観戦記2551 IBFクルーザー級王座戦 デニス・レベデフvsムラト・ガシエフ | 人生マイペンライ

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極秘でウクライナに訪問した岸田総理だが、2月20日にアメリカのバイデン大統領がキーウの訪問しG7の中でウクライナに訪問していないのは日本だけだった。戦争なんてそんなものだろうが、元々はソビエト連邦で同じ国だったがソ連崩壊の1991年にウクライナは建国した。いまやボクシング大国に成りつつあるウクライナだが、ソ連時代から優秀なスポーツ選手が多くいたが社会主義の国の中でアマチュアボクシングでの活躍ほど世界王者は出なかった。ソ連が崩壊後の1992年にコンスタンチン・チューはオーストラリアに移住し、WBA&WBC&IBFスーパーライト級王者になった。

日本でも勇利アルバチャコフやオルズベック・ナザロフなどが来日し、日本のボクシングファンの度肝を抜いた。多くのロシア選手は海外に拠点を移しプロモーターと契約しチャンスを掴み王座とファイトマネーを得たが、デビューから35戦をほぼロシア国内で闘い(ドイツ3戦、イギリス3戦、モンテカルロ1戦)ウクライナと隣接しウクライナの首都キーウとは30kmほどに位置するロシアのベルゴルド州出身の世界王者がデニス・レベデフ!

 

1979年8月に当時はソビエト連邦ベルゴロド州に生まれた‘The White Swan‘白鳥の異名を持つデニス・レベデフは、ロシアだしアマ戦績もそれなりにあるだろうが目立った戦績は無い~2001年2月に6回戦デビューしてティムレイ・キエクレイズに判定勝ち~3月にもデニス・デリャブキンに判定勝ちし、6月の3戦目にノウディーン・メリクウを3RにTKOで降しロシアライトヘビー級王座を獲得~11月にもメルゾヒド・ジャンバを判定で降し、12月にはリシボーイ・ジャミールザエフを9RにTKOで降し初防衛に成功~王座を返上して7連勝5KOした後の2004年9月に、再度ロシアライトヘビー級王座決定戦でアーテム・ブツィキムを判定で降し再栄冠。

しかし、ここから4年のブランクをつくり・・・・2008年7月にクルーザー級で復帰し、ドミトリー・アダモビッチに5RでKO勝ち~さらに6連勝4KOして、2004年9月にまたもロシアライトヘビー級王座決定戦でアーテム・ブツィキムに判定勝ちして王座を再々栄冠。

またもベルトを返上して連勝4KO後の2009年7月に、エンゾ・マカリネリを3RにTKOで降しWBOインターナショナルクルーザー級王座を獲得~12月に、アリ・イスマイロフを6R終了時TKOで降し初防衛に成功~2010年2月にも、イグナシオ・エスパルザを4RにKOして2度目の防衛に成功~7月に、WBO2位のアレクサンドル・アレクセーエフを2RにKOする~いよいよ12月に、WBOクルーザー級王者のマルコ・フックに挑戦するも1-2の判定負けで王座栄冠ならず初黒星。

しかし、2011年5月に元4階級制覇王者のロイ・ジョーンズJrを10RにKOする 『観戦記2062』

 

11月に、WBA4位のジェームス・トニーとWBAクルーザー級暫定王座決定戦で対戦し大差判定勝ちで暫定王座栄冠~2012年4月に、ショーン・コックスを2RにKOして初防衛に成功~正規王者のギレルモ・ジョーンズと統一戦予定も、ジョーンズが怪我をして休養王者になりレベデフが正規王者に昇格。

8月に、WBA8位のサンタンデル・シルガドを4RにKOして2度目の防衛に成功~2013年5月に休養王者のギレルモ・ジョーンズと統一戦も、11RにKOされるが試合後にジョーンズがドーピングの陽性反応が出て無効試合。2014年4月に再度ギレルモ・ジョーンズとの統一戦が開催される予定も、試合直前にドーピング違反が発覚し試合は消滅。9月に、WBA4位のパヴェウ・コウォジェイを2RにKOして3度目の防衛に成功~2015年4月に、何故か誕生したWBA暫定王者のユーリ・カレンガとダウンの応酬の上で判定勝ちして4度目の防衛に成功~11月に、WBA5位のラティーフ・カヨデに8RにTKO勝ちして5度目の防衛に成功し何故かWBAスーパー王者に昇格・・・・

2016年5月に、IBFクルーザー級王者のビクトル・ラミレスと統一戦に挑み2RにTKO勝ちしてIBF王座を獲得するとともにWBA王座6度目の防衛に成功。

 

ここでWBAはランキング1位のベイブト・シュメノフとレベデフの統一戦の指令を出すが、レベデフはIBF2位のムラト・ガシエフとの防衛戦交渉~そして、IBF王座を賭けてムラト・がシエフと衛戦!

