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格闘技においては、ほとんどの王者は1位の上に王者となる。1番になっただけでは特別な称号を与えられるわけではなく、あくまでも王者は別格の存在で強いだけでは成れずタイミングや運などが揃った「選ばりし者」がベルトを巻けるのだろう。
その逆で 「無冠の帝王」 と呼ばれていた選手がいるのもまた事実。様々な問題で、なかなか世界挑戦がならずに国内や地域王座は取るが世界には届かない選手がいるのは世界中に多くいるのだろう。
私の世代では、なんと言っても元日本&東洋太平洋バンタム級王者のサーシャ・バクティン!主要4団体の世界ランク1桁で、31戦31勝無敗のまま世界挑戦は叶わずに引退。
その他にも、4度世界王座に挑戦した‘平成のKOキング‘坂本博之さんなど・・・・なんでこの選手が世界王者になれないのか!?と、運命を呪いたくなるような選手もファンとしたら切なくて美しくみえる。
UFCでも、在籍8年で3度フェザー級王座に挑戦するも王座に届かなかった人気選手がチャド・メンデス!
1985年5月にアメリカのカルフォルニア州ハンフォードで生まれた‘Money‘チャド・エドワード・メンデスは、5歳から父親の指導でレスリングを始める~ハンフォード高校時代に後のUFC殿堂入りするユライア・フェイバーと出会いMMAと触れ合う~カルフォルニア・ポリテクニック大学時代には、全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン.1で活躍しオールアメリカンに2度選出される。
大学卒業後にユライア・フェイバーの住むサクラメントに引っ越して、居候をしながらチームアルファメールでMMAの練習に励む~2008年9月にPFC.10でデビューしてジョヴァンニ・エンカーナシオンを1Rに1本で降す~さらに様々なマイナー団体で4連勝して、2010年3月にWEC47に参戦してエリック・コクに判定勝ち~4月のWEC48で、アンソニー・モリソンを1Rで1本勝ち~8月のWEC50では、カブ・スワンソンに判定勝ち~11月のWEC52でもハビエル・バスケスに判定勝ち。
UFCと契約し、2011年2月のUFC126で小見川道大選手に判定勝ち~8月のUFC133でもハニ・ヤヒーラに判定勝ちして、2012年1月のUFC142でジョゼ・アルドのフェザー級王座に挑戦するも1RにKO負け 『観戦記82』
7月のUFC148で再起し、コーディー・マッケンジーを1Rの31秒でKOする~12月のUFC on FOX.6でも、ヤオツィン・メザを1RでKO~さらに2013年4月のUFC on FOX.7でも、ダレン・エルキンスを1RでKOする~8月のUFC164では、クレイ・グイダを3RにTKOで降す~12月のUFC on FOX.9では、ニック・レンツに判定勝ち~そして2014年10月に、ジョゼ・アルドのフェザー級王座に再挑戦するも判定負け。
2015年4月のUFC Fight Night.63で、リカルド・ラモスを1RにTKOで降し再起する~7月のUFC189でフェザー級1位として、正規王者のジョゼ・アルド負傷によるフェザー級暫定王座決定戦に出場!しかし、フェザー級3位のコナー・マクレガーに2RでTKO負け 『観戦記917』
さらに12月のThe Ultimate Fighter.22の先生対決でフランク・エドガーに1RでKO負け~ドーピング検査に引っかかり、2年間の出場停止を受ける・・・・2018年7月のUFC Fight Night.133で復帰し、マイルズ・ジュリーに1RでTKO勝ち。
そしてマクレガーとの暫定王座決定戦以来のナンバー大会で対戦するのは、フェザー級10位のアレクサンダー・ヴォルカノフスキー!
