行政書士試験 平成27年度問19 国家賠償法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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新年明けましておめでとうございます。m(__)m

 

今年も一年、よろしくお願い致します。

 

新年、第一回目のブログは、国家賠償法の過去問です。

 

昨日の会社法に引き続き判例問題です。

 

国家賠償法は判例が中心なんですが、昨日見た会社法も判例でしたので、結構判例って多いんだなって言うのがわかっていただけたんではないでしょうか。

 

今日の過去問は平成27年度問19の問題○×式でやります。

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

都道府県警察の警察官が交通犯罪の捜査を行うにつき故意または過失によって違法に他人に損害を与えた場合、犯罪の捜査が司法警察権限の行使であることにかんがみれば、国家賠償法1条1項によりその損害の賠償の責めに任ずるのは原則として司法権の帰属する国であり、都道府県はその責めを負うものではない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

国家賠償法第一条第1項は、公務員の不法行為責任です。

 

第一条 国又は公共団体公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる

2 略。

 

条文には、国又は公共団体が賠償する責に任ずるとあります。

 

問題は国が負うのであり、都道府県は負わないとしています。

 

さて、どっち?

 

昭和52(オ)857 損害賠償 昭和54年7月10日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

都道府県警察の警察官がいわゆる交通犯罪の捜査を行うにつき故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えた場合において国家賠償法一条一項によりその損害の賠償の責めに任ずるのは原則として当該都道府県であり、国は原則としてその責めを負うものではない、と解するのが相当である。

 

理由

1.警察法

設置及び責務

第三十六条 都道府県に、都道府県警察を置く

2 都道府県警察は、当該都道府県の区域につき第二条の責務に任ずる。

 

警察の責務

第二条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする

2 略。

 

理由

2.地方自治法

第百五十六条 普通地方公共団体の長は、前条第一項に定めるものを除く外法律又は条例の定めるところにより保健所、警察署その他の行政機関を設けるものとする

2~5 略。

 

第百五十五条 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため条例で必要な地に都道府県にあつては支庁及び地方事務所、市町村にあつては支所又は出張所を設けることができる

2、3 略。

 

ようは、警察法及び地方自治法で、都道府県には都道府県警察を置き、警察に関することを都道府県の事務としているので、都道府県が責任を負うんだってことを言っている訳です。

 

 

 

問題

旧陸軍の砲弾類が海浜に打ち上げられ、たき火の最中に爆発して人身事故が生じた場合、警察官は警察官職務執行法上の権限を適切に行使しその回収等の措置を講じて人身事故の発生を防止すべき状況に至っていたとしても、当該措置には裁量の余地が認められるから、かかる措置をとらなかったことにつき国家賠償法1条1項の違法性は認められない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題で引っかかる点はなんでしょう?

 

そうですね、当該措置には裁量の余地が認められるってとこです。

 

砲弾類爆弾ですよ、砲弾類爆弾

 

危険極まりないじゃないですか。

 

これ、警察法の第二条に明らかに背いてますよね。

 

このケースでやるべきこと。

 

1.島民等に対して砲弾類の危険性についての警告

2.砲弾類を発見した場合における届出の催告等

3.自ら又は他の機関に依頼して砲弾類を積極的に回収する

 

これらの措置を講ずべき職務上の義務があった訳です。

 

これらの措置をとらなかったので、職務上の義務に違背し、違法であると判断しています。

 

そりゃそうでしょうね。

 

昭和56(オ)174 損害賠償 昭和59年3月23日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

 

 

問題

飲食店の中でナイフで人を脅していた者が警察署まで連れてこられた後、帰宅途中に所持していたナイフで他人の身体・生命に危害を加えた場合、対応した警察官が当該ナイフを提出させて一時保管の措置をとるべき状況に至っていたとしても、当該措置には裁量の余地が認められるから、かかる措置をとらなかったことにつき国家賠償法1条1項の違法性は認められない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

これも前問同様ですね。

 

この問題はナイフですね。

 

これも危険です。

 

銃砲刀剣類所持等取締法

銃砲刀剣類等の一時保管等

第二十四条の二 略。

2 警察官は、銃砲刀剣類等を携帯し、又は運搬している者が、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して他人の生命又は身体に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合において、その危害を防止するため必要があるときは、これを提出させて一時保管することができる

3~11 略。

 

帰宅を許す以上、同法二四条の二第二項の規定により本件ナイフを提出させて一時保管の措置をとるべき義務があつた。

 

警察官が、かかる措置をとらなかったことは、その職務上の義務に違 背し違法であるってことです。

 

昭和55(オ)401 損害賠償 昭和57年1月19日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

 

 

 

問題

パトカーに追跡されたため赤信号を無視して交差点に進入した逃走車両に無関係の第三者が衝突され、その事故により当該第三者が身体に損害を被った場合であったとしても、警察官の追跡行為に必要性があり、追跡の方法も不相当といえない状況においては、当該追跡行為に国家賠償法1条1項の違法性は認められない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

最初に辞書です

 

不相当=ふさわしくないこと。つりあわないこと。

 

この問題は、追跡行為には必要性があった訳です。

 

また、追跡の方法も不相当といえない追跡方法な訳です。

 

交通法規等に違反して車両で逃走する者をパトカーで追跡する職務の執行中に、逃走車両の走行により第三者が損害を被つた場合において、右追跡行為が違法であるというためには、右追跡が当該職務目的を遂行する上で不必要であるか、又は逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無及び内容に照らし、追跡の開始・継続若しくは追跡の方法が不相当であることを要するものと解すべきである。

 

パトカーの追跡が「必要」又は「相当

違法性があり

 

パトカーの追跡が「必要」であり、「相当

違法性はなし

 

昭和58(オ)767 損害賠償 昭和61年2月27日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄自判 名古屋高等裁判所 金沢支部

 

 

 

問題

非番の警察官が、もっぱら自己の利をはかる目的で、職務を装って通行人から金品を奪おうとし、ついには、同人を撃って死亡させるに至った場合、当該警察官は主観的に権限行使の意思をもってしたわけではないから、国家賠償法1条1項の適用は否定される。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は何度か試験で出ている内容です。

 

その点で落とすことのできない問題です。

 

非番の警察官休みとはいえ公務員です。

 

そんな状況での事件な訳です。

 

警察官が制服を着て、権限を行使する。

 

普通に、一般の人から見れば勤務中に見えるじゃないですか。

 

判例では、実際に勤務中かどうかは関係なく客観的に職務執行の外形を備えている行為であれば、「公務員が、その職務を行うについて」に含まれるため、国又は公共団体が、賠償の責任を負うとされています。
 

昭和29(オ)774 損害賠償請求 昭和31年11月30日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

 

 

何度か問われている判例も含めて五問。

 

確実に内容を把握しましょう。

 

試験に向けて、一日一歩ずつでも前進しましょう!

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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