デジタル画像掲示と文書館(5) | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

公開量と公開の精度はしばしば反比例します。

これは厄介な問題なのですが、少なくとも、次のようなことが言えます。デジタルであれ、旧来の原史料の公開であれ、公開量を確保するためには、充分な人材を確保して、充分な時間をかけて慎重に作業を行うことが必要であり、そうでなければ、公開と目録の精度に問題が生じます。

そして、目録とリファレンス・システムが整備されていなければ、史料が公開されていながら、アクセスできないという現象が発生します。

その意味で、できるだけ迅速に大量の史料公開を行うべきだという研究者、利用者から見て当然の要求は、同時に、文書館を充分に整備して、必要なだけの文書・歴史専門家をそろえて、ふつうの待遇を提供するべきだという要求と組みあわされなければ意味がないわけです。

この事情はデジタル画像掲示であっても同様です。