観戦記2414 IBFウェルター級王座挑戦者決定戦 小原佳太vsクドラティロ・アブドカホロフ | 人生マイペンライ

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早いもので、日本ボクシングコミッション(JBC)が正式にIBF&WBOに加盟してから(2013年4月)9年が経った。元々はWBAから分かれての4団体(WBA,WBC、IBF、WBO)WBAは1921年にアメリカ国内のNBA(全米ボクシング協会)が元になり設立されたが、1974年に初のアメリカ人以外の会長にパナマのエリアス・コルトバが選出されて以降はアメリカ人の会長選出はなく本部もパナマ。そして1963年にメキシコを本部するWBCが設立され、1965年にマッチメイクの意義を唱えWBCはWBAから脱退。不思議なもので、1番ボクシングが栄えてビックマッチを行われているアメリカに以外の本部と会長による二大体制だった。

そしてアメリカは、南米主流の流れになっていたボクシング界にドン・キングなどの支持を受け1983年にIBFを設立。5月にミドル級王者のマービン・ハグラー、6月にスーパーライト級王者のアーロン・ブライアー、ライトヘビー級にマイケル・スピンクス、ヘビー級にラリー・ホームズの狙い通り全てアメリカ人王者が誕生。

そして、なんと言ってもIBFは基本的に暫定王者をつくらないのが素晴らしい!創立以来、1度も暫定王者が誕生していない階級がヘビー級、クルーザー級、ライトヘビー級、スーパーウェルター級、ウェルター級、スーパーフェザー級、フェザー級、スーパーフライ級、ミニマム級の9階級もある。

さらにIBFは、安易な挑戦者より挑戦者決定戦を開催して指名挑戦権を与える事も多く(決定戦の認可料金も貰っているだろうが)観ている方としてはストーリーができ公平な感じがする。世界的に層が厚い階級で日本人世界王者がいまだに出ていウェルター級(66.678kg)暫定王者も造らず世界王座に遠いIBFウェルター級王座挑戦者決定戦に挑むのが三迫ジムの小原佳太選手!

 

1986年11月に岩手県北上市で生まれた小原佳太選手は、岩手県の黒沢尻高校時代にボクシングを始める~高校3年生の時の、インターハイでフェザー級3位~東洋大学に進学して、ボクシングの1年先輩に村田諒太選手がいる環境の中で国体にて2006年、2008年ウェルター級優勝~三迫ジムに所属し2010年8月にデビューも、2002年全日本スーパーフェザー級新人王の熊野和義選手にダウンを奪い有利に試合を進めながらも5Rに逆転のTKO負けを喫する。

しかし、その後は長島健吾選手や外園隼人選手にKOするなど7連勝6KO(判定は5R負傷判定)~2013年4月には、リ・マッチとなった外園選手との日本スーパーライト級王座決定戦を4RでKOし王座初栄冠 『観戦記454』 8月の初防衛戦では、村田諒太選手のデビュー戦 『観戦記562』 のアンダーカードでランキング1位の竹中聡選手を3RでKO 『観戦記654』12月の2度目の防衛戦では、ランキング2位の蓮沼テツヤ選手を左アッパーで豪快にフッ飛ばしKO 『観戦記699』 そして日本王座を返上し、2014年4月に東洋太平洋スーパーライト級王座決定戦でジェイ・ソルミアノを4RでKOし栄冠 『観戦記758』 8月には、岩渕真也選手を12RにTKOで降し初防衛に成功~12月にもノンタイトル戦で、ロデル・ウェンセスラオを4RにTKOで降す~2015年4月には、岡崎祐也選手を6RにTKOで降し2度目の防衛に成功~8月にもコムペット・シットサイトーンを3RにKOして、11月にアメリカのフロリダ州でIBFスーパーライト級王座挑戦者決定戦としてIBF8位のウォルター・カスティージョと対戦もドロー 『観戦記1978』

 

