こんにちは。
「背中の傷は剣士の恥だ」
ワンピースと言う漫画で、剣士ロロノア・ゾロさんが言い放った言葉ですね。
どんなときでも後ろをみせないって言う強い信念はカッコいいです。
同じ士業として心構えは見習わなければなりません。
常に前向きに生きようと思った言葉です。
いまどきの漫画、侮れませんよ。
今日の過去問は、平成22年度問13の問題を○×式でやりたいと思います。
それでは、早速。
問題
行政指導に携わる者は、とくに必要がある場合には、当該行政機関の任務または所掌事務の範囲に属さない事項についても行政指導を行うことができる。
正解は?
×
行政指導とは違いますが、こんな例を。。。
A行政機関(総務課)とB行政機関(営業課)がありました。
一般従業員のCさんがA行政機関に問い合わせをしたところ、どなたも出ることなく、代行でB行政機関が出ました。
B行政機関がCさんの相談に乗れますか
まぁ、聞かれたことに「○○なんじゃないかなぁ~」って答えることは出来るかも知れませんが、それがA行政機関の回答になる訳ではありませんよね。
組織規範と言うんでしょうか、行政指導は、行政機関の「任務又は所掌事務の範囲内」のものでなければなりません。
B行政機関が指導することは出来ない訳です。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一~五 略
六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
七~八 略
(行政指導の一般原則)
第三十二条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2 略。
行政指導の定義、一般原則ともに「任務又は所掌事務の範囲(内)」を逸脱してはすることができないと規定していますね。
一般原則にある「いやしくも」は、「万一にも」や「仮にも」って意味ですので、例外は認められないと言うことです。
それと一般原則後段の「相手方の任意の協力」ってのは重要な内容ですから注意して下さいね。
問題
行政指導に携わる者は、行政主体への負担金の納付を求める行政指導に相手方が同意したにもかかわらず、納期限までに当該納付がなされないときは、その実効性を確保するために、国税または地方税の滞納処分と同様の徴収手続を執ることができる。
正解は?
×
この問題は、一問目の最後に書いた内容がヒントですね。
行政指導は、あくまでも相手方の任意の協力によって実現されるものです。
法的な拘束力はありませんし、相手方に義務を課すものでもありません。
そのため、行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをすることはできません。
(行政指導の一般原則)
第三十二条
1 略。
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
納期限までに当該納付がなされない=納付の意思がないってこと
実効性確保のため、国税又は地方税の滞納処分と同様の徴収手続を執ることができるってのは、行政指導の任意性を無視した行為で不利益な取扱いにあたります。
そのため、違法ですので徴収手続を執ることはできません。
問題
行政指導に携わる者は、複数の者に対して同一の目的で行政指導をしようとする場合には、指導の指針を定めるにあたり公聴会を開催しなければならない。
正解は?
×
この問題、いろいろ絡めて混乱させますね。
問題の内容は行政指導指針と、それと公聴会が書かれています。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一~七 略。
八 命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。
イ~ハ 略
ニ 行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。)
行政指導指針は命令等に含まれております。
(複数の者を対象とする行政指導)
第三十六条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
複数の者を対象とする行政指導をするときの義務は、「行政指導指針の作成と公表」です。
この行政指導指針は第二条八号の命令等にあたりますので、義務付けられていることがあります。
(意見公募手続)
第三十九条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見の提出先及び意見の提出のための期間を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
2~4 略。
命令等を定めるにあたって行うのは、意見公募手続です。
これを行うのは、法的な義務です。
それでは、問題で書かれた公聴会とは
(公聴会の開催等)
第十条 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。
申請に対する処分で、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合です。
しかも、「必要に応じ、」とあり、努めなければならないとあるように努力義務ですね。
意見公募手続と公聴会は全然違うものです。
この内容、要注意ですね。
問題
地方公共団体の機関として行政指導に携わる者は、法令に根拠を有する処分に関する行政指導の場合と条例に根拠を有する処分に関する行政指導の場合のいずれについても、行政手続法の行政指導に関する規定の適用を受けない。
正解は?
○
地方公共団体に対する適用除外についての問題です。
「あれ、どうだっけ。」ってメダパニ(混乱)るところですね。
地方公共団体の自主性を尊重する趣旨のものですが、分けてあるってことで、よけいに混乱を招くような気がするのは私だけでしょうか。
条例や規則がある場合、それが制定されるのは住民の意思の表れです。
そのため、制定されたものが優先される訳です。
制定されていない場合、行政手続きの一般法である行政手続法の適用を受けるという訳です。
ただ、行政指導の場合、行うのに法律の根拠は不要でしたね。
法律の根拠は不要な訳ですから、行政手続法は適用除外となる訳です。
行政書士試験 平成24年度問11 行政手続法の問題 の五問目に覚え方を記事にしてます。
問題
申請に関する行政指導に携わる者は、申請の内容が明白に法令の要件を満たしていない場合であって、申請内容の変更を求める行政指導について申請者が従う意思のない旨を表明したときは、申請の取り下げがあったものとみなすことができる。
正解は?
×
この問題、二問目でも少しふれました。
申請の内容が明白に法令の要件を満たしていない
↓
申請内容の変更を求める行政指導
↓
申請者が行政指導に従う意思のない旨を表明した
↓
申請の取り下げがあったものとみなす
(不利益な取扱い)
これはいかんでしょ。
(申請に関連する行政指導)
第三十三条 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。
第三十二条の一般原則の2項不利益な取扱いですね。
不利益な取扱い=申請者の権利の行使を妨げるようなこと。
申請の取り下げがあったものとみなすことができるものではありません。
行政手続法は、申請について、補正と拒否は選択の関係です。
申請内容の変更を求める行政指導=補正ですね。
補正に従う意思がない訳ですから、拒否処分を行うことができますが、これは、取り下げがあったものとみなすことができると言う内容ではありませんね。
拒否処分と取り下げがあったものとみなすは全然違いますから。
今日も難しかったですね。
普段から一肢ごとに○を選んだ理由、×を選んだ理由をきちんと説明できることを意識して問題を解くようにして下さいね。
説明できるってことは重要です。
記述式対策にも有用ですから。
今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
是非、是非、ポチッとお願いします。
来たよって方はこちらをポチッと。