ランドストマガジン第5話、アクアリウム誕生秘話(?)です。
■第5話 成歩堂法律相談所にて:Episode 5 At Naruhodo's Legal Consultancy

Iris
What's the matter?
Your eyes are as big as dinner plates.
アイリス
どうしたの?
なんだか、目が泳いでるケド。
Iris「どうしたの? ディナー皿みたいに目が大きくなってるケド。」
目が泳ぐ時には目も大きくなっちゃうらしいRyunosukeでした。
Ryunosuke
'You just need to soak it in water overnight, and it'll be as
good as new!' ...That's what the man said.
Susato
I'm not sure that it works in the same way as dried
wakame seaweed, Mr Naruhodo...
ナルホド
一晩、水にひたしておけば
元に戻るだろう、って。店のご主人が。
スサト
‥‥そのような“わかめ”のような
システムがあるのでしょうか‥‥
西洋では海藻を食べる習慣がない、という話は御存知の方も多いと思います(近年は事情が違うかもしれません)。カリフォルニアロールの外側にノリを巻くことがないのも、アメリカでは黒いノリを不気味に思われたからだとかなんとか。
そしてわかめは日本列島周辺などに自然分布しているものの、他の海域には本来存在していません。
このシーンも、日本語版の寿沙都さんのセリフは「乾燥わかめを水で戻す」ことだ、と日本人ならすぐわかりますが、英語版では「dried wakame seaweed」、つまり「乾燥したwakameという海藻」という説明があります。
(なお、わかめは、日本周辺以外の地域では外来生物扱いで、現在ではそれなりに問題になっているそうです。ワカメ - Wikipedia)
Iris
Have you heard of Wardian cases?
アイリス
《ウォーディアン・ケース》って
言うんだけど‥‥知ってる?
「ウォーディアン・ケース」は「Wardian case」、Wardさんが発明したんだそうです。
ウォードの箱 - Wikipedia
上に掲載されている「Wardian case」のイラスト、現代人が見てもなかなか洒落てますね。
今で言うテラリウムにつながっているそうです。
Susato
...my grandfather loved the moss on his bonsai.
He looked after it better than the trees.
スサト
我が家のおじいさまも。《ぼんさい》の
“コケ”を、たいそう愛でております。
盆栽はbonsai。海外でも盆栽は人気があるそうです。
ちなみに、英語版「逆転検事」でも盆栽は「bonsai」と表記されていました。
Susato
Recently I've noted a blowpipe, a few beryl crystals set in
a twisted piece of gold, a gold-rimmed pince-nez...
Ryunosuke
I spotted a small gramophone record in there the other
day, so I slipped it onto the gramophone.
But it was just a whispering voice saying 'Norbury' and
nothing more!
スサト
吹き矢とか、ねじれた金の台座の
ベリルやら、金縁の鼻眼鏡とか‥‥
ナルホド
小さな《蓄音盤》とか。こないだ、
こっそり蓄音機で聴いてみたところ‥‥
ヒトコト『ノーバリィ』という
ササヤキ声が入っていただけだったケド。
上のセリフは原作ホームズネタですね。
・吹き矢(blowpipe):
長編第2作「The Sign of Four(四つの署名)」にて、被害者が吹き矢に撃たれ殺害される。
・ねじれた金の台座のベリル(a few beryl crystals set in a twisted piece of gold):
短編集第1作「 The Adventures of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの冒険)」に収録された短編「The Adventure of the Beryl Coronet(緑柱石の宝冠)」に登場する、緑柱石(ベリル)のついた宝冠のこと。この宝冠の緑柱石を盗んだ容疑者が宝冠をねじっているように見えたことから。
・金縁の鼻眼鏡(gold-rimmed pince-nez):
短編集第3作「The Return of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの帰還)」に収録された短編「The Adventure of the Golden Pince-Nez(金縁の鼻眼鏡)」のタイトルに登場。被害者が握りしめていたのが金縁の鼻眼鏡。
・『ノーバリィ』('Norbury'):
短編集第2作「The Memoirs of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの思い出)」に収録された短編「The Yellow Face(黄色い顔)」では、ホームズがノーバリィ(Norbury)という場所に住む人物から依頼を受けるのですが、原作ホームズにおいては珍しく、ホームズの推理が外れてしまいます。
以下のように己への戒めを込めたホームズのセリフで、物語は終わります。
Susato
Well, for example, take that splendid, but rather
weather-beaten top hat.
