アーキヴィストたちは史料の回収・応急作業の成果に自信を持ちはじめているようです。「希望に満ちた未来への展望」と題した下記記事は、彼らが自分たちのあげた成果と、今後の展望について、一定の自信を持ちはじめていることを示しています。このブログでも何度も名前をあげたベッティーナ・シュミット・ツァイア館長は、「収蔵品の五割から六割は救うことができる」と確信したといいます(引用は下記記事から)。
Hoffnungsvoller Blick in die Zukunft
(『ケルニッシェ・ルントシャウ』電子版3月26日)
このような楽観論に懐疑的になるのは可能でしょうが、この際、彼らの努力と成果に期待してみたいと思います。一方で責任問題についての紛糾が続き、まさしくハインリッヒ・ベルが小説にしたような状況を露呈しているなかで、希望を持ちつづけるのは苦しいことです。
しかし、すくなくとも現場で戦っている人たちは、アーキヴィスト・修復専門家・消防隊員・その他の関係者のすべてにあてはまることでしょうが、史料を救いだして、もういちど閲覧可能にするために全力をつくしているということは、まず認識しておかれるべきだと思います。