに、ジャーマル詰めるが極めきれない

 

11R、ジャーマルが極めにいく~しかし、まだまだアダムスは柔らかく避ける

 

ジャーマルが振っていくが、アダムスも必死にガードする~しかし、ガードごと吹き飛ばすジャーマルのアッパー!

 

12R、最終ラウンドだけに、ポイントでは厳しいアダムスが出ていく

 

ジャーマルも最後まで倒しにいくが、アダムスも最後まで粘り試合終了

 

判定は、119-109 120-108 120-108 3-0でジャーマル・チャーロの勝利!

 

見事に大差判定勝ちで、ジャーマル・チャーロがWBCミドル級王座2度目(正規王者になって初)の防衛に成功!ジャッジ3者のうちジャーマルがポイントを失ったのは、ジャッジ1者が6Rのみという完勝。しかし、ブランドン・アダムスは最後まで諦めずに果敢に闘って試合を飽きさせないファイトを魅せた。

ジャーマルは 『アダムスはタフだった』と話し、アダムスは 『ジャーマルを効かせたことは分かっているよ。ジャーマルも分かっているはずだ。正直に話すのかどうかはジャーマルによるけどね。俺は正直に言うけどジャーマルのパンチが何発か当たって効いたよ。でも、俺は俺がやろうとしてたことをまたやろうとしてカムバックしたんだ。俺は、何からも逃げる必要がなかったからね。だから効いたかどうかを認めるのはジャーマルの問題だ。ジャーマルの気持ちを代弁することはできないけど効かせたことはわかってる。俺が時々パンチを当てたらクリンチしてきたしね。これはボクシングだからそれはあることだよ。判定はより接戦だったと思うけど俺はジャッジではないからね。ジャーマルは仕事をしたけど俺も良いパンチを当てられた。でもここはヒューストンでジャーマルのホームタウンだから俺は支配しないとダメだった。ジャッジの手に渡った接戦だったよ。勝ちたかったけどね。雰囲気も何もかも最高だったよ。タフな試合だったけどそうなることはわかってた。また戻ってこのことから学ぶよ。ジャーマルは俺よりも大きい選手だったね。近づきたかったけどより間合いが遠かったし気をつけないとならなかった。彼がチャンピオンであることには理由がある。俺はプランに沿ってたよ』 と、自慢気味に話すのはどうかと・・・・

そして、ジャーマル・チャーロ次戦は半年後の2019年12月にWBC5位のデニス・ホーガンと3度目の防衛戦。初の世界王座挑戦も完敗だったブランドン・アダムスは、コロナ禍もあり1年6ヶ月空いて2020年12月にサニー・デュバンソンヌに2RでKO勝ち。

 

★「大砲」のニックネームぽくないアダムスだったが・・・ 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村