映画『ワルキューレ』1944年7月20日事件とアーキヴィスト | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

映画『ワルキューレ』でシュタウフェンベルクの盟友としてアルプレヒト・メルツ・フォン・クヴィルンハイム大佐は重要な役割を果たしています。彼の父であるヘルマン・メルツ・フォン・クヴィルンハイムはポツダムに樹立されたライヒスアルヒーフの初代館長でありました。

アルプレヒト・メルツ・フォン・クヴィルンハイム大佐の義兄弟であるヴィルヘルム・ディックマンもやはりアーキヴィストで告白協会の関係者でしたが、クヴィルンハイム大佐を通じて抵抗運動と接点を持ち、7月20日事件後に処刑。

さらに、もう一人の義兄弟であるオットー・コルフェスはアーキヴィストであるとともに将軍であり、スターリングラードで捕虜になった後、自由ドイツ委員会に参加して戦後は東ドイツでキャリアを送ります。

いわば軍人=アーキヴィスト一家だったのがメルツ・フォン・クウィルンハイム家なのですが、残された家族も、ナチス・ドイツからは敵意をもってみられて、過酷な体験をすることになります。