こんばんは。
午前中のテストはいかがでしたか 「パーペキ」でしたか
問題をチョイスするときにいつも迷います。
問題を読んで選ぶんですが、簡単なものでは復習になりませんしね、むずかしいんですよ、なかなか。。。
今日の過去問は、平成21年度問39の問題を○×式でやります。
株式会社の事業譲渡に関する問題です。
それでは、早速。
問題
会社が他の会社の事業の全部または重要な一部を譲り受ける場合には、譲受会社において株主総会の特別決議による承認を要するが、譲受会社が対価として交付する財産の帳簿価格の合計額が譲受会社の総資産の額の五分の一を超えないときは、株主総会の承認は不要である。
正解は?
×
今日の過去問は、株式会社の事業譲渡に関する問題です。
事業譲渡と言えば、「譲渡する会社」と「譲受する会社」がありますよね。
ポイントは細かいんですが、その辺にあります。
この問題は、「他の会社の事業の全部または重要な一部を譲り受ける場合」です。
「譲受」する場合ですね。
規定はいかに
(事業譲渡等の承認等)
第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(効力発生日)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
一~二の二 略
三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。)の事業の全部の譲受け
四、五 略
2 略。
「事業の全部の譲受け」しか書かれていませんね。
念のため、決議も確認しておきますね。
(株主総会の決議)
第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。略。
一~十 略
十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
十二 略
この株主総会の規定は、会社法の第二編株式会社の中にあります。
第四章 機関 第一節第一款に、この第三百九条が含まれています。
1項は普通決議、2項が特別決議です。
第三百九条の2項十一号の「第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合」の第七章が「事業譲渡等の承認等」になりますので特別決議と言うことになります。
「事業の全部の譲受け」の場合には、特別決議を要しますが、問題に追記されている「重要な一部を譲り受ける場合」には株主総会決議は必要ないと言うことです。
ただ、何も決議が必要ないと言う訳ではありません。
(取締役会の権限等)
第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。
2、3 略。
4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二~七 略
5 略。
譲り受ける会社が取締役会設置会社の場合は、取締役会の決議は必要になります。
ちょっと長くなっておりますが大切なところなので、最後に問題後半部分を。。。
(事業譲渡等の承認を要しない場合)
第四百六十八条
1 略。
2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一を超えないときは、適用しない。
一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額
二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額
3 略。
前条の規定=第四百六十七条の(事業譲渡等の承認等)の規定
同条第一項第三号に掲げる行為をする場合=他の会社(外国会社その他の法人を含む。)の事業の全部の譲受け
第一号に掲げる額=事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額
第二号に掲げる額=純資産額
この割合が五分の一を超えないときは、株主総会の規定は適用されませんので株主総会の承認は不要になります。
と言うことで、この問題は「重要な一部を譲り受ける場合」がなければ○の肢と言うことになります。
問題
会社がその事業の全部または重要な一部の譲渡を行う場合には、譲渡会社において株主総会の特別決議による承認を要するが、譲渡する資産の帳簿価格が譲渡会社の総資産の額の五分の一を超えないときは、株主総会の承認は不要である。
正解は?
○
この問題は、「譲渡」する場合ですね。
前の問題同様、「全部または重要な一部の譲渡を行う場合」です。
先ほど省略したところですね。
(事業譲渡等の承認等)
第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(効力発生日)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
一 事業の全部の譲渡
二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一を超えないものを除く。)
二の二~五 略
2 略。
一号が「全部」、二号が「重要な一部」の譲渡です。
一問目で確認しましたが、これらは特別決議を要するものです。
そして問題の後半部分は、二号の( )書きの部分ですね。
( )書きの規定は、譲渡する規模が小さい場合には、特別決議による承認は必要ないということを規定しています。
この問題は、○です。
問題
譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、譲受会社は、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負い、譲渡会社は当該債務を弁済する責任を免れる。
正解は?
×
この問題は、「譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合」です。
譲渡する会社の債務の行先はどうなるのか
問題では、譲受会社に弁済責任があり、譲渡会社は弁済責任を免れるとなっていますね。
事業を譲渡する訳ですから、「その事業によって生じた債務」と考えれば「そうなのかな」とも思えなくはないですよね。
条文を確認してみますね。
(譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等)
第二十二条 事業を譲り受けた会社(譲受会社)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。
3、4 略。
1項に書かれていますね。
「その譲受会社も、」譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負うと。
この書き方は、譲渡会社は免責されると言う風に取れるものではなく、当然に弁済の責任はある。
そして、「商号を引き続き使用する」譲受会社も弁済する責任を負うと言う書き方ですね。
と言うことで、この問題としては×です。
ただし、2項に注意すべき規定があります。
譲受会社が、事業を譲り受けた後、遅滞なく、その本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合と事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者については、適用されません。
問題
事業譲渡を行う場合には、譲渡会社と譲受会社の間で、譲渡する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項を包括的に定めた事業譲渡契約を締結しなければならない。
正解は?
×
この問題は、契約は必要ってのは解りますよね。
譲渡する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項を、包括的に
包括的=全体をおおっているさま。総括的。すべてをひっくるめているさま。
最初に見ている条文ですが、、、
(事業譲渡等の承認等)
第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(効力発生日)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
一~五 略
2 略。
書き方は、「契約の承認を受けなければならない。」ですから、間違いなく契約は必要な訳です。
これは当たり前、当然と言うやつですね。
ただ、問題は、「包括的に」です。
先ほど「包括的」の意味を確認しましたが、事業譲渡は、契約で決められた財産等が個別に移転するものですので意味的にも違いますね。
ですので、必ずしも譲渡する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項を包括的に定める必要はありません。
問題
譲渡会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から20年間は、同一の事業を行ってはならない。
正解は?
○
競業の禁止規定ですね。
これは確実に記憶しておかないといけないところですが、「場所」と「期間」はこれで良いんでしたっけ
30って数字も記憶にあるところなんですが、どうでしょうか
(譲渡会社の競業の禁止)
第二十一条 事業を譲渡した会社(譲渡会社)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、指定都市にあっては、区又は総合区。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。
2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。
3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。
おぉぅ、期間の基本は「事業を譲渡した日から二十年間」、特約したときに「事業を譲渡した日から三十年」ですね。
それと事業を行ってはならない場所ですが、問題では、「同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内」となっておりますが、これは条文に規定されたものと同じです。
違いは条文では「及び」、問題では「および」です。(笑)
と言うことは○の肢ですね。
今日は1問目が長くなりましたので、一時はどうなるものかと思いましたが、無事終わることが出来ました。
最後までお付き合い有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
押すと喜ぶ人がいるって知ってた
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