観戦記2395 WBCスーパーミドル級王座決定戦 アンソニー・ディレルvsアブニ・イルディリム  | 人生マイペンライ

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《本日のDVD鑑賞》

 

これぞ「日本ボクシング界の最高傑作」と思わせた。6月7日のWBAスーパー&IBFバンタム級王者の井上尚弥選手とWBCバンタム級王者ノニト・ドネアの3団体統一王座戦 『観戦記2394』そして、こういう場面こそ民放で多くの人に観てもらいたかったKO直後に喜ぶ息子を差し置いて交流のあるドネアに駆け寄る父親の真吾トレーナー。そして、KO敗けして退場する通路で先導する日本人関係者が転倒したところに手を貸すて立たせてあげるドネア。この場面を見ただけでも素晴らしい名勝負を語りながら一晩中飲め、まったく驕る事のない井上尚弥選手の姿に年内の4団体統一戦の実現が待たれる。

とんでもない親子の姿に感動したが、この埼玉スーパーアリーナ大会には弟のWBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王者井上拓真選手も出場し、日本スーパーバンタム級王者の古橋岳也選手をジャッジ2者がフルマークの判定勝ちをしている。井上拓真選手は、2019年11月にWBCバンタム級王者のノルディーヌ・ウバーリと暫定王者として統一戦も判定負け 『観戦記1835』 その後はスーパーバンタム級で日本人選手とハードマッチメイクが続いていた 『観戦記2105』 『観戦記2265』 あんな凄まじい兄がいてボクシングを続け、しかも暫定とはいえ世界王者になっているのだからたいしたもんだ。

兄弟世界王者は数多く誕生し、やはり体格も似ているので同じ階級で闘う事が多いの。井上尚弥選手のような兄がいると、弟の拓真選手は1つ上の階級で闘うことがほとんどでスーパーフライ級~バンタム級~スーパーバンタム級と上げてきた。ジャーマル&ジャーメルのチャーロ兄弟もスーパーウェルター級で双子4団体制覇しそうな勢いだった。そして、アメリカのアンドレ&アンソニー・ディレル兄弟は群雄割拠のスーパーミドル級で兄弟世界王者になったが、弟のアンソニー・ディレルの方が先に世界王者になっている。

 

1984年10月にアメリカのミシガン州フリントで生まれた‘The Dog‘アンソニー・ディレルは、1つ年上の兄である元IBFスーパーミドル級王者のアンドレ・ディレルとともに幼いころからボクシングを始めアマチュアで活躍~2003年4月には、後のWBA&WBC&IBFウェルター級王者になるアンドレ・ベルトに判定負け~2004年の全米選手権では準決勝で敗退となり、アテネ五輪の予選でも決勝で敗退。

2005年1月にデビューして、ヘンリー・デュークスに1RでKO勝ち~さらに20連勝17KOして、2011年7月にダンテ・クレイグを5RにKOしてUBOインターコンチネンタルスーパーミドル級王座を獲得~さらに4連勝3KOして、2013年12月にWBCスーパーミドル級王者のサキオ・ビガに挑戦もドローで王座獲得ならず 『観戦記718』 2014年8月にダイレクトリマッチで、サキオ・ビガを判定で降しWBCスーパーミドル級王座を獲得。

 

2015年4月に、WBC8位のバドゥ・ジャックに判定負けして王座陥落~2015年9月に再起し、マルコ・アントニオ・ルビオに判定勝ち~2016年4月に、後のIBFスーパーミドル級王者になるケイレブ・トゥル―アックスに1RでTKO勝ち~2017年1月に、ノーバート・ネメサパティに6RでTKO勝ち~11月にも、デニス・ダグリンに5R負傷判定勝ち~2018年4月に、アブラハム・ハンに判定勝ち。

 

そしてWBC1位として、再びWBC王者に返り咲くチャンスを掴み王座決定戦で対戦するのはWBC2位のアブニ・イルディリム!

 

1991年8月生まれトルコのシバス出身のアブニ・イリディリムは、アマ時代に2013年地中海選手権ライトヘビー級銅メダルを獲得~2014年3月にデビューし、ダビット・リバコニに判定勝ち~2015年2月にアレクサンダー・ジャンコビッチに1RにTKO勝ちすると、同じ月の3戦目にジョルジ・ペロシビリを3RにTKOで降しWBAインターナショナルライトヘビー級ユース王座を獲得~さらに2連勝2KOして、8月にグレン・ジョンソンを判定で降しWBAインターナショナルライトヘビー級シルバー王座を獲得~10月に、バーナード・ドンファックを判定で降し初防衛に成功~12月にジャーン・フォースマンを1RにKOして2度目の防衛とEPBCユーラシア太平洋ライトヘビー級王座を獲得~2016年2月に、ワルテル・ガブリエル・セケイラに判定勝ちしてWBAインターナショナル王座の3度目の防衛に成功~5月にも、ジャクソン・ジュニアに2RにKOで降して3度目の防衛に成功。

さらに3連勝2KOして、11月にはシラー・ヒポライトを3RにTKOで降しWBCインターナショナルスーパーミドル級シルバー王座を獲得~2017年2月にも、アレクサンドル・サスキスを1RにKOして初防衛に成功~5月には、マルコ・アントニオ・ペリバンを判定で降しWBCインターナショナルスーパーミドル級王座を獲得。さらに3連勝2KOして、11月にはシラー・ヒポライトを3RにTKOで降しWBCインターナショナルスーパーミドル級シルバー王座を獲得~2月にも、アレクサンドル・サスキスを1RにKOして初防衛に成功~5月には、マルコ・アントニオ・ペリバンを判定で降しWBCインターナショナルスーパーミドル級王座を獲得。

