こんばんは。
久し振りに家族3人での墓参り。。。
そう言えば、春は2人だったな。
う~ん、余裕がないのが両親ってのがちょっと笑える。。。
それぞれに休みも違うし、しょうがないですね。
それも人生、、、きっちり受け入れてます。
今日の過去問は、平成23年度問5の問題を○×式でやりたいと思います。
設問
写真家Aが自らの作品集をある出版社から発売したところ、これに収録された作品のいくつかが刑法175条にいう「わいせつ」な図画に該当するとして、検察官によって起訴された。
自分が無罪であることを確信するAは、裁判の場で自らの口から「表現の自由」を主張できるように、慌てて憲法の勉強を始め、努力の甲斐あって次のような考え方が存在することを知ることができた。
このうち、本件の事案において主張するものとして、主張が「○適する」か、「×適しない」かを検討してみましょう。
それでは、早速。
問題
表現の自由は「公共の福祉」によって制約されると考える場合であっても、これは他人の人権との矛盾・衝突を調整するための内在的制約と解すべきである。
正解は?
○(適する)
今日の問題の主人公は、写真家のAさんです。
Aさんが、作品集を出版したところ、収録された作品のいくつかが「わいせつ」な図画に該当するとして、検察官によって起訴されてしまったと言うところから話が始まります。
刑法175条に抵触するってやつです。
(わいせつ物頒布等)
第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。後段略。
2 略。
Aさんとしては、「無罪」を確信してはいるけど、裁判で主張できなきゃいけない訳で、、、
その主張が問題となっています。
裁判で主張するのに「適する」か、「適しない」かってことですね。
1問目は、この問題なんですが、
もう一度問題を見てみます。
表現の自由は「公共の福祉」によって制約されると考える場合であっても、これは他人の人権との矛盾・衝突を調整するための内在的制約と解すべきである。
これ、どう言うことですか
表現の自由も、「公共の福祉」による制約を受けるってことですね。
ただ、「と考える場合であっても、」、「内在的制約」と解すべきと言っていますので、表現の自由に対する制約は、できるだけ避けるべきなんじゃないかと言っている訳です。
内在的制約=必要最小限度の制約(できるだけ避けるべき)
と言うことは、Aさんが、「無罪」を主張し、勝ち取るためには、Aさんの作品集が、内在的制約に含まれないと主張するのは、適するってことになりますよね。
問題
表現の自由に対する規制が過度に広汎な場合には、当事者は、仮想の第三者に法令が適用されたときに違憲となりうることを理由に、法令全体の違憲性を主張できる。
正解は?
○(適する)
2問目は、この問題です。
「表現の自由に対する規制が過度に広汎な場合」
過度=適切な程度を超えていること。度を過ごすこと。
広汎=広く行きわたるさま。範囲の広いさま。
と言うことは、どう言うことが考えられますか
裁判によっては、合憲と判断される場合も、違憲と判断される場合もあるってことになります。
今回の問題は、Aさんの作品集の一部が刑法175条の「わいせつ」な図画に該当するって判断です。
この「わいせつ」って規定が不明確ですよね。
どこからが「わいせつ」で、どこまでが「わいせつ」じゃないのか、明確ではありません。
つまり、表現の自由に対する過度に広汎な規制であるとして、同条の違憲性を主張することが考えられる訳です。
とすると、Aさんが、その違憲性を主張するのは、適する主張ってことになりますよね。
問題
わいせつ表現についても、表現の自由の価値に比重を置いてわいせつの定義を厳格にしぼり、規制が及ぶ範囲をできるだけ限定していく必要がある。
正解は?
○(適する)
3問目は、この問題ですが、、、
これは、2問目に通ずるところがありますよね。
「過度に広汎、、、」
この問題は、
「わいせつ」の表現を、表現の自由の価値に比重を置いて、
・「わいせつ」の定義を厳格に絞る
そして、
・規制が及ぶ範囲をできるだけ限定していく必要がある。
と言っています。
つまり、刑法175条の「わいせつ」の定義を厳格にしぼり、規制が及ぶ範囲をできるだけ限定した場合、Aさんの作品集は「わいせつ」な図画にはあたらないと判断され易くなる訳です。
「わいせつ」な図画にはあたらないと判断され易くなると言うことは、Aさんの無罪の可能性が高まると言うことに繋がります。
Aさんが主張するのに適する行為と言うことになります。
問題
憲法21条2項前段が「検閲の禁止」を定めているように、表現活動の事前抑制は原則として憲法上許されない。
正解は?
×(適しない)
4問目は、この問題です。
憲法21条2項前段、、、
第二十一条
1 略。
2 検閲は、これをしてはならない。後段略。
「検閲の禁止」ですね。
問題では、「表現活動の事前抑制は原則として憲法上許されない。」と言っています。
難しい漢字がいっぱい書いてあって正解っぽいですが、、、
検閲の定義を覚えていますか
検閲とは
・行政権が主体となって、
・思想内容等の表現物を対象とし、
その全部又は一部の発表を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、
・発表前にその内容を審査した上、不適当と認められるものの発表を禁止すること
以前、これは受験生であれば知らなきゃいけない知識ですってのを書いた記憶があります。
問題と照らして何か違和感がありませんか
起訴をした検察官は、「行政権」です。
検察官の所属する検察庁は、国民の権利保持の観点から、俗に「準」司法機関とも呼ばれているようです。
検閲の定義の「行政権が主体となって、」ってところにズッポシ当てはまりますが、問題はそこではありません。
今回の起訴は、発売した「後」に訴えられています。
と言うことは、「事前抑制」とは言いませんよね。
事前抑制=表現行為が行われる前に公権力が中止など抑制すること
今回の件は、「事後制裁」です。
発売しちゃってますから。
つまり、「表現活動の事前抑制は原則として憲法上許されない。」って主張するのは、無関係のことを主張していることになります。
Aさんが主張するのには適しませんよね。
問題
文書の芸術的・思想的価値と、文書によって生じる法的利益の侵害とを衡量して、前者の重要性が後者を上回るときにまで刑罰を科するのは違憲である。
正解は?
○(適する)
今日の最後の問題です。
この問題で、Aさんが言いたいのは、
①Aさんの作品集の芸術的・思想的価値
それと、
②作品集によって生じる法的利益の侵害(善良な風俗への悪影響)
これを衡量(天秤にかけてってことです。)して、
①の重要性が②を上回るときにまで刑罰を科するのは違憲だと主張すると言っている訳です。
そうすることで、Aさんの表現の自由を保護する主張を行うと言うことですね。
Aさんの作品集が、この条件を満たすことができればAさんは「無罪」になる可能性が高くなります。
と言うことは、Aさんが主張するのに適する行為と言うことになりますよね。
今日は、短い時間でしたが、実家で楽しい時間を過ごすことが出来ました。
息子ちゃんも頑張っているようだし、
こちらも頑張らねば。。。
気分転換をはかりつつ、この暑い時期を乗り越えましょう。
今日も最後まで有難うございました。
今日のところは、ここまでです。
んでまずまた。
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