こんにちは。
日が経つのは早いもので、行政書士として登録して、もうすぐ一年です。
う~ん、早いですね、ホントに。
ご依頼にお応えしながらのブログの更新も随分と慣れてきました。
少し余裕のないときもありますが、これからも「継続は力なり」で書いていこうと思います。
今日の過去問は、平成19年度問45の問題をやってみようと思います。
それでは、早速。
問題
Aは、飼っている大型のドーベルマンを、鎖を外したまま連れて散歩に出ていたが、この犬が歩行者Bを見かけて走って行き、襲いかかってしまった。そこで、あわててBは近くのC宅敷地に飛び込み、自転車や植木鉢を壊してしまった。この場合、Cに対する損害賠償責任をBが負わないためには、どのような要件を満たす必要があるか。40字程度で記述しなさい。
今日の問題は、不法行為です。
まぁ、問題にある内容は、実際にはあり得ないでしょうね。
ドーベルマンですよ。
鎖を外したまま散歩って、あり得ないでしょう。
ただ、訪問先の敷地内での放し飼いで襲われるってのはあるかもしれませんね。
そんな時に、敷地内のものを壊してしまうってのはあり得る話です。
その場面をイメージしてみましょう。
問われているのは、BさんがCさんに対する損害賠償責任を負わないための要件です。
これはオーム返しはできませんね。
文章自体も構成が難しいです。
条文をそのまま返す問題ではないので、私的には難易度は高めと思っております。
ただ、極々一般的な考え方で考えることは可能でしょうね。
上手く文章に出来れば、満点は難しくても点数はいただける問題と思います。
文章的には、「○○○○○○ため、○○○○○○こと。」って形になります。
何故、この形になるのか
が襲ってきている訳です、と言うことは○○なければなりません。
そして、それをするためにCさん宅敷地に飛び込み、やを壊してしまった訳です。
ってことで、後半の○○○○○○こと。につながる訳ですね。
ですので、答えるのは二つです。
①何のために
②何をしたか
「○○○○○○ため、○○○○○○こと。」(○○字)って感じです。
書かれている内容自体は心当たりがあると思います。
それを書けば良い訳なんですが、文章にするのが難しいんですよね。
さぁ~、考えましょう。
①については、が襲ってきている、がヒントです。
と言うことは、あなたならどうしますか
「あなたの心の声」
逃げる。
そうでしょうね、それでは何故そういう行動をするんでしょうか
②は、①をするために・・・
残念、これ以上は言えません。
内容自体は思い当たるでしょうから、文章に出来るかってところですね。
それと法律用語です。
法律用語って普段から意識して使ってないと思い出せないときがあります。(私だけでしょうか)
記述式も同じです。
普段から書く習慣を持っていないと試験の時に言葉や漢字が出てこないってことがあります。
普段から書くってことも大切です。
マークシートだから「書く勉強はやらなくても。」じゃありませんからね。
それと、記述式は、違和感のないように書くのがポイントです。
とくに今回のような問題は、条文を書く訳ではありませんから尚更です。
自分でちょっと変だなと思う文章は、他の人が見ても「なんか変。」なんです。
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作成できたら正解を確認しましょう。
正解例
他人の不法行為から自己の身体を守るため、やむを得ずCの財産を壊してしまったこと。(40字)
試験センターの正解例1
BがAの不法行為から自己の身体を防衛するため、やむを得ずCの財産を毀損したこと。(40字)
試験センターの正解例2
他人の不法行為から自己の権利を守るためにやむを得ない行為であったこと。(35字)
参考
(正当防衛及び緊急避難)
第七百二十条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。
この条文、1項が正当防衛、2項が緊急避難です。
そう言えば、以前は民法上は「物」って話をしましたが、覚えてますか
今回はですが、同じ犬さんですね。
1項と2項どちらが適用って話ですが、
問題の内容的に2項「物」なんじゃねって話ですが、これは1項の正当防衛が適用されます。
何故か
2項は、「他人の物から生じた急迫の危難を避けるため」ですが、今回の問題は、飼い主であるAさんが、鎖を外したままを散歩に連れ出したという過失に起因して起こっています。
そして、が、Bさんに襲いかかった訳です。
Aさんの不法行為が成立しますよね。
と言うことで、BさんがCさんに損害賠償の責任を負わない為には、
・他人(Aさん)の不法行為に対し、
・自己の権利(Bさんの命や怪我)又は法律上保護される利益を防衛するため、
・やむを得ず加害行為をした
これらを具体例に沿った言葉で解答していればOKってことです。
試験センターの正解例1、見ました
毀損。
書けます
私は書けなかったので無理して使わず、壊したことって正解例に書きました。
さぁ、あなたならどっち
最後に余談です。
「んじゃ、Cさん可哀想じゃね。」って思ったあなた、優しいですね。
確かに、壊されっぱなしじゃ可哀想ですよね。
でもね、民法も優しいのですよ。
但し書きですね。
「ただし、被害者(Cさん)から不法行為をした者(Aさん)に対する損害賠償の請求を妨げない。」
めでたし、めでたしです。
今日も最後までお読みいただき有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
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