誰にでもオススメ 『永遠の0』百田 尚樹 | ぷぷぷ日記

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『永遠の0』 百田 尚樹 講談社文庫、単行本 太田出版。

感想。「やられた!これは確かに売れる本だわ・・・・・」。 ぜひみんなに読んでいただきたい。本屋大賞と帯に書いてありましたが、私が書店員でもきっとオススメコーナーに平積みします。

今はやりの百田尚樹って、どうよ? 放送作家で、小説を書き始めたのは年をくってから、ってことだけど…? と やや舐めたカンジで読み始めたのですが、この人の「読ませる技量」は半端じゃない。放送作家の構成力、視聴率獲得のワザゆえでしょうか。

この本、いわゆる戦争モノです。主人公は特攻で死んでしまったという零戦乗り。神業のような技術を持ちながら命を惜しむ臆病者とそしられたという主人公・宮部の素顔について、孫である現代の「ぼく」が調査をはじめる。戦争を生き残った関係者をたずね、ひとりずつに話をきいていくうち、臆病と言われた謎や特攻で死を選ぶまでの経過が、しだいに明かされていく…  というお話です。

現代の登場人物はテレビドラマみたいにキャラのデフォルメがきついし、セリフも軽々しくしゃべりすぎかなぁ と思ったりしましたが、そのぶんとっても読みやすい。「ぼく」が聞き手とする関係者の「語り」にどんどんひきこまれていきました。
 肝心の主人公・宮部の心情は関係者のわずかな証言と推測でしかわからないが、戦局の悪化により、変化していく様子が垣間見られます。 「決して死なない」 と言った宮部が、ついに死を迎えるまで、読者はぐいぐいひっぱられます。

 また、生き残りの戦闘機乗りによって語られる空戦の様子などは、本物の証言を聞くように臨場感があり、わくわくするシーン満載です。現実の証言ではこんなふうに整然と、しかも多弁に語れるわけがないのですが、そこは小説ならではのリアリティというのかな。本物の証言を再構成したのが、これなのだ… と、多弁すぎる語りクチも気にならなくなりました。

そしてラストに近づくと、ドンデン返しが用意されています!これであきっぽい人でもラストまで絶対に読まずにはいられません。

何よりすごいのは、人を感動させる力がある本だということ。
「これは予測の範囲」というエピソードであっても、なんだかテレビドラマみたいにウソくさいセリフだなあ、などと冷静な視点をこえ、訴えるものがあります。
この本が訴えること、これが愛ってものでしょうか。これが懸命ということでしょうか。何度も涙ぐみそうになることがありました。

戦争なんかあんま興味ないっていう若い人への入門にもなるし。いろいろ知ってるし今更、なんていう物知りな方でも、感動できる本だと思います。

永遠の0 [ 百田尚樹 ]
¥920
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