『バッテリー』
児童文学で野球モノと聞いてたので、青春スポーツものかと思ったら、ぜんぜん違った。
中学入学まえの少年の気持ちを中心に、家族、まわりの人間との関係を描いた物語です。
都市部から祖父のいる田舎へ引っ越してきた状況でおこる日常を描いているだけ、
といえばそれまでなのですが・・・・・たいした事件も起こらない。
でも、人と人がぶつかったり、うっとうしかったり、純粋な弟や新しい友達がまぶしかったり。
少年がどういう捉え方でまわりのことに反応し、対処していくのか、これがなぜかスリリングに感じられて、魅力的な物語でした。
少年のキャラがいい。超自信家で人の考えてることなんてどうでもいい、と思っていて
両親に対しても誰に対しても、見下したようなところがある。ちょっとイヤな奴です。
硬派、というのでしょうか。年齢設定が中学入学前にしては大人びすぎている
と思いましたが、迫力のある人物だなと 興味がわきました。
読むうちだんだんわかることですが、少年は冷徹な自分を通そうとしているが、
その実、自分では否定しているようだが、家族に理解されたいし、まっすぐな弟に嫉妬することがあるし、コワモテな自分を持て余しているらしい。
終盤、少年は自分のやさしくなく素直じゃなく、意地悪なところに自家中毒をおこしたように
ぐしゃぐしゃになってしまいます。 少し弱気をみせて友人に頼ってしまったりもします。
しかし、やっぱり少年は急にいいヤツになったり、素直になったりするわけではありません。
現実は、そんなにおめでたくはできていない。
そんなリアリティに好感がもてました。
この本では少年に大して変化は見られないのです。変化するとすれば、まだまだ時間や経験が必要でしょう。。。。
あっ もしかして、続編ではスポ根になったり、友情ものになったりするのかな????
『バッテリーⅡ~Ⅵ』 の続編、読んでみたいと思います。
バッテリー [ あさのあつこ ]