スサト
たとえば、コレです。それはリッパな
古ぼけた“シルクハット”ですが‥‥
シルクハットが英語版では「top hat」となっています。「silk hat」はその名の通り、「シルク(絹)」でできているものだけを指すため、材質に関係のない場合は「top hat」と言うそうです。
シルクハット - Wikipedia
Susato
Yes, without his deerstalker, the great detective would
be unrecognisable!
スサト
‥‥そう。
『鹿打ち帽』でございますとも!
ディアストーカー、英語の「deerstalker」のカタカナ表記ですね。
「ホームズといえば鹿打ち帽」のイメージは、原作小説の挿絵(シドニー・パジェット画)からだそうですが、原作小説の挿絵の中にもホームズがシルクハットを被っているものもあったりします。
鹿撃ち帽 - Wikipedia
シドニー・パジェット(Sidney Paget)
‥‥「大逆転裁判」のホームズは原作のホームズとはやや違う‥‥というかそこそこ違うので、似合わず笑われるのも仕方がない。
Ryunosuke
It has two brims, one at the front and one at the back.
ナルホド
“ツバ”が2つ、ありますよね。
前と後ろに、ひとつずつ。
帽子のツバ:brim
ホームズがやってきたところで、部屋の右側が見えるようになりましたので、水槽に注目。まだカラッポです。

ランドストマガジンはスマホ版には未収録のため、3DS版スクショと比べてみますが‥‥

(3DSはスクショを撮る手段がないので、画面を直に撮影しています。見にくくて申し訳ありません)
3DS版だと、水槽は既に水が入っている状態です。
第4話ラスト、屋根裏を訪問したばかりの時は「カラッポの水槽」が置いてあるので、この時の水槽の3Dモデルと差し替えれば良かったのでしょうけれど、3DS版の時にはそこまでする容量的な余裕がなかったか、あるいは差し替えを忘れたのか、どちらかでしょう。
Susato
...There's still hope that you'll graduate one day,
Mr Naruhodo. Don't give up!
スサト
‥‥それを“一生”というのは
いかがなものかと思います‥‥
ずっと学生帽を被ると言い張る龍ノ介へ一言。
Susato「いつかは(大学を)卒業できるはずです、成歩堂さま。諦めないでくださいませ。」
学生帽を被り続ける=大学を卒業できない、とSusatoさんは思ったのでしょう。w
次 Episode 6 In Mr Natsume's Room(第6話 夏目漱石の部屋にて)
英語版「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」解説
○Escapades(番外編 ランドストマガジン)
Episode 1 In the Defendants' Antechamber(第1話 被告人控室にて)
Episode 2 In a First-Class Cabin(第2話 壱等船室にて)
Episode 3 At the British Supreme Court(第3話 主席判事執務室にて)
Episode 4 In Sholme's Suite(第4話 ホームズの部屋にて)
Episode 5 At Naruhodo's Legal Consultancy(第5話 成歩堂法律相談所にて)
Episode 6 In Mr Natsume's Room(第6話 夏目漱石の部屋にて)
Episode 7 On Briar Road(第7話 ブライヤーロードにて)
Episode 8 In the Bailey(第8話 大法廷にて)
英語版「大逆転裁判1」解説へ
英語版「大逆転裁判2」解説へ
■第5話 成歩堂法律相談所にて:Episode 5 At Naruhodo's Legal Consultancy

Iris
What's the matter?
Your eyes are as big as dinner plates.
アイリス
どうしたの?
