観戦記2437 BOM ナーイ・カノム・トムライトフライ級王座決定戦 吉成名高vsゲンカー・ヌン | 人生マイペンライ

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ボクシングでも主要4団体のWBA、WBC、IBF、WBOがあり、暫定王者やマイナー団体も入れるとかなりの‘世界王者がいる‘MMAでも多くの団体が有りルールも色々とあるが、やはりUFCが頂点にあってUFCの王者がMMAの世界王者と言っても過言はないだろう。立ち技だとルールやラウンド数、階級の体重設定すら違うので簡単には頂点のリング(団体)というのは難しい。一時は旧K-1が世界で予選を開催してまとめようとしたが、それもヘビー級がほとんどだった。しかし、2000年から魔娑斗さんの出現による70kgのK-1 MAXはヘビー級をも凌ぐ面白さで人気を集め、さらに新生K-1では65kgからスタートして軽量級が中心の大会で盛り上げている。

しかし立ち技で、しかも軽量級となれば何処が世界最強を決めるリングかと言われればこの2022年になってもムエタイの2大殿堂ラジャダムナン・スタジアムとルンピニー・スタジアムの王者が頂点なのだろうか。何せタイ人以外の王者に初めてなったのが藤原敏男さんで、その後もライト級以上のラジャダムナン王者は出現したが「神の階級」と呼ばれる軽量級ではタイ人以外で王者は出現できなかった。

そんなムエタイ最強最後の牙城といえるミニフライ級~フライ級で王者に、しかもラジャダムナンとルンピニーに両スタジアムを制したのが吉成名高選手・・・私の地元の仲間の息子だというのだから驚いた!

 

2001年1月に神奈川県横須賀市に生まれた‘名高き天才‘吉成名高選手は、幼い頃から兄の影響で空手を始め、小学校3年からはムエタイに転向~小学校5年生で初のタイで修行~数々の国内ジュニア大会で優勝し、中学生でラジャダムナンのリングにも上がる~日本ではBOMやムエロークで活躍し、タイでも2016年5月にイサーン地方の45kg級王座に挑戦も判定負け~さらに国内&タイで活躍し、2016年11月にはムエロークでシューサップ・トー・イッティポーンのWMC世界ピン級王座に挑戦も判定負け。

さらにタイ人相手に戦績を重ね、2017年4月にヤックセー・シリラックムエタイジム3RKO勝ちしてWMC世界ピン級王座を獲得~INOKI ISMに出場など日本での注目度も上がり、2018年4月のBOM XVⅡではトゥアトーン・シンマニーに判定勝ちしWBCムエタイ世界ミニフライ級王座を獲得~9月にはラジャダムナンスタジアムで、ローマ・ウッドンムアンを1RにTKOで降しIBFムエタイミニマム級の初代王者に輝く~12月のBOM XXでは、ハーキュリ・ペッシームを判定で降しラジャダムナンスタジアムミニフライ級王者に輝く

2019年2月のラジャダムナンスタジアムでのノンタイトル戦も、パッチョウ・ウッドムアンを3RにTKOで降す~2019年2月のムエタイオープンで、ビッグワン・ソー・シリサックを1RにKOしてルンピニージャパンミニフライ級王座を獲得~4月BOMでも、ルンピニースタジアムミニフライ級王座決定戦でシンダム・カフェフォーガを判定で降し王座栄冠。

 

そして階級をライトフライ級に上げて、ホームであるBOMでナーイ・カノム・トムライトフライ級王座決定戦に挑み対戦するのはナーイ・カノム・トムライトフライ級2位のゲンカー・ヌンポンテ―プ!