再戦はカスティージョ陣営から嫌われ、2016年4月に世界前哨戦としてペッチダム・トーパランイーシップサームを1RにKOする 『観戦記1109』そして9月にロシアで、IBF3位としてIBFスーパーライト級王者のエドゥアルド・トロヤノフスキ―に挑戦も場外に吹っ飛ばされ2RにTKO負け 『観戦記1205』

 

2017年4月にインドネシアのラリー・スィウーに判定勝ちで再起し、8月にWBOアジアパシフィック・ウェルター級王座決定戦でタイのナロン・ボーンチャンを2RにTKOで降し王座獲得 『観戦記1393』12月に藤作周作選手を5RにTKOで降しWBOアジアパシフィック・ウェルター級王座の初防衛に成功~2018年4月のWBOアジアパシフィック・ウェルター級8位のアルビン・ラガンベイとの2度目の防衛戦では、ダブルノックダウンから小原選手は立ち上がれずに2RでTKO負け 『観戦記1507』

 

8月にアルビン・ラガンベイと再戦し、3RにKO勝ちしてWBOアジアパシフィック王座を奪還 『観戦記1521』

 

そして、再び世界王座挑戦者決定戦に出場!3年半前と同じくIBFも1階級上のウェルター級での挑戦者決定戦の相手はIBFウェルター級4位のクドラティロ・アブドカホロフ!

 

1993年8月生まれウズベキスタンのクルガンテバ出身のドラティロ・アブドカホロフ(クドゥラティロ・アブドカハロフ)は、2015年10月に22歳でデビューしてティムール・スミルノフに3RでTKO勝ち~さらに3連勝3KOして、2016年3月にイスラム・ミラフメドフを3RにKOしてウズベキスタンウェルター級王座を獲得~4月には、ファン・ベドージャ・オロスコを判定で降しWBFインターナショナルウェルター級王座を獲得。

6月にラリー・スィウーを判定で降し、7月にはアドーンズ・カバルキントを判定で降しWBCウェルター級シルバー王座を獲得~王座を返上してさらに2連勝2KOして、2017年3月にチャールズ・マニュチを1RにTKOで降し再びWBCウェルター級シルバー王座を獲得~9月にはロシアに乗り込み、WBC15位のドミトリー・ミハイレンコに判定勝ちして初防衛に成功 『観戦記1927』

 

11月に、シェルゾデベク・アリムヤノフに3RでTKO勝ち~2018年3月に、ラスロ・トートを判定で降しWBCシルバー王座2度目の防衛に成功~5月にも、トウワ・ギドゥクに判定勝ち

 

1952年5月に白井義男さんが日本人初の世界王者になってから60年以上経つが、ウェルター級(66.678kg)では未だに日本人世界王者が出ていない人類激戦階級。小原選手は、2度目の世界王座挑戦を掴め為にアメリカのペンシルバニア州フィラデルフィアで無敗のクドラティロ・アブドカホロフと対戦!

 

2019年3月30日 IBFウェルター級王座挑戦者決定戦 クドラティロ・アブドカホロフvs小原佳太

 

クドラティロ・アブドカホロフ 15勝9KO無敗 IBF4位

 

小原佳太 20勝18KO3敗1分 IBF5位

 

1R、小原選手が前後にステップしながら左を伸ばすが、アブドカホロフは小細工無しに踏み込み右!

 

小原選手は踏み込まれてもアッパーを打つが、アブドカホロフは豪快に振り回し右!

 

さらにスイッチもしながらガンガン攻めるアブドカホロフに、小原選手はボディーで止めにいく

 

2R、小原選手は出ていけない~クリーンヒットは貰わないもののアブドカホロフに追い回される

 

小原選手のジャブではアブドカホロフは全く止められず、アブドカホロフに振り廻され追いかけられる!

 

3R、小原選手は足を使い、大きく廻りながら左を突く~アブドカホロフが、打ちながら入ってきたところにカウンターを狙う!

