《本日のＤＶＤ観賞》
ＷＢＡバンタム級王者の井上拓真選手が、１１月１５日にＷＢＡ６位で前ＩＢＦスーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハスと日本で防衛戦との報道があった。井上拓真選手は王座決定戦での王座栄冠で 『観戦記２５７３』 ６月１１日にはＷＢＡバンタム級３位の石田匠選手が、ＷＢＡバンタム級４位のビクター・サンティリャンに２－１の判定勝ちしてＷＢＡ挑戦権を獲得している。王座決定戦での王座栄冠は、基本的に初防衛戦でランキング１位との対戦が義務付けられているはず。ＷＢＡバンタム級１位は石田匠選手で、しかも挑戦者決定戦に勝利してのランキング１位。
大阪の井岡ボクシングジム所属の石田匠選手は、デビュー２５戦目に無敗で世界挑戦するも判定敗け 『観戦記１８８９』 ３０戦目に、イスラエル・ゴンサレスとＩＢＦスーパーフライ級王座決定戦も１－２の判定敗け～３２戦目に、元３階級制覇王者の田中恒成選手に１－２の判定敗け 『観戦記２２８８』 完敗したのは敵地イギリスに乗り込んだカリド・ヤファイ戦だけで、ヤファイは無敗のまま２０１８年５月～１１月に石田選手を降したイスラエル・ゴンサレスに防衛を果たしている。
１９８６年１月生まれのカリド・ヤファイ（カリッド・ヤファイ）の両親はイエメン共和国の出身「イエメン系のイギリス人」 まさにナジーム・ハメドの系譜。ヤファイもハメドに憧れていて早くからボクシングをして、１６歳でジュニア・スポーツ・オブ・ザ・イヤーを受賞～Ｕ１７の世界選手権で優勝、２００８年の北京五輪＆２００９年の世界選手権に出場するなどし、２０１０年の欧州選手権では銀メダルを獲得～２０１２年７月にデビューし、デルロイ・スペンサーを２Ｒに棄権に追い込む。１年半の間に１０連勝（７ＫＯ）無敗で、２０１４年５月にコモンウェルス英連邦スーパーフライ級王座決定戦でヤクブ・カリームを３ＲにＫＯして王座獲得～９月には、ＩＢＦインターコンチネンタルスーパーフライ級王座決定戦でヘラルド・モリナを２ＲにＫＯして栄冠～１１月に、エベルト・ブリセーニョを大差判定で降し初防衛に成功～２０１５年３月に、今年の４月に比嘉大吾選手からＷＢＣフライ級王座を奪った 『観戦記１４４１』 クリストファー・ロサレスに判定勝ち～さらに２連勝し、２０１５年１０月にジェイソン・カニンガムを判定で降しＢＢＢｏｆｃ英国スーパーフライ級王座を獲得～２０１６年３月には、ディクソン・フローレスを１ＲにＫＯしてＷＢＡインターコンチネンタルスーパーフライ級王座を獲得～６月にジョズゼフ・アジタイを１ＲにＴＫＯ勝ち、１０月にジョンソン・テジェスを３ＲにＫＯしてＷＢＡスーパーフライ級１０位までランキングを上げる。
そして２０１６年１２月に、アンソニー・ジョシュアの世界戦のアンダーカードでＷＢＡスーパーフライ級王者のルイス・コンセプションに初の世界挑戦し大差判定勝ちで王座獲得 『観戦記１４７４』
２０１７年５月の初防衛戦は、ＷＢＡ１０位の村中優選手を判定で降す 『観戦記１５０１』
１０月の２度目の防衛戦でもアンソニー・ジョシュアのアンダーカードで、ＷＢＡ１位の石田匠選手を大差判定で降す 『観戦記１８８９』
２０１８年５月にカルフォルニア州で、ＷＢＡ１０位のダビド・カルモナを７Ｒ終了時ＴＫＯで降し３度目の防衛に成功 『観戦記２０７０』
１１月にもモンテカルロで、ＷＢＡ１４位のイスラエル・ゴンサレスを判定で降し４度目の防衛に成功。
そして５度目の防衛戦の相手は、ＷＢＡスーパーフライ級１位のノベルト・ヒメネス！
１９９１年２月にドミニカ共和国のビラドゥアルテで生まれた‘Ｍｅｉｔｏ‘ノルベルト・アイリーン・ヒメネス・ロレンソは、２０１０年２月にデビューしてファン・グスマンに判定敗け～さらに２連敗して、１０月に後のＷＢＡバンタム級スーパー王者になるファン・カルロス・パヤノに２ＲでＴＫＯ敗け～その後は３勝４敗２分も、２０１２年９月から１０連勝８ＫＯ～２０１３年３月に、ダニー・アキノを判定で降しＷＢＣ中央アメリカフライ級王座を獲得。
５月には、エリエセル・アキノと負傷判定ドローでＷＢＣ中央アメリカ王座初防衛に成功～王座を返上し３連勝１ＫＯして、２０１４年２月にエステバン・アキノを３Ｒ棄権に追い込みドミニカスーパーフライ級王座を獲得～６月にも、フリオ・エスクデロを判定で降しＷＢＡラテンアメリカスーパーフライ級王座を獲得～９月には、ネウディ・マトスに１Ｒ反則勝ちしてドミニカスーパーフライ級王座初防衛に成功～大晦日に日本で、河野公平選手のＷＢＡスーパーフライ級王座に挑戦も１－１のドローで王座獲得ならず。
