こんにちは。
今日は記述式ですね。
参考になる内容が書ければいいんですが。。。
盗品の回復に関する問題です。
まぁ、身近な問題としてもあると思いますので、ツボを押さえましょう。
今日の過去問は、平成25年度問46の問題をやってみようと思います。
それでは、早速。
問題
Aの指輪が、Bによって盗まれ、Bから、事情を知らない宝石店Cに売却された。Dは、宝石店Cからその指輪を50万円で購入してその引渡しを受けたが、Dもまたそのような事情について善意であり、かつ無過失であった。盗難の時から1年6か月後、Aは、盗まれた指輪がDのもとにあることを知り、同指輪をDから取り戻したいと思っている。この場合、Aは、Dに対し指輪の返還を請求することができるか否かについて、必要な、または関係する要件に言及して、40字程度で記述しなさい。
今日も最初に問題をバラしてみますね。
AさんのがBさんによって盗まれたようですね。
盗人のBさんは、事情を知らない(善意)宝石店Cへ持込み売却したようです。
その宝石店CへやってきたDさん(善意無過失)が、そのを見て気に入ってしまったようで50万円と言うを出して購入し、引渡しを受けたようです。
ここでDさんは即時取得したことになりますね。
(即時取得)
第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
Dさん、あてはまりますよね。。。
続きです。
盗難の時から1年6か月後、Aさんは、盗まれたがDさんのもとにあることを知った訳です。
どういう経緯かはわかりませんが、ある意味凄いことですよね、まぁ、ここを突っ込んでも解答に影響はないんですが。(爆)
Aさんは、思い入れのあるだったんでしょうね。
そのをDさんから取り戻したいと考えた訳です。
問題はここからですね。
このケースで、Aさんは、Dさんに対しの返還を請求することができるか否か
これについて、「必要な、または関係する要件」に言及して解答して下さいって内容です。
これは最初に「返還請求することができる。」か「返還請求することができない。」を判断しないといけませんね。
そして、その判断について、「必要な、または関係する要件」について言及しなければなりません。
う~ん、
難しそうですね。
これ、過去問でズバッとこの内容が出ているのがあるんですが、まだやっていません。
ですが、条文自体は過去に紹介済です。
そこんところを思い出しながら解いていきましょうね。
問題の中で気になる点は
やはり、数字ものでしょうね。
Dさんは、宝石店Cからを50万円で購入してしまっている点
盗難の時から1年6か月が経過してしまっている点
この二つは解答に関係してきそうです。
「必要な、または関係する要件」に言及しなければなりませんので。
この問題は、Aさんからみて、Dさん(善意無過失)が即時取得したもの(盗品)の回復に関する問題ですね。
条文には期間が書かれていましたよね。
これらの内容をもとに解答を導きましょう。。。
それでは、考えて下さいね。
まず、最初にすべきことは何ですか
そうですね、「返還請求することができる。」か「返還請求することができない。」を判断しなければなりません。
それには、回復請求に関する条文を思い出さなければなりません。
これ、「知らんがな」って方はアウトですね、この時点で。。。
次は何でしょうか
条文を思い出すと判断した内容に関しての「必要な要件」が出てくると思います。
数字ものですね。
これ、試験センターの解答例、私的には「目から鱗」でした。。。
最後は、善意無過失のDさんのことを考えなければなりませんね。
50万円と言うを出して購入してる訳ですから。
これ、Dさんは宝石店Cで購入しているってところがポイントです。
購入場所によって違う結末になるんで注意が必要です。
さぁ、考えてみましょう
この問題はなかなか良いです。
即時取得とその例外が一発で理解することができますから。。。
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
作成できたら確認してみましょうね。
正解例
Aは、盗難の時から2年間、Dが支払った代価50万円を弁償して、指輪の返還請求ができる。(43字)
試験センターの正解例1.
Aは、盗難の時から2年間、Dが支払った代価を弁償して、Dに対し指輪の返還を請求できる。(43字)
試験センターの正解例2.