 

廻るばかりになる小原選手に、アブドカホロフが追いかけ振り回すが当たらない

 

4R、やはりアブドカホロフが振りながら突っ込むが、小原選手は廻りながら右クロス!

 

しかし、アブドカホロフの回転が上がり小原選手は防戦一方になる

 

5R、アブドカホロフの手数が増していき、小原選手は廻るばかりの時間が多くなる

 

小原選手が1発返せば、アブドカホロフの変則的な軌道から3発飛んできて後退せざるえない

 

6R、小原選手は、廻りながらアブドカホロフの打ち終わりにまとめていく!

 

お互いに手数は出るが、クリーンヒットは奪えない~そうなるとパワーで押し込むアブドカホロフの印象が残る

 

7R、アブドカホロフが、豪快に振り回して小原選手をロープに追い込む~小原選手は身体を振りながらカウンターを狙う!

 

さらに小原選手は、アブドカホロフの打ち終わりを狙う~不用意に入ってきたアブドカホロフに、小原選手はガードの隙間を通すアッパー!

 

小原選手は、前後に素早くステップしながら速いコンビネーション~アッパー!

 

8R、まだまだ突っ込んできて振り回すアブドカホロフと、下がりながらもカウンターを狙う小原選手

 

アブドカホロフも飛び込みを慎重になる~それでも入れば、豪快なパンチを振り回す!

 

9R、細かく動きながら、カウンターを狙う小原選手~それでもアブドカホロフは、打ち込んでいく!

 

小原選手も、必死に打ち返してはいるが当たりは浅いか!?

 

10R、アブドカホロフも左右に動いてくる~合わせづらくなった小原選手に右!さらにサイドから右!

 

小原選手も手数を増していくが、アブドカホロフは全く引かずに重たそうなパンチを振る!

 

アブドカホロフが一気に出る!小原選手はコーナーに詰まるも、必死に廻りクリンチ

 

11R、ポイントでは劣勢だろう小原選手から出る~アブドカホロフが振ってきても合わせる!

 

アブドカホロフもここは下がらない~小原選手はアッパーを狙う!それでもアブドカホロフは突っ込み右!追いかけ右!

 

12R、最終ラウンドだけに、小原選手からも仕掛ける~しかし、接近戦でアブドカホロフのパンチが上回る!

 

廻り出したアブドカホロフを、小原選手は追いかけ打つが当たらない

 

判定は、118-110 117-111 115-113 3-0でクドラティロ・アブドカホロフの判定勝ち!

 

うぅ~ん・・・・小原選手らしさは出せず、ジャッジ1者は8ポイント差をつける完敗となってしまった。見るからにパワー型のアブドカホロフだが、スピードやテクニックで小原選手がそれほど劣っている感じはしなかったのだが小原選手らしい攻めが観れなかった。

やはり、この階級でのパワー負けを覆すにはスピードやキレに凄まじいものがないといけないのだろう。なにせ、このIBF王座挑戦者決定戦に勝って挑戦する王者はこの時点でエロール・スペンスJr。

小原選手は開催地が映画の設定だったロッキーになぞり 『後半にかけて、ロッキーのようなガッツが出せなかったのも敗因だと思いますが、全体的に見てコントロールされ、世界の壁は厚かったです』 と話すも3度目の世界挑戦を諦めてはいなく現役続行~わずか3ヶ月後の2019年6月にインドネシアのジョスフル・ケフィを4RでTKOに降す。

そしてIBFウェルター級王座挑戦権を獲得したハズのアブドカホロフだが、IBF王者は2週間前にマイキー・ガルシアを大差判定で降し 『観戦記2402』 WBCダイヤモンド王座も獲得したエロール・スペンスはWBC正規王者のショーン・ポーターとの統一戦へ突き進みウズベキスタン人のクドラティロ・アブドカホロフは全く相手にされない・・・・この時点でIBF3位には、これまた屈強なスペインのカーマン・リジャラガだが王座挑戦の話はこれまた聞かれない。

 

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