行政書士試験 平成18年度問10 行政法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

今日は、引越しです。

 

大学4年生になる息子さんが就活に向けてアパートを引き払ってくる日です。

 

そんな訳で、今日は即行で問題に入りたいと思います

 

今日の過去問は、平成18年度問10の問題○×式でやりたいと思います。

 

行政行為の職権取消撤回に関する問題です。

 

参考)旅館業法8条「都道府県知事は、営業者が、この法律若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき、又は第三条第二項第三号に該当するに至ったときは、同条第一項の許可を取り消し、又は期間を定めて営業の停止を命ずることができる。(以下略)」

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

旅館業法8条が定める許可の取消は、営業者の行為の違法性を理由とするものであるから、行政行為の職権取消にあたる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題、ちょっと前に書いた「廃棄物処理法はてなマークふ~ん。」のパターンですね。

 

旅館業法8条って書かれても「あぁ~、あれね。」ってわかる方はいないんじゃないかと思います。

 

出てますね、(参考)が。。。

 

どうですはてなマーク直ぐ理解できる内容ですね。

 

都道府県知事が、営業者が法令違反をしたとき、許可を取り消したり、期間を定めて営業停止を命ずることができると言う内容です。

 

それでは、この問題は取消と撤回どっちなんだと言うことですが。。。

 

これ、以前、行政書士試験 平成20年度問8 行政法の問題でやっています。

 

記憶が曖昧な方は、そちらもご参照ください。

 

職権取消と撤回の定義と効果を思い出しながら解いていただければOKですね。

 

この問題は、有効に成立した行政行為(営業許可)の効力を、その後に発生した後発的な瑕疵(法令違反)を理由として、将来に向かって行政行為の効力を消滅させるものです。

 

と言うことは、「撤回」ですね。

 

参考条文では「取り消し」と書かれていますが、行政法の講学上において「撤回にあたるなんてのは良くある話なんで注意して下さいね。

 

あくまで、内容をよく考えると言うことです。

 

 

 

問題

行政行為の職権取消は、私人が既に有している権利や法的地位を変動(消滅)させる行為であるから、当該行政行為の根拠法令において個別に法律上の根拠を必要とする。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

行政行為の職権取消は、行政行為に違法な瑕疵があることが前提です。

 

その違法な瑕疵を取り除くことは、法律による行政の原理の要請であり、また、公益違反の状態が生じていればこれを取り除くことは行政目的に沿うものです。

 

行政行為の職権取消は、行政活動の適法性を回復し、合目的性の回復目的とするものと言うことですね。

 

適法性の回復=違法な瑕疵を取り除くこと

 

合目的性の回復=公益違反の状態を取り除くこと

 

法律の違反行為を是正して、適法状態に回復するって言うのは、法律に合致させる行為です。

 

法律に合致させるということは、法律の根拠を得ているのと同様じゃありませんかはてなマーク

 

そのため、適法性の回復、合目的性の回復、これらを実質的な根拠に、職権取消には、個別に法律の根拠は必要ないと言うことです。

 

考えてみましょう。

 

職権取消は、本来あるべき法的状態に回復させるだけです

 

だけですっていう言い方は変かもしれませんが、本来あるべき法的状態にするのに個別に法的根拠は必要ですかはてなマークと言うことです。

 

 

 

問題

公務員の懲戒免職処分は、当該公務員の個別の行為に対しその責任を追及し、公務員に制裁を課すものであるから、任命行為の職権取消にあたる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は大丈夫ですね。

 

公務員です。

 

すでに適法に公務員となっている方に、公務員という地位に基づいて公務員となったにする処分が、懲戒免職処分です。

 

責任を追及し、制裁を課すために、任命行為を遡及して消滅させる必要はありませんね。

 

公務員の懲戒免職処分は、任命行為の職権取消ではなく、任命行為の撤回にあたります。

 

適法に公務員となった個別の行為に対しその責任を追及し、公務員に制裁を課すものと言う書き方から、後発的な瑕疵を理由として、将来に向かって行政行為の効力を消滅させると言うのが読み取れます。

 

 

 

問題

行政行為の撤回は、処分庁が、当該行政行為が違法になされたことを理由にその効力を消滅させる行為であるが、効力の消滅が将来に向かってなされる点で職権取消と異なる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

行政行為の撤回は、適法かつ妥当に成立した行政行為について後発的な事情を理由に、効力を将来に向かって消滅させる行為です。

 

先ほどの公務員もそうですね。

 

公務員となった後の行為に対してのもので撤回でした。

 

この問題、

 

行政行為が違法になされたことを理由にが×

 

後発的に発生した新しい事情を理由にが

 

と言うことです。

 

後半部分の「効力の消滅が将来に向かってなされる点で職権取消と異なる。」は、撤回は将来効なのでですね。

 

 

 

問題

行政行為の職権取消は、行政活動の適法性ないし合目的性の回復を目的とするものであるが、私人の信頼保護の要請等との比較衡量により制限されることがある。

 

 

 

正解は?

 

 

 

この問題、前半部分は先ほど見ました。

 

行政行為の職権取消は、行政活動の適法性ないし合目的性の回復を目的とするものです。

 

前半はです。

 

問題は、後半の私人の信頼保護の要請等との比較衡量により制限されることがあると言う点です。

 

職権取消には法律の根拠は不要と言うのは見ましたね。

 

行政行為に瑕疵があった場合、瑕疵はできるだけ速めに取り除くべきですから。

 

ただ、行政庁が職権取消を自由に行うことが認められている訳ではありません。

 

法律による行政の原理と国民の利益や信頼、公益の保護とのバランスを考えながら行う必要があります。

 

聞いたことがあると思います。

 

侵害的行政行為受益的行政行為

 

侵害的行政行為=国民に不利益を与える行為(課税処分など)

 

受益的行政行為=国民に利益を与える行為(営業許可など)

 

国民に不利益を与える侵害的行政行為の場合は、取消しや撤回国民の利益になるので原則として自由にできます。


しかし、国民に利益を与えるという授益的行政行為は、取消し及び撤回することにより、国民の利益を奪うことになるため自由にすることはできません

 

考えてみましょう。

 

一度行政庁から許可がでて、事業を開始していたところ、違法性が見つかったとして、職権で取消しをされた場合、営業を開始していたことで知り合った顧客などを失うことになり不利益を受けてしまいます

 

そのため、職権取消しをすべきか、それとも私人の信頼を保護すべきかについて、職権取消しの対象となる行政行為の性質などを考えながら比較衡量することにより決定するのです。

 

ただ、この場合(授益的行政行為でも公益上の必要性が高ければ取消しはできます

 

あくまで、行政庁は、両利益を比較衡量して、取消しの当否を決定していると言う訳です。

 

そのため、後半もですね。

 

 

今日も最後まで有難うございました。

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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