旅先、イランにて。
ウクライナから来たカップルと、たまたま2,3日同行することになった。
若い二人は小ぎれいで、いかにも『できる』ニオイを発している。それぞれフリーランスで食べているというんで、そうなんだろう。
先日、観光に行った湖がゴミだらけだったので、二人でたくさん拾って片付けてきたという。意識高い系の人たちなのだった。
朝食の席から自国を憂い、意識高い話題を振ってくる、、、
朝食の席から自国を憂い、意識高い話題を振ってくる、、、
「ウクライナは中国に大事なインフラを買われているのに、国民に危機感がなさすぎ。日本人はちゃんと対抗してるよね」
「日本はフクシマのとき、ちゃんと対処したよね。ウクライナはチェルノブイリのとき、全然だめだった」
などなど。イヤ、日本もちゃんとはしてないかも。
ていうか、30年以上前のチェルノブイリのことをあなたが反省するんか?
そもそもそれは、ソ連時代だろう?
いろいろツッコミどころがあったんだけど、自信満々で語っているのでそっとしておく。
そして旅先のイランがいかに遅れているかということも熱心に論じている。
なんか上から目線だなあ。
ちょっと意地悪して質問してみる。
「なんで、あなたたちはベジタリアンなの? 宗教的な理由もなくベジタリアンやってるのって、わからないなあ」
地球温暖化を防ぐため、とかいう答えを予想したが、違った。
これ見て!! と イランのノマドの村で子羊を抱っこしてる自分のインスタを見せてきた。
「かわいいでしょ! こんなにかわいい動物を食べるなんて、耐えられない!」
それが第一の理由。
そのあとに理屈がきた。食べない理由を科学的根拠でもって説明してくれる。
・人間は肉食の必要はない
・乳製品などは人体に有害である
・それはWHO報告で証明されている!
といったことを流暢な英語でペラペラと話すのだった。
でもねえ 日本人は肉食しなかった時代は栄養不足で体格が悪かったんだよね
代替の食品を十分にとれる人はいいけど、やっぱし肉食が必要な人は世界にたくさんいるんじゃないの?
日本では狩りガールってのが流行っててね
それは命に向き合う体験なんだよね
狩猟はスポーツじゃなくて、忍耐のいる仕事だし
しかし、そういう話はスルーされた。
「ベジタリアンであるかどうかは、選択肢の問題だと思う。ぼくは怒りっぽいからアンガーマネジメントとしてジムで汗を流す。ベジタリアンも感情を収める手段なんだ」
あれ? 個人的な感情の話? 今、命をいただくことと人間の有り様について話してるんですけど?
話が終わって、あとでずいぶんモヤモヤした。
ひとつには、狩りを人間の娯楽であり、不必要と考えていること。
日本は狩りで野生動物の数のバランスを取らないと、人が被害を受けて暮らせなくなったり、山が全滅したりする。
そして、狩った動物は食べないと捨てることになる。(今、日本では無駄にせずジビエを流通させようという取り組みが起きている)
もうひとつは、彼らの態度の矛盾。
かわいい子羊を殺したくないっていうけど、ノマドは動物園をやってるわけじゃないし、生活のため殺す必要があるときもあるだろう。乳の利用はもちろん毎日のことだし。それに反対しつつ、観光で見に行くってどうなの?
彼らの主張には納得がいかない。
しかし、この人たちの主張が「感情を基礎に置いているもの」であるととすると説明がつく。
・かわいい動物を殺したくない
WHOの報告を科学的根拠として振りかざしているけど、こんなに主観的な判断はないですね。
・かわいくない動物は殺しても気にならない
・人の生活や食習慣より自分の気持ちが大事
ってことでしょう。食習慣てのは大事な文化なんだよ。
そういうことを考えずに「食べる必要がない」と上から目線で言ってくるのって、どうよ? ここに西欧左翼の傲慢を見る。
こういう人たちは日本のクジラ船の武力攻撃を支持したりするんだろうな。
ウクライナの若者たちはロシアから距離を取ろうと必死である。それで、全身で西欧に近づこうとしている。
旅先では英語が完璧にでき、白人の彼らは西欧人と同じに見られ、扱われる。それがとっても嬉しいらしい。
でも、圏外の日本から見ると、西欧至上主義みたいな考え方をしているのがとても残念だ。
西欧人の感情が「モラルの基準」みたいな勘違いが通用する時代は終わったと思う。
EUに入れてもらって他の国を「遅れてる」とかいうのはやめてほしい。
国連機関の見解を盲信するのも宗教みたいなものだ。
いまも紛争地帯では毎日人が死んでいるというウクライナ。
ロシアとヨーロッパの間でキツイのはわかるけど、ウクライナ独自の道はないのか?
そんなことを長々考えさせる出会いだった。