Aは、6カ月以内にDに50万円を支払って、所有権に基づき指輪の返還を請求することができる。(45字)
この問題に関連する条文、私は予備校模試で問われたことがあります。
「やりっぱ」では勿体ないですからね。
せっかくお金を出して受けた模試ですので、何か得なければなりません。
予備校模試の問題も「これは」ってものはチェックし、過去問と一緒に回さなければなりませんよ。
参考までに。
予備校模試で参考にすべきは、「記述式」「一般知識等」は必須です。
参考
それでは内容を確認していきましょう。
まず、最初に「返還請求することができる。」か「返還請求することができない。」の判断です。
先ほど、善意無過失のDさんが即時取得しているのを確認しました。
ただ、即時取得したはAさんのところから盗人のBさんが持ち出して宝石店Cへ売却したものです。
は「盗品」ということですね。
返還請求することができるのか
(盗品又は遺失物の回復)
第百九十三条 前条の場合(即時取得)において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。
この条文ですね。
あてはめてみましょう。
即時取得において、が盗品であるときは、被害者Aさんは、盗難の時から二年間、占有者Dさんに対してその物の回復を請求することができる。
回復を請求することが出来る訳です。
回復
問題では、「返還を請求することができるか否か」と聞いていますよね。
条文は「回復」です、ここは迷いますが、条文ではなく、問題にそって「返還」を請求することができると書くべきですね。
「返還請求」に対して「回復請求」ではね、ちょっち質問に対する解答としてが残りますよね。
と言うことで、「返還を請求することができる」です。
次に問題になるのは期間です。
条文に「盗難又は遺失の時から二年間」とありますよね。
Aさんが、がDさんのところにあるのを知ったのは、「盗難の時から1年6か月後」です。
期間内ですね。
と言うことは、返還するのに問題はありません。
これ、先ほど「目から鱗」と書きましたよね。
条文が頭に入っているので「二年間」って言うのが出てくる訳なんですが、センターの解答例では、「6カ月以内に」とも書かれています。
これは考えれば当たり前なんですが、私は、盲点と言うか考えが及びませんでした。
いまだに気づかされることがあります。
いろんなところを見る機会がありますが、殆どが条文にそって「二年間」を使ってますからね。
視点を変えるってのも検討する上では大切ですね。
最後に問題になる点は何ですか
そうですね、善意無過失のDさんは宝石店Cへ50万円を支払って購入していると言う点です。
Aさん「Dさん、その、俺ので盗まれたものだから返して。」
Dさん「え、これ宝石店Cで50万で買ったんだけど。。。」
Aさん「え。」
Dさん「ただ、返したら50万、ドブに捨てたようなもんじゃん。50万弁償してくれたら返しても良いけど。」
こんな感じになるんじゃないでしょうか。
第百九十四条 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
ここで言う「公の市場」は、広く店舗を意味します。
宝石店Cですね。
先ほど同様、あてはめてみます。
占有者Dさんが、盗品を、宝石店Cから、善意で買い受けたときは、Aさんは、占有者Dさんが支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
これで、先ほどの会話ではありませんが、Dさんも納得ですよね。
え、んでもこれじゃAさんが可哀想ですよね。
自分のを取り戻すのに50万払った訳ですから。。。
どうなるん
幸い、盗人はBさんとわかっていますので、Aさんは、盗人Bさんに対して不法行為に基づく損害賠償請求をする訳ですね。
以下、例です。
Aさんは、が戻ってきて、お金も±0です。Dさんに払った分がBより損害賠償で戻りますから。
Bさんは、損 20万の損(宝石店Cへ指輪を売った代金を30万として、Aさんに損害賠償で50万支払った場合)
Cさんは、利益 20万円(Bさんからの購入を30万として、Dさんへの売買代金50万で20万の利益)
Dさんは、を返却して、お金も±0です。C店へ払った50万がAさんより戻ります。
今回は盗人がBさんと解ってましたからこんな感じですが、盗人が誰かわからない場合は泣き寝入りですね。
盗人許すまじ
*Bさんは、宝石店Cへの売買代金30万を不当利得返還+20万円の損害賠償で50万の返還の方がしっくりくるかも。
それと「購入場所によって違う結末になる」と書きましたよね。
例えば盗品が、公の市場等で売買されたものでなかった場合です。
盗人のBさんが、「Eさん、このを5万で買わない」
これですね。
公の市場等ではありませんので、この場合、Aさんは、盗難の日から二年以内であれば、Eさんに対して無償で、そのの引渡しを求めることができると言うことです。
ここで疑問が、んじゃEさんは
「Bさん、盗品じゃん、お金返して。」☚これ、Dさんが宝石店Cから購入しなかった場合も同じです。
この「代価を弁償して」は、センターの解答例では「50万円」を入れたパターンと無いパターンがありました。
公の市場等で購入したときは、「代価を弁償」するってことを理解していれば良いってことなんでしょうね。
今日も最後までお読みいただき有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
今日は押しときましょうね
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