観戦記2056 WBOフライ級王座決定戦 ジーメル・マグラモvs中谷潤人 | 人生マイペンライ

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コロナ禍の中で、やっと海外から選手を招聘して世界タイトルマッチが開催される!と、心待ちにしていた11月3日の大阪でのWBAライトフライ級王者の京口紘人選手の防衛戦が・・・・・両者計量をクリアーした後に、京口選手がPCR検査で陽性の反応が出て試合中止。なんとか世界戦にこぎ着けた関係者の苦労と、夢の世界戦が消えたタノンサック・シムシー、そして1番悔しいだろう京口選手の無念に何とか早急の再王座戦決定を待ちたい。

そんな中で、4月4日のWBOフライ級王座決定戦がコロナウィルスの影響で延期~8月21日に予定されたものの、まだ感染拡大が懸念されて延期。そして、いよいよ日本&フィリピン政府の規制緩和となり11月6日に決定!マグラモは来日後2週間ホテルで隔離となるが、先日の井上尚弥選手のラスベガスの防衛戦のように 『観戦記2053』 両者が同じような隔離ではないとおかしくないのか!?京口選手の事があっただけに、なんとも解せない気持ちだがJBCはどういう見解なのだろうか!?

そんな中谷選手は、あの1999年11月にWBAスーパーバンタム級王者のネストール・ガルサに挑戦し最終ラウンドにKO負けも年間最優秀試合に選ばれた石井広正さんの門下生!

 

1998年1月に三重県東員町で生まれた中谷潤人選手は、両親の礼儀作法を学ばせたい気持ちもあり小学4年生から空手を習う~小学6年生時に階級がしっかりしているボクシングに転向~三重県桑名市で、東洋太平洋スーパーバンタム級王者の石井正三さんが開設したKOZO BOXING GYMに入会し、2012年アンダー15の32.5kg級優勝。2013年にもアンダー15の40kg級で優勝~中学を卒業して高校には行かずに、アメリカに渡り畑山隆則さん、伊藤雅雪選手の指導で知られるルディ・エルナンデスの指導を受ける。

 

2015年4月にデビューし、糸賀純一選手を1RにTKOで降す~その後も3連勝して、2015年度ルーキーズトーナメントライトフライ級優勝。2016年は4連勝4KOで東日本新人王に輝き、12月にも矢吹正道選手を判定で降し全日本フライ級新人王に輝く

 

2017年は3連勝2KO後の8月に、ユーリ阿久井政悟選手を6RにTKOで降し日本フライ級ユース王座を獲得~さらにフィリピン人、メキシコ人、フィリピン人に3連勝2KOして日本ランキング1位になる~2018年10月に、日本フライ級2位の小坂俊選手との日本王座次期挑戦者決定戦に判定勝利して挑戦権を獲得 『観戦記1709』 そして、当時日本フライ級王者の黒田雅之選手がIBFフライ級王者のモルティ・ムザラネに挑戦する為に返上。そして、1位の中谷選手と2位の望月直樹選手で王座を争い 『観戦記1747』 9RにTKO勝ちで中谷選手が日本王座を獲得。

6月に中野ウルフ選手と初防衛予定も、中野ウルフ選手が怪我で出場できず代役のフィリピンバンタム級8位のフィリップ・ルイス・クエルドを6RにTKOで降す~10月に世界前哨戦として、元IBFライトフライ級王者でWBCライトフライ級9位のミラン・メリンドと対戦し6RにTKO勝ち 『観戦記1885』

 

そして、大晦日にWBOフライ級王座3度目の防衛に成功した 『観戦記1866』 田中選手がスーパーフライ級へ階級を上げるために王座を返上~2020年4月に、WBOフライ級1位のジーメル・マグラモと王座決定戦予定も・・・・コロナウィルスの影響で8月に延期。しかし、8月でもコロナウィルスの猛威は衰えず再度延期・・・・

そして、ついに7ヶ月遅れで王座決定戦となる!来日から2週間の隔離など、WBO1位でありながら不利な条件になってしまったフィリピンのジーメル・マグラモ!