２０１５年４月に再起し、ヘスス・バルガスを判定も完封する～７月に、アニーエロ・ムニョスを４ＲにＴＫＯで降しドミニカスーパーフライ級王座初防衛に成功～さらに７連勝５ＫＯして２度目の世界王座挑戦に辿り着く！
デビュー８戦は１勝７敗も、その後は３０戦８年敗けなしで世界戦でも引き分けたノルベルト・ヒメネスが待望の２度目の世界挑戦！２度目のアメリカマットに参戦となるカリド・ヤファイは、次戦でのビックマッチが噂される中でアメリカマットにインパクトを残せるか！？
２０１９年６月２９日 ＷＢＡスーパーフライ級王座戦 カリド・ヤファイｖｓノルベルト・ヒメネス
カリド・ヤファイ ２５勝１５ＫＯ無敗 ５度目の防衛戦
ノルベルト・ヒメネス ２９勝１６ＫＯ８敗４分 ＷＢＡスーパーフライ級１位
１Ｒ、ヒメネスが、まさに滑るように廻る～ヤファイから左フックを振っていく！
ヤファイが積極的に打っていく～頭から突っ込んでいきボディー！
２Ｒ、動き廻るヒメネスを、ヤファイが追い回して打つがヒメナスもガード固い
手は出しているヒメネスだが、パンチは軽くヤファイにコーナーに詰められてしまう
３Ｒ、廻りながらクリンチ～ジャブを出して手数は稼ぐヒメネス
ヤファイがガンガン踏み込んでいく～ヒメネスがアッパーを狙うも、ヤファイかわして右！
４Ｒ、ヤファイのパンチを、過剰に避けるヒメネス～腰が引けた状態で左を伸ばすだけ
ヒメネスのホールディングに減点１～ヤファイ攻めるが、クリーンヒットしない
５Ｒ、バッティングでヤファイが額から出血～ヒメネスは火が着いたか出ていく
しかし、ガードを固めながらヤファイが潜り込みボディー～ヒメネスは下がらされ打たれる
６Ｒ、廻りながらジャブを伸ばすヒメネスを、ヤファイが追い回して打ち終わりに右を被せる！
ヤファイが距離を潰してボディー～ヒメネスはロープに詰まる！ローブローをアピールも効いている！
７Ｒ、ヤファイが低く追っていく～ヒメネスは、クリンチしながら必死に廻る
ヤファイも疲れてきたか！？それほど詰めることなく、お互いにクリーンヒットは無い
８Ｒ、ゴングと同時にヒメネスが出てくる～ヤファイのガードの上だろうが連打！
ヤファイがガードを固めながら前に出てボディーも、手数はヒメネスが上か！？
ヤファイが追い回して左右のボディーも、両方とも低く一時中断
９Ｒ、ヒメネスは、まだまだ足は落ちずに廻る～追いかけるヤファイは、ヒメネスの左の打ち終わりを狙う
ヤファイが潜っていく～ヒメナスはアッパーを突き上げるが、かわしたヤファイが左フック！
１０Ｒ、残りラウンド少ないが、ジャブを伸ばしながら距離を取るヒメナス～ヤファイ見切って右を被せる！
ジャブばかりのヒメナスに、ヤファイは踏み込んで右！しかし、効かせられない
１１Ｒ、ポイントはリードしているだろうヤファイが、大きく廻りながら左でヒメナスを止める
ヒメナスが右を振るが、ヤファイはバックステップでかわす～ヤファイが出ていくと、ヒメナスはズルズル下がる
１２Ｒ、最終ラウンドだけに、ヒメナスが突っ込む～ヤファイは、バックステップしなかわら左フック！
ヒメネスも果敢に攻めるが、ヤファイは廻りながら左フックを引っかける！ヒメネスはひっくり返りダウン！
立ち上がったヒメネスが、必死に攻めるも有効打は無く試合終了
判定は、１１９－１０７ １１８－１０８ １１７－１０９ ３－０でカリド・ヤファイが５度目の防衛に成功！
見事にカリド・ヤファイが安定感ある試合での防衛だが、ボディーもローブロー気味が多くダウンも微妙なダウンだった。しかし、下がりながらジャブを伸ばすヒメネスもポイントは奪えずに盛り上がりには欠ける試合でアメリカの会場からはブーイングも出ていた。アメリカで「ＳＵＰＥＲ ＦＬＹ」が開催され注目された階級でのＷＢＡ王者ヤファイ登場だが、この時点での他団体王者はＷＢＣスーパーフライ級王者がファン・フランシスコ・エストラーダ、ＩＢＦスーパーフライ級王者がジェルウィン・アンカハス、ＷＢＯスーパーフライ級王者は井岡一翔選手。
上手いし安定感のある王者カリド・ヤファイの次戦は、８ヶ月後の２０２０年２月に元４階級制覇王者で「ＳＵＰＥＲ ＦＬＹ」で主役を務めると思われたローマン・ゴンサレスと６度目の防衛戦。８年振りの敗戦となったノルベルト・ヒメネスは、８ヶ月後の２０２０年３月にドバイでナイジェリアのアリウ・バミデレ・ラシシのＷＢＣインターナショナルスーパーフライ級王座に挑戦もドロー。
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