1988年オーストラリアのニューサウスウェールズ州で生まれたアレクサンダー・ヴォルカノフスキーは、マケドニア人の父親とギリシャ人の母親の間に生まれ幼い頃からレスリングをする~12歳の時にオーストラリア少年部で優勝するが、14歳の時にラクビーに転向~ラクビーでプロになるが、トレーニングの1つとしてMMAを習う~アマチュアで4戦4KO勝ちし、ブラジリアン柔術紫帯でチャック・リデルに憧れプロに転向。
2012年5月にRevolution at the Roxyでデビューして、ゲルハルド・フォークトに判定勝ち~2013年2月にリーガル・ウィルソンに1RでTKO勝ちし、Cage Conquestウェルター級王座を獲得~4月には、アントン・ザフィアを4RにTKOで降しRoshamdウェルター級王座を獲得~5月のAFC.5でウェルター級トーナメントに出場するも、コーリー・ネルソンに3RでTKO負け~12月のAFC.7でルーク・カトゥ・ビックを3RにTKOで降す~2014年2月に、グレッグ・アッツォーリを1RにTKOで降しRoshamboライト級王座を獲得~5月のAFC.9でロドルファ・マルケスを1RでKOし、7月にはジャイ・ブラッド二―を1Rに1本で降しRoshamboライト級王座の初防衛に成功~さらに2連勝後の2015年6月に、ジェイムズ・ビショップを1RにTKOで降しAFCフェザー級王座を獲得。
12月にはPXC.50で矢地裕介選手に4Rで1本勝ちし、PXCフェザー級王座を獲得~2016年5月のAFC.15でも、ジェイミー・ムラーキーを1RにKOしてAFCフェザー級王座を獲得~7月のWollongong War.4でも、ジャイ・ブラッド二―を1RにTKOで降しWollongong Warライト級王座を獲得。
UFCと契約し、11月のUFC Fight Night.101で粕谷優介選手に2RでTKO勝ち~2017年6月のUFC Fight Night.110でも、廣田瑞人選手に判定勝ち~11月のUFC Fight Night.121では、シェーン・ヤングに判定勝ち~2018年2月のUFC221では、ジェレミー・ケネディに2RでTKO勝ち~7月のUFC Fight Night.133でダレン・エレキンスに判定勝ち。
ラクビー時代は97kgだったヴォルカノフスキーは、ミドル級~ウェルター級~ライト級~そしてフェザー級で王座を目指す!3度の王座戦での負けから再度王座戦を目指すチャド・メンデスはここで踏み台になるわけにはいかない1戦!
2018年12月29日 UFC232 チャド・メンデスvsアレクサンダー・ヴォルカノフスキー
チャド・メンデス 18勝4敗 フェザー級5位
アレクサンダー・ヴォルカノフスキー 18勝1敗 フェザー級10位
1R、チャド・メンデスが、前に出て中央を取っていく~ヴォルカノフスキーは下がりながらも左ハイキック!
お互いに、廻りながらフェイントを入れる~チャド・メンデスがイン&アウトにロー!
ヴォルカノフスキーも、ロー~パンチで前に出ていく!
チャド・メンデスも、下がりなからもカウンターからパンチをまとめる!
ヴォルカノフスキーが、ガンガン打撃で前に出る!メンデスは下がりながらも必死にガード
チャド・メンデスがタックルも、ヴォルカノフスキー切る~廻るチャド・メンデスに、ヴォルカノフスキーが打撃で追う!
チャド・メンデスも動きながら返す~ヴォルカノフスキーは手数多く飛び込む!
チャド・メンデスがタックル!廻すようにテイクダウンを奪う!
ヴォルカノフスキーは直ぐに立ち上がる~首相撲からヒザ!
2R、やはり、ヴォルカノフスキーがロー~ミドルの打撃で出ていく!
チャド・メンデスが飛びヒザ!ヴォルカノフスキーは、下がりながらなんとかブロックする
再びヴォルカノフスキーがガンガン打撃で出るも、チャド・メンデスがカウンターの右!
下がったヴォルカノフスキーを、チャド・メンデスが金網に詰めて右~左!
ヴォルカノフスキー吹っ飛ぶも、直ぐに立ち上がり打ち合う~左フック!
チャド・メンデスの右目が腫れてくる~ヴォルカノフスキーがパンチでラッシュも、メンデスがタックルからテイクダウンを奪う!
しかし、ヴォルカノフスキーは体を合わせながら立ち上がる~ヴォルカノフスキーがパンチで出る!左!
チャド・メンデスは廻りながらタックル!ヴォルカノフスキーのバックを取りチョークを狙うが抜けてしまう!
スタンドではヴォルカノフスキーが押す!メンデスは金網に詰められていく!
ヴォルカノフスキーのヒザ!効いた!ヴォルカノフスキーがパンチのラッシュ!左ボディー!
ヴォルカノフスキーの右でチャド・メンデスは崩れる!
さらにヴォルカノフスキーが右!レフリーが走って止めた!
見事に2RにTKOでアレクサンダー・ヴォルカノフスキーの勝利!レスリングがベースで、ラクビーのプロ選手だったヴォルカノフスキーだがほぼ打撃のみの攻めで上位ランカーのチャド・メンデスをKOしてしまうとは15連勝中だった強さを初のPPV本戦で魅せつける。これでヴォルカノフスキーはフェザー級ランキングを4位に上げて、5ヶ月後のUFC237で元フェザー級王者でランキング1位のジョゼ・アルドと対戦!
約8年間UFC闘い続けたチャド・メンデスは、4度目の王座戦の夢は叶わずに年を越して引退を発表する。しかし、いつも名勝負を生み出すチャド・メンデスらしくファイト・オブ・ザ・ナイトに選ばれて両者にファイトマネー+5万$。アレックス・ヴォルカノフスキーは6万5000$のファイトマネー+勝利ボーナス6万$も足されて17万5000$(当時レート1925万円)を得る。ランキング」上位だったチャド・メンデスは8万7000$+5万$で13万7000$(当時レート1500万)を獲得する。
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