観戦記1720 IBFフライ級王座戦 モルティ・ムザラネvs黒田雅之 | 人生マイペンライ

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《本日のTV観賞》

 

昭和から平成に代わった時の日本ボクシング界は暗黒時代で、世界挑戦21戦連続中だった。平成2年2月に大橋秀行さんが、後楽園ホールで崔漸煥を9Rにボディーで倒しWBCミニマム級王座を奪取し 『観戦記51』 館内が万歳三唱になり世界王者不在にピリオドをうった。

平成から令和に代わり、4団体が認可されたとはいえ日本人王者は7人も在位中!そして令和で世界奪取1号が期待された船井龍一選手が、5月5日にIBFスーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハスに7RでTKO負け。

そして、13日には後楽園ホールでIBFフライ級4位の黒田雅之選手が挑戦!

 

黒田選手といえば、日本王者時代の2012年7月に高校生史上初のアマ7冠を制した後の3階級制覇王者になる井上尚弥選手のプロテストでダウンを奪われそうなほど圧倒されてしまった苦い場面を思い出してしまう。

東京都稲城市出身の黒田選手は、小学1年生から中学生まで剣道を習うが体が小さく断念。2001年5月に徳山昌守さんが、曺仁柱を壮絶な右でKOしたのをテレビで観て高校生からは階級のあるボクシングを始める~しかし、入会したジムがフィットネス中心のジムだった為に、2003年に新しく開設された「川崎新田ボクシングジム」に移籍する。

2005年5月に18歳でデビューし、石垣洋之選手を1RでKOする~9月にも只野淳選手を1RでKOするも、11月に黒沢俊選手に判定負け。2006年には新人王戦にも参加し、4連勝3KOで東日本新人王~12月には山本剛詞選手を1RにKOして、全日本ライトフライ級新人王に輝く。2007年は3連勝2KOするも、2008年1月に日本ライトフライ級10位の池原繁尊選手に僅差判定負け。2008年は5月に橘聡朗選手に判定勝ち~9月に小野心選手に4RでTKO勝ちするも、2009年1月に元PABAフライ級王者のリチャード・ガルシアに判定負け。

4月に諸一宇選手を2RでKO勝ちして再起し、その後も5連勝2KO~2011年5月に、井岡一翔選手が返上した日本ライトフライ級王座の決定戦を、家住勝彦選手に8RにTKO勝ちして王座栄冠~

8月に、日本1位の佐野友樹選手を2-1の判定で降し初防衛に成功~11月にも、日本10位の山口隼人選手を2-1の判定で降し2度目の防衛に成功~2012年3月には当時日本ライトフライ級1位の田口良一選手で、後のWBA&IBFライトフライ級王者に田口良一選手と1-1のドローで3度目の防衛に成功~9月にも大内淳雅選手との防衛戦を、1-1のドローで4度目の防衛に成功~そして2013年2月にWBAライトフライ級王者のファン・カルロス・レベコに挑戦するも判定負け 『観戦記412』

 

10月に1階級上げて再起し、日本フライ級5位の中釜兵武選手と対戦も5Rに負傷判定1-0のドロー~2014年4月に村中優選手の日本フライ級王座に挑戦するも、10RにTKO負けで王座獲得ならず

 

2015年は2勝1敗後の11月に、最強後楽園決勝戦で坂下優友選手を判定で降し日本王座挑戦権を獲得~2016年3月に粉川拓也選手の日本フライ級王座に挑戦も、判定負けでまたも王座獲得ならず。9月に大平真史選手に2RでTKO勝ちして、2017年2月には粉川選手の負傷による、日本フライ級暫定王者決定戦で日本1位のユータ松尾選手に判定勝ちして日本フライ級暫定王者を獲得~6月に、正規王者の粉川拓也選手との統一戦を判定勝ちし王座統一とともに初防衛に成功

 

11月にも、松山真虎選手を7RにTKOで降し2度目の防衛に成功~2018年3月には、日本6位の長嶺克則選手を判定で降し3度目の防衛に成功~7月にも、日本3位の星野晃規選手を判定で降し3度目の防衛に成功~11月にタイでIBFフライ級挑戦者決定戦としてIBFフライ級4位のエクタワン・クルンテープトンブリと対戦予定も、エクタワンが負傷欠場し黒田選手が挑戦権を得る!

 

そして6年3ヶ月振りの世界挑戦の相手は、IBFフライ級王者のモルティ・ムザラネ!

 

南アフリカ出身のムザラネは「Baby Face」の異名を持ち、2000年12月に18才でデビューしワイズマン・ムングニを3RにKO~その後も3年半の間に13勝連勝7KOで、2004年9月に南アフリカフライ級&WBOインターナショナルフライ級王座決定戦でヌククベラ・ガワゼラと対戦するも10RにTKO負けして初黒星~2005年に入り3連勝2KOして、2006年8月にアクホナ・アリバを6RにKOして南アフリカフライ級王座を獲得~12月にザンムジ・オラを3RにTKOで降し初防衛に成功~2007年6月、オラ・シファマを5RにTKOで降し2度目の防衛に成功~9月に、アポル・スイコとのWBCインターナショナルフライ級王座決定戦を1RにKOして王座獲得~2008年4月にジョエル・クネネを5RにTKOで降し、南アフリカフライ級王座の3度目の防衛に成功~7月にIBFフライ級王座挑戦者決定戦でフセイン・フセインと対戦し、大差判定勝ちで挑戦権を獲得~11月に、後の5階級制覇王者になるノニト・ドネアのIBFフライ級王座に挑戦するも6RにTKO負け 『観戦記340』