 

1993年10月にロシアの北カフカス地方の北オセチア共和国で生まれた‘IRON(鉄)‘ムラト・ガシエフはアマチュアでは25戦のみ~18歳になる1ヶ月前にデビューして、ローマン・ミルゾエフに判定勝ち~その後も10連勝6KOして、2013年6月にレバン・ジョマーダシュビリとのWBCクルーザー級ユース王座決定戦を2RにTKO勝ちで王座獲得~9月にもローマン・ミルゾエフに3RTKO勝ちし、12月にもイビカ・バクリン判定勝ちししてWBCユース王座の初防衛に成功~2014年2月には、イスマイル・アブドゥルを判定で降してIBF東西欧州クルーザー級王座を獲得~さらに3連勝3KOして、2014年10月にはエンギン・ケラキュプランを1RにTKOで降しIBFインターコンチネンタルクルーザー級王座を獲得~2015年1月にはテランス・スミスを4RにTKOで降し、4月にもフェリックス・コーラJrを9RにTKOで降しIBFインターコンチネンタル王座の初防衛に成功~6月にロドニー・ムーアを2RにKOし、12月にはIBFクルーザー級王座挑戦者決定戦でアイゼア・トーマスと対戦も3R無効試合~2016年5月に再度、IBFクルーザー級王座挑戦者決定戦でジョルダン・ジャミールを1RでKOして挑戦権を獲得。

 

WBAスーパーとIBFのクルーザー級王座を保持するデニス・レベデフだが、IBF指名挑戦試合なのが気に入らなかったのか防衛戦を認可せずにIBF王座だけ賭けられる!レベデフのトレーナーは、マニー・パッキャオでお馴染みのフレディ・ローチ。ガシエフのトレーナーは、ゴロフキンでお馴染みのアベル・サンチェス!オッズは互角だが、ネクスト・ゴロフキンと呼び声のある無敗の新鋭ガシエフがレべデフより14歳若い23歳の勢いのまま王座獲得成るか!?

 

2016年12月3日 IBFクルーザー級王座戦 デニス・レベデフvsムラト・ガシエフ

 

デニス・レべデフ 29勝22KO3敗1無効試合 IBF8度目の防衛戦

 

ムラト・ガシエフ 24勝17KO無敗1無効試合 IBF1位

 

1R、体格では劣るレベデフだが、低く入ってジャブを伸ばす

 

手数多いレベデフに、ガシエフはドッシリと構えながらも右ストレート!

 

2R、レベデフが、流れるようなステップワークからアウトを取って左を打ち込む!

 

なかなか入っていけないガシエフ~右を振るが、レベデフはダッキングでかわす

 

3R、細かくレベデフがジャブを打ちながら動くも、ガシエフは踏み込み右ストレート!

 

さらにガシエフがボディー~サウスポーのレベデフに、インサイドからジャブを当てて追い回す

 

4R、さらにガシエフが圧力を増していく~レベデフは何とか避けているも、パンチを返せない

 

レベデフは廻る~身体を上下させながら、ガシエフのパンチをかわしてボディー!

 

しかしガシエフは止まらず、レベデフをロープに追い込み連打!

 

5R、やはり、ガシエフがプレスをかけていきコンビネーションからボディー!

 

さらにガシエフが追いかけ左ボディー!レベデフは左右に動くも、ガシエフの左ボディーでダウン!

 

立ち上がったレベデフは大きく廻る~ガシエフは左ボディーを狙うが、レベデフなんとか耐えきりラウンド終了

 

6R、ゴングと同時にガシエフが突っ込んでくる~レベデフは足を使いながらも、渾身の左ストレートを振り止める!

 

ガシエフは、打たれながら前に出続ける~廻るレベデフに左ボディー!

 

7R、レベデフは徹底してアウトボクシング~足を止めずにジャブを入れる

 

ガシエフは空振りが多くなる~レベデフがジャブからスピードある連打!

 

8R、ガシエフは疲れからか!?追い足が鈍く、レベデフが動いては打つ!

 

手数はレベデフも、ガシエフは前に出る~ロープに押し込み右!

 

9R、廻るレベデフにガシエフが詰め左ボディー!レベデフ効いたか!?動きが止まったところに、ガシエフが右ストレート!

 

ガシエフが豪快なパンチも、レベデフは細かいパンチでヒット数を稼ぐ

 

10R、プレスを弱めないガシエフ~廻るレベデフをロープに追い込み右!

 

追いかけるガシエフがラフになったところに、レベデフがカウンターの左ストレート!

 

ガシエフ効いた!ズルズル下がったガシエフにレベデフが連打!

 

しかし、ガシエフも押し返す~左ボディー!今度はレベデフ効いた!ガシエフ出る~さらに左ボディー!

 

11R、見映えのいいパンチを振るガシエフと、細かく小さいパンチを当てるレベデフ

 

ガシエフが前に出るが、レベデフの足は落ちずに廻って左!

 

12R、両者ともにポイントは微妙と捉えているか!?ゴングと同時に激しく打ち合う~レベデフの左ストレート!

 

かなりガシエフ疲れているが、動くレベデフを必死に追いかけ右ストレート!

 

判定は、114-113 112-116 111-116 1-2の判定でムラト・ガシエフがIBFクルーザー級王座奪取!

 

まさにクルーザー級の良いところである、迫力とテクニックが盛り沢山の激戦をムラト・ガシエフが制し初の世界王座となるIBFクルーザー級王座を獲得!中盤にボディーを効かされダウンを奪われるも、判定スプリットまで持ち込んだレベデフの意地。無敗の勢いのまま、前に出続けて2冠王者を降して初の世界王者になったガシエフ。レベデフのサウスポーの良さを生かした位置取りも、ガシエフが自信満々に詰めていき右ストレートを届かせポイントを奪った。

そしてレベデフは7ヶ月後の2017年7月に再起し、マーク・フラナガンに判定勝ちしてWBAスーパー王座8度目の防衛を果たす。しかし、他の4団体の王者達は賞金トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」に参加レ、ベデフだけが取り残されたかたちになる。レベデフはWBAレギュラー王者のユニエル・ドルティコスとWBA団体内統一戦を開催しなければならないはずが、ドルティコスはWBSSに参戦。WBAはレベデフをスーパー王者から休養王者にさせる暴挙!そしてWBSS優勝者との統一戦を指令するが・・・レベデフはスーパー王座を返上し、ロシア&モンテカルロで闘い2019年末に引退する。

 

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