なんだか、目が泳いでるケド。
Iris「どうしたの? ディナー皿みたいに目が大きくなってるケド。」
目が泳ぐ時には目も大きくなっちゃうらしいRyunosukeでした。
Ryunosuke
'You just need to soak it in water overnight, and it'll be as
good as new!' ...That's what the man said.
Susato
I'm not sure that it works in the same way as dried
wakame seaweed, Mr Naruhodo...
ナルホド
一晩、水にひたしておけば
元に戻るだろう、って。店のご主人が。
スサト
‥‥そのような“わかめ”のような
システムがあるのでしょうか‥‥
西洋では海藻を食べる習慣がない、という話は御存知の方も多いと思います(近年は事情が違うかもしれません)。カリフォルニアロールの外側にノリを巻くことがないのも、アメリカでは黒いノリを不気味に思われたからだとかなんとか。
そしてわかめは日本列島周辺などに自然分布しているものの、他の海域には本来存在していません。
このシーンも、日本語版の寿沙都さんのセリフは「乾燥わかめを水で戻す」ことだ、と日本人ならすぐわかりますが、英語版では「dried wakame seaweed」、つまり「乾燥したwakameという海藻」という説明があります。
(なお、わかめは、日本周辺以外の地域では外来生物扱いで、現在ではそれなりに問題になっているそうです。ワカメ - Wikipedia)
Iris
Have you heard of Wardian cases?
アイリス
《ウォーディアン・ケース》って
言うんだけど‥‥知ってる?
「ウォーディアン・ケース」は「Wardian case」、Wardさんが発明したんだそうです。
ウォードの箱 - Wikipedia
上に掲載されている「Wardian case」のイラスト、現代人が見てもなかなか洒落てますね。
今で言うテラリウムにつながっているそうです。
Susato
...my grandfather loved the moss on his bonsai.
He looked after it better than the trees.
スサト
我が家のおじいさまも。《ぼんさい》の
“コケ”を、たいそう愛でております。
盆栽はbonsai。海外でも盆栽は人気があるそうです。
ちなみに、英語版「逆転検事」でも盆栽は「bonsai」と表記されていました。
Susato
Recently I've noted a blowpipe, a few beryl crystals set in
a twisted piece of gold, a gold-rimmed pince-nez...
Ryunosuke
I spotted a small gramophone record in there the other
day, so I slipped it onto the gramophone.
But it was just a whispering voice saying 'Norbury' and
nothing more!
スサト
吹き矢とか、ねじれた金の台座の
ベリルやら、金縁の鼻眼鏡とか‥‥
ナルホド
小さな《蓄音盤》とか。こないだ、
こっそり蓄音機で聴いてみたところ‥‥
ヒトコト『ノーバリィ』という
ササヤキ声が入っていただけだったケド。
上のセリフは原作ホームズネタですね。
・吹き矢(blowpipe):
長編第2作「The Sign of Four(四つの署名)」にて、被害者が吹き矢に撃たれ殺害される。
・ねじれた金の台座のベリル(a few beryl crystals set in a twisted piece of gold):
短編集第1作「 The Adventures of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの冒険)」に収録された短編「The Adventure of the Beryl Coronet(緑柱石の宝冠)」に登場する、緑柱石(ベリル)のついた宝冠のこと。この宝冠の緑柱石を盗んだ容疑者が宝冠をねじっているように見えたことから。
・金縁の鼻眼鏡(gold-rimmed pince-nez):
短編集第3作「The Return of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの帰還)」に収録された短編「The Adventure of the Golden Pince-Nez(金縁の鼻眼鏡)」のタイトルに登場。被害者が握りしめていたのが金縁の鼻眼鏡。
・『ノーバリィ』('Norbury'):
短編集第2作「The Memoirs of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの思い出)」に収録された短編「The Yellow Face(黄色い顔)」では、ホームズがノーバリィ(Norbury)という場所に住む人物から依頼を受けるのですが、原作ホームズにおいては珍しく、ホームズの推理が外れてしまいます。
以下のように己への戒めを込めたホームズのセリフで、物語は終わります。
"Watson," said he, "if it should ever strike you that I am getting a little over-confident in my powers, or giving less pains to a case than it deserves, kindly whisper 'Norbury' in my ear, and I shall be infinitely obliged to you."