2009年4月にレホロホノノロ・ラマゴレを3RにKOして、南アフリカフライ級王座の4度目の防衛に成功~そして、2009年11月にフリオ・セサール・ミランダとのIBFフライ級王座決定戦を判定勝ちし王座栄冠~2010年9月に、後の2階級制覇王者になるゾラニ・テテを5RにTKOで降し初防衛に成功~2011年3月に元WBOライトフライ級王者のジョンリル・カシメロに5RにTKOで降し2度目の防衛に成功~10月にアドレア・サリッツを7RにTKOで降し3度目の防衛に成功~2012年9月にも、IBF1位のリカルド・ヌネスを8RにTKOで降し4度目の防衛に成功~2014年1月にIBF7位のアムナット・ルエンロンと対戦指令が出るが、ファイトマネーが安く王座を返上~3月にジェザー・オリバーと、IBOフライ級王座決定戦で対戦し2-1の判定勝ちで王座獲得~10月に、オディロン・サレタを判定で降し初防衛に成功~12月にはレンツ・ロシアを9RにTKO、2017年4月にもジェネシス・リプランザを4RにKOし防衛を伸ばす~9月のノンタイトル戦を2RにKOし、10月にIBFインターナショナルフライ級王座決定戦でアーレン・ディアレを2RにTKOで降し王座栄冠。そして、2018年7月にモハメド・ワシムと、IBFフライ級王座決定戦を判定勝ちして王座栄冠。

マカオでの初防衛戦に、IBF14位の坂本真宏選手の挑戦を受けるも10R終了時にTKO勝ち

 

7敗3分がありながらも2度目の世界戦に辿り着いた黒田選手!ジムと同じ川崎をホームタウンに構える川崎フロンターレの応援団も大挙駆けつけるなか、苦節14年で世界王座栄冠成るか!?南アフリカ出身の王者は、敵地に乗り込むことが当たり前のタフな精神を持つ!

 

2019年5月13日 IBFフライ級王座戦 モルティ・ムザラネvs黒田雅之

 

モルティ・ムザラネ 37勝25KO2敗 2度目の防衛戦

 

黒田雅之 30勝16KO7敗3分 IBFフライ級4位

 

1R、黒田選手が積極的に打っていく~ムザラネも返す!ムザラネはガード固いが、黒田選手は振っていく!

 

2R、ムザラネが前へ出る~しかし、黒田選手の左ボディーが冴える!

 

しかし、ムザラネは手数が止まらずガンガン打ってくる

 

3R、手数はムザラネも、黒田選手がボディー連打でムザラネを下げさせる!

 

4R、接近戦での打ち合いになる!そうなると、黒田選手はボディー!ボディー!ムザラネもムキになる

 

5R、ムザラネが多彩な左で出る~黒田選手は左目上から出血!ムザラネの回転が上がる!黒田選手は出血が多くなり見にくいか!?打たれる!

 

6R、黒田選手が足を使いながら打っていくが、ムザラネのワン・ツー!

 

お互いに手数多く打ち合う~黒田選手の右カウンター効いたか!?

 

黒田選手が一気にラッシュ!しかしムザラネも返す!

 

7R、ムザラネが、多彩な左を上下に打つ~黒田選手も返すが、的中率が悪いか!?

 

8R、黒田選手、がボディー連打で前進!しかしレフリーは低いと注意を受け流れを止められる

 

それでも前に出る黒田選手に、ムザラネは左フックを当てながら廻る

 

9R、ムザラネが、さらに手数を増やして打ち込んでくる~黒田選手もボディー!ここで引くわけにはいかない!

 

10R、やはり手数はムザラネも、黒田選手が強烈なボディー!ボディー!

 

ムザラネは、スピードあるコンビネーション!黒田選手の左目から鮮血が落ちる!

 

11R、単発になる黒田選手に、ムザラネはコンビネーションで打ち込む!

 

ムザラネが連打!黒田選手効いている!レフリー止めるか!?

 

しかし!黒田選手が打ち返す!右!

 

ムザラネは廻って直ぐに打ち返す!黒田選手危ない!ワン・ツー!

 

出血も激しくなるが、黒田選手も下がりながら右!ムザラネはクリンチ

 

12R、黒田選手が必死に手を出していく!しかし、ムザラネの連打に顔面は鮮血で染まり下がる

 

止められてもおかしくない出血だったが、最終ラウンドが終了!

 

判定は、116-112 116-112 117-111 3-0でムラザネが2度目の防衛に成功

 

スコアカードを見ると、ジャッジ3者が黒田選手に10を付けたのは3Rのみ。ジャッジ2者が黒田選手に10は2R、10R。ジャッジ3者がムラザネに付けたのは5R、6R、7R、9R、11R、12R。仮に11Rと12Rを黒田選手が追いあげたとしても1-0のドローだった完敗。

黒田選手は 『下手くそながら最後まで攻めて、力は出し尽くした。想定より拳1個分リーチが長かった。2Rで右目がかすんで、ボディーに持っていくしかなかった』 と話し、愛弟子の6年3ヶ月振りの世界戦を自主興行で実現させた新田会長は 『プロモーターとして燃え尽きた』 とコメントを出していたが今後はどうなるのか・・・・

片や36歳の王者ムラザネはWBCフライ級王者のチャーリー・エドワーズとの統一戦を希望する!

 

★やはり後楽園ホールだし観に行けばよかったぁ~ 格闘技blogランキングをクリック⇒

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