 

ナーイ・カノム・トム王座とは、200年程前にタイはビルマ(現ミャンマー)との戦争に敗れて侵略され、捕虜となっていたナーイ・カノム・トムはビルマ国王に命じられてビルマ拳法家10人(12人との説もあり)と戦い、全員を打ち負かした事によりナーイ・カノム・トムは釈放されて国に帰り、タイ人捕虜全員を釈放されたという。この戦いが行われた3月17日は現在でも“ムエタイの日”とされ、各地で記念大会が開催されているらしい。

吉成選手は 『ゲンカー選手は蹴りのタイミングがうまく、どんどん前に出てくる選手なので噛み合う試合になると思います。ムエタイを体現する統一王者らしい試合をしたいですね。これからはどの技も出来て、どの技でも倒せる選手になれるように頑張ります』と話す。

 

ムエタイの二大伝統制覇、しかもミニフライ級という神の階級での達成というとんでもない快挙をしている正に正真正銘の‘神童‘吉成名高選手は 『階級を上げて初めての試合ですが、チャンピオンらしい試合をして勝利できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします』 と、かつての電線説のムエタイの英雄を称えるベルトをも獲得してしまうか!?

 

2019年6月1日 BOM ナーイ・カノム・トムライトフライ級王座決定戦 吉成名高vsゲンカー・ヌンポンテープ

 

吉成名高 元ラジャダムナン&ルンピニースタジアムミニフライ級王者

 

ゲンカー・ヌンポンテープ ナーイ・カノム・トムライトフライ級2位

 

1R、お互いにじっくり見ながら、ゆっくりと廻る~ゲンカーがインロー!

 

吉成選手もロー~前蹴り!お互いにフェイントを入れ合う~ゲンカーが右ミドル!

 

吉成選手は距離感抜群にゲンカーの攻撃はかわし、サイドに回り込んで左フック!

 

さらに吉成選手は、左ミドルからパンチのコンビネーション!

 

2R、ゲーンが出てくる~吉成選手も蹴り返すが、ゲーンが踏み込んでロー!

 

吉成選手は下がりながらも、タイミング良く踏み込んで左ストレート!

 

ゲーンがついに組んでくるが、吉成選手も両脇を差す~パンチでくるゲーンに、吉成選手は左ミドル!

 

ゲーンはガンガン前に出てくる~組んでくるが、吉成選手も上手く廻して攻めさせない

 

しかし、ゲンカーがパンチで押し込んでくる!吉成選手は廻りながら左!

 

3R、ゲンカーはパンチから組み付いてきて、しつこく絞りあげてくる

 

さらに前に出てくるゲンカーも、吉成選手はらた廻りながらミドルを当てる

 

ゲンカーは出ていくが、吉成選手は距離をキープ~それでもゲンカーは止まらない!

 

吉成選手もテンカオ~組んでも投げ捨てていく!

 

ゲンカーは前に出て蹴り続けるも、吉成選手はかわして左ミドル!

 

4R、勝負の4ラウンドだけに、ゲンカーがラッシュ~吉成選手は廻りながら蹴る!

 

それでもゲンカーは、突っ込んできてミドルから組み付いてヒザ!吉成選手も廻りながらパンチ~左ミドル!

 

首相撲の時間が多くなるが、吉成選手は崩しから廻り左ミドルをバンバン蹴っていく!

 

5R、ポイントでは厳しいだろうゲンカーが、パンチから押し込んで倒してくる

 

吉成選手は無理に攻めずに、左ミドルと前蹴りで突き放す!

 

吉成選手が、廻りながら左ミドル~テンカオでゲンカーに攻めさせない

 

最後まで、廻りながら有効打を当てる吉成選手で試合終了

 

判定は、49-48 49-48 49-48 3-0で吉成名高選手がナーイ・カノム・トムライトフライ級王座を獲得!

 

見事に判定勝ちで吉成名高選手が、伝説の英雄ゆかりのベルトを獲得!なんせ凄いのは、完全にムエタイでムエタイ選手を破るということ。かつてはパンチやローキックで肉を切らせて骨を断つ的なファイトでムエタイ越えをした日本人だが、完全にムエタイの土壌でKOでは無く文句なしの判定勝ちしてしまうところに凄さがあるが・・・・なかなか日本で一般的には理解されるのは難しいのかな・・・

そして吉成選手は 『もうミニフライ級は減量がきついので防衛戦はやらないで返上します。次は二大スタジアムのライトフライ級王座を狙います』 と、タイ人以外では考えられない2大殿堂スタジアム二階級制覇を目標にしていくという。

 

★しかし吉成選手はコロナ過もあり翌年からはRIZINでも活躍 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村