 

1994年10月生まれフィリピンのマニラ出身のジーメル・アブアン・マグラモは‘Pistolero(ピストル)‘の異名を持ち、祖父に世界挑戦経験のリック・マグラモ、父親に元東洋太平洋フライ級王者のメルビン・マグラモ、叔父にも世界挑戦経験のロニー・マグラモ弟や親戚にもボクサーが多くいるボクサー一家。

2012年3月に17歳でデビューし、アントニオ・メレンシオンに判定勝ち~その後もハイペースで13連勝11KOして、2015年12月にジェニー・ボーイ・ボカを6RにTKOで降しWBCインターナショナルフライ級王座を獲得~さらに2連勝1KOして、2016年11月にモハメド・ワシームのWBCフライ級シルバー王座に挑戦も判定負け。

直ぐに再起して2017年は3連勝3KO~2018年3月に、マイケル・ブラボーとのWBOオリエンタルフライ級王座決定戦を7RにTKO勝ちで王座獲得~10月にも、ペッチチョーへー・ゴーキャットジムを3RにTKOで降し初防衛に成功~2019年1月には、WBOインターナショナルフライ級王者のグェ・ウォンフォンとの統一戦を10Rに棄権に追い込みWBOオリエンタル王座2度目の防衛とWBOインターナショナル王座を獲得~9月には、リチャード・クラベラスとのIBFフライ級王座挑戦者決定戦を3RにTKOで降し挑戦権を獲得。

 

3度世界挑戦するも、世界の壁に跳ね返されたKOZOジムの石井会長の魂を継いでついに世界挑戦となる中谷選手が無敗のまま世界王座を掴むか!?ボクシング一家のマグラモが、一族悲願の世界王座になれるか!?

 

2020年11月6日 WBOフライ級王座戦 ジーメル・マグラモvs中谷潤人

 

ジーメル・マグラモ 24勝20KO1敗 WBOフライ級1位

 

中谷潤人 20勝15KO無敗 WBOフライ級3位

 

1R、リーチで勝る中谷選手が、長いジャブを伸ばしていく!

 

マグラモは右から入ってくる~しかし、中谷選手は抜群のポジショ二ングから左!

 

2R、離れては勝負にならないマグラモは、低くくっついていきアッパー!

 

中谷選手はスピードある動きからボディー連打~左ストレートで突き放す!それでも潜って打ってくるマグラモに、中谷選手は接近戦でも左アッパー!

 

3R、ガードを固めながら、いきなり頭を付けてくるマグラモ~中谷選手は、下がりながら右を振り落としから左アッパー!

 

それでもマグラモは、低い体勢からボディーアッパー!

 

4R、マグラモが強引に突っ込んでくる~中谷選手はボディーワークでかわしながらカウンター!

 

それでも頭からくるマグラモに、中谷選手が廻りながら下から突き上げる!さらにボディー!

 

5R、低い体勢からマグラモが左右のオーバーフックを打つが、中谷選手は距離をキープしながらかわしていく

 

止まらないマグラモを、廻しながら中谷選手が確実に当てていく!

 

6R、やはり、低く押し込んでくるマグラモ~中谷選手は廻しながら右アッパーを連打!

 

それでもマグラモは、必死に前に出てボディー~右フック!

 

7R、マグラモは突っ込むが、中谷選手も当たり負けはしなく逆に弾き返す~距離を開けば中谷選手の長い左!

 

ボディーも効いて、マグラモは中谷選手の動きに付いていけない~中谷選手の左!

 

8R、マグラモも勝負に来ているか!?ゴングと同時に低く突っ込む~中谷選手は右アッパー連打!

 

中谷選手は廻りながらも、体を付けた打ち合いでもボディーを効かせる!外から廻す左!効いた!

 

中谷選手が一気に連打!マグラモは必死にクリンチも、中谷選手が右を叩きつける!

 

さらに、中谷選手の左アッパー~左フック!マグラモはついにダウン!

 

吹っ飛んだマグラモ!ダウン!なんとか立ち上がるもレフリーは終了を告げる!

 

見事に8RにKO勝ちで、中谷潤人選手が新WBOフライ級王座に輝く!フライ級で(50.8kg)171cmの中谷選手がリーチを生かしながらも、ボディーが得意らしいマグラモに対しボディーを効かせてキッチリ倒す理想的なボクシング。敗れたマグラモが 『あのようなスピードあるボクシングをしたい』 と言うほどの完勝。途中スコアも、ジャッジ1者が6Rにマグラモに付けただけの完勝。

まだまだ力強さはないものの、綺麗なボクシングで無敗の世界王者になった中谷選手。三重県出身で初の世界王者となり、不慮の事故で亡くられてしまった石井広三会長も喜んでいるのだろうな。

 

★初防衛戦はWBO2位のアンヘル。アコスタか!? 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村