さて、去年の後半から、ほとんどなにをしてきたか書いていないのですよね。
昨年は論文と、それに長い書評を書きました。論文はレオニード・クロイツァーについて拙著発表後に見つけた史料からわかったことを記したものです。いずれ内容については詳しく書きたいと思っています。クロイツァーがヨーロッパにおいても日本においても本当に大きな存在であったことを痛感させられました。
書評は宮澤正典先生の御著書『近代日本のユダヤ論議』(恩文閣出版、2015年)について。この分野の研究を主導してきた宮澤先生の研究を評価するのは、同じテーマを研究するどのような研究者にとっても大きな挑戦ということになります。史料までもどって検討して正攻法で向きあう手法をあえて選び、いくつかの問題提起はできたように思いますが、全体としてみると、宮澤先生の流石としかいいようがない記述に圧倒されました。『ユダヤ・イスラエル研究』第30号(2016年)に掲載されております。