「ワトソン」と彼は言った。「もし、僕が自分の力を過信したり、事件に対して相応の努力を惜しんだりするようなことがあったら、僕の耳元で、『ノーバリィ』('Norbury')とささやいてくれれば、感謝するよ。」
「ワトソン」と彼は言った。「もし、僕が自分の力を過信したり、事件に対して相応の努力を惜しんだりするようなことがあったら、僕の耳元で、『ノーバリィ』('Norbury')とささやいてくれれば、感謝するよ。」
Susato
Well, for example, take that splendid, but rather
weather-beaten top hat.
スサト
たとえば、コレです。それはリッパな
古ぼけた“シルクハット”ですが‥‥
シルクハットが英語版では「top hat」となっています。「silk hat」はその名の通り、「シルク(絹)」でできているものだけを指すため、材質に関係のない場合は「top hat」と言うそうです。
シルクハット - Wikipedia
Susato
Yes, without his deerstalker, the great detective would
be unrecognisable!
スサト
‥‥そう。
『鹿打ち帽』でございますとも!
ディアストーカー、英語の「deerstalker」のカタカナ表記ですね。
「ホームズといえば鹿打ち帽」のイメージは、原作小説の挿絵(シドニー・パジェット画)からだそうですが、原作小説の挿絵の中にもホームズがシルクハットを被っているものもあったりします。
鹿撃ち帽 - Wikipedia
シドニー・パジェット(Sidney Paget)
‥‥「大逆転裁判」のホームズは原作のホームズとはやや違う‥‥というかそこそこ違うので、似合わず笑われるのも仕方がない。
Ryunosuke
It has two brims, one at the front and one at the back.
ナルホド
“ツバ”が2つ、ありますよね。
前と後ろに、ひとつずつ。
帽子のツバ:brim
ホームズがやってきたところで、部屋の右側が見えるようになりましたので、水槽に注目。まだカラッポです。

ランドストマガジンはスマホ版には未収録のため、3DS版スクショと比べてみますが‥‥

(3DSはスクショを撮る手段がないので、画面を直に撮影しています。見にくくて申し訳ありません)
3DS版だと、水槽は既に水が入っている状態です。
第4話ラスト、屋根裏を訪問したばかりの時は「カラッポの水槽」が置いてあるので、この時の水槽の3Dモデルと差し替えれば良かったのでしょうけれど、3DS版の時にはそこまでする容量的な余裕がなかったか、あるいは差し替えを忘れたのか、どちらかでしょう。
Susato
...There's still hope that you'll graduate one day,
Mr Naruhodo. Don't give up!
スサト
‥‥それを“一生”というのは
いかがなものかと思います‥‥
ずっと学生帽を被ると言い張る龍ノ介へ一言。
Susato「いつかは(大学を)卒業できるはずです、成歩堂さま。諦めないでくださいませ。」
学生帽を被り続ける=大学を卒業できない、とSusatoさんは思ったのでしょう。w
次 Episode 6 In Mr Natsume's Room(第6話 夏目漱石の部屋にて)
英語版「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」解説
○Escapades(番外編 ランドストマガジン)
Episode 1 In the Defendants' Antechamber(第1話 被告人控室にて)
Episode 2 In a First-Class Cabin(第2話 壱等船室にて)
Episode 3 At the British Supreme Court(第3話 主席判事執務室にて)
Episode 4 In Sholme's Suite(第4話 ホームズの部屋にて)
Episode 5 At Naruhodo's Legal Consultancy(第5話 成歩堂法律相談所にて)
Episode 6 In Mr Natsume's Room(第6話 夏目漱石の部屋にて)
Episode 7 On Briar Road(第7話 ブライヤーロードにて)
Episode 8 In the Bailey(第8話 大法廷にて)
英語版「大逆転裁判1」解説へ
英語版「大逆転裁判2」解説へ