WBSSスーパーミドル級トーナメントに参戦し、10月にIBOスーパーミドル級王者のクリス・ユーバンクJrと対戦も3RにKO負け 『観戦記1826』

 

12月に再起して、アッティラ・コルダに1RでTKO勝ち~2018年3月に、デレク・エドワーズを判定で降しWBCインターナショナルスーパーミドル級王座を再獲得~5月にも、ライアン・フォードを判定で降し初防衛に成功~7月に、ホセ・アントニオ・ロドリゲスを1Rで棄権に追い込む~9月に、ロレンガ・モックを2-0の判定で降しWBCインターナショナル王座の2度目の防衛に成功。

 

WBCスーパーミドル級王者はデビッ・ベナビデスが保持していたが、2018年5月にプロモーターと契約で揉める~9月には抜き打ちのドーピング検査で陽性反応が出て、何故か休養王者・・・・そして、WBC1位のディレルと2位のイルディリムで正規王者決定戦となる!

 

2019年2月23日 WBCスーパーミドル級王座決定戦 アンソニー・ディレルvsアブニ・イリディリム

 

アンソニー・ディレル 32勝24KO1敗1分 元WBCスーパーミドル級王者

 

アブニ・イリディリム 21勝12KO1敗 元WBCインターナショナルスーパーミドル級王者

 

1R、高いガードから前に出るイルディリムも、ディレルは軽快に廻りながら左を突く!

 

前に出るイルディリムが手数を増していくも、ディレルは固いガード~イルディリムがガードを割るアッパー!

 

2R、ラウンド開始直後から、足を止めての派手な打ち合いになる!

 

ディレルの手数が増していく~しかし、イルディリムも前に出続けて押し込んでくる!ディレルは速いコンビネーションからアッパー!

 

3R、ディレルが、スイッチをしても手数多く攻める~左ストレートから右フック!

 

ディレルはオーソドックスに戻す~イルディリムは入りやすいか!?ガンガン詰めていき右を振り落とす!

 

4R、やはり、前に出るイルディリムに廻りながら手数のディレル

 

イルディリムは突っ込んで振り回す!ディレルのジャブでは、イルディリムを止めきれない

 

5R、さらに勢いづくイルディリム~ディレルのジャブを喰らおうとも右を伸ばしていく!

 

ディレルも手数を増していくが、イルディリムの勢いは止まらない~しかし、それほど当たっていないか!?

 

6R、ゴングと同時にイルディリムが突っ込む~ディレルは廻るもロープに詰まる!しかし、ヒット数はディレルが勝っているか!?

 

それでもイルディリムが、手数多く前に出る~ディレルは柔らかくかわしながらボディー!

 

7R、イルディリムが、頭を付けて打ちまくる~ディレルもアッパーを返すが、イルディリムは凄まじい手数

 

お互いに振るが当たらない~しかし、ディレルがボディー連打からアッパー!

 

低く入るイルディリムに、アップライトなディレルが待ち受けるのでバッティングになる!ディレルは左目上から出血!

 

8R、ラウンドが始まると、イルディリムは直ぐに頭を付けにいく~ディレルは下がりながら距離をつくり、ジャブを打ちながら低いながらもボディー!

 

イルディリムは下がらない~ディレルは下がりながらボディー連打も、イルディリムは追いかけ右!

 

しかし、イルディリムの前進が弱まるとディレルが連打!

 

9R、イルディリムが低く前進しながら打ちまくる!ディレルは左を突きながら廻る

 

イルディリムが、ディレルをコーナーに追い詰め打ちまくるがガードの上~ディレルは打ち終わりにアッパー!

 

10R、ディレルが足を使い大きく廻る~イルディリムは、変わらず低く突っ込んでいく!

 

ディレルはサウスポーにスイッチして、イルディリムの突っ込みをパンチで止める

 

それでもイルディリムが、アウトを取って右ストレートを伸ばす!

 

さらにイルディリムが連打でディレルをロープに追い込むが、再び頭が当たりディレルの傷が開く!

 

ドクターチェックが入るが、直ぐにストップになる!イルディリムはTKOと勘違いして喜ぶが・・・・偶然のバッティングによるストップなので、9Rまでの途中採点かと思われたが10Rを入れた負傷判定。

 

判定は、96-94 92-98 98-94 2-1で、アンソニー・ディレルがWBCスーパーミドル級王座を獲得!

 

ガードを下げながらもプレスをかけるイルディリムに、ディレルが下がりながらもノラリクラリとかわしてヒット数で上回ったか!?しかし、イルディリムに98を付けて6ポイント差でイルディリム勝利に付けたジャッジは7Rと10R以外がイルディリムに10点を付けている。7Rはバッティングによる出血があったラウンドなのでジャッジ3者ともディレルに10点。その他に10R以外は総てイルディリムに10点を付けるのは・・・・?

そしてアントニオ・ディレルの次戦は、7ヶ月後の9月にWBC休養王者~王座剥奪になっていたデビッド・ベナビデスと対戦。

主要4団体の世界王座には届かなったアブニ・イルディリムは2年のブランクをつくり、2021年2月に、何故かランキングを上げてWBCスーパーミドル級1位としてサウル・アルバレスとメガマッチ

 

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