ソーシャルメディア・リクルーティング研究会のブログ

2011年10月!

ソーシャルメディア・リクルーティング(仮)青月社より出版決定!!


内容
ソーシャルメディアを活用して、中小企業・ベンチャー企業が低コストで効果的に社員募集するノウハウが一冊の本になります。


是非、読んで頂きたい方


■中小・ベンチャー企業の経営者・人事担当者の方


■人材紹介、求人広告等、採用支援に携わる方


■ソーシャルメディアを活用される方


      


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ソーシャルリクルーティングについて最近思うこと

ソーシャルリクルーティングが徐々に脚光を浴び始めていますね^^

どうもソーシャルリクルーティングを語っている人が若く、もしくはスマートな雰囲気の人が多いからなのか、お問い合わせ頂いた会社に私が伺うと「泥くさい感じがいいですね」と慰めて頂きます(笑)ええ、ずっと人事の責任者として採用にも携わっていましたし、認知度の低い会社で応募を集めるのに必死になっていましたから・・泥臭さ満載です^^

■ソーシャルリクルーティングブームの兆し??

2010年の夏に「ソーシャルメディアリクルーティング研究会」を主催して大手企業からベンチャー企業まで約50社の人事の方にお集まり頂きました。去年の夏の時点ではFacebookは使えるのだろうか?広まっていくのだろうか?という段階だったと思います。当時と言っても1年前ですが、Twitter、Ustream、Blogを如何に使いこなすかがメインのテーマでした。

特に採用コストが限られ認知度が低い企業では「出稿しても欲しい人材からの応募がないじゃないか!」「いい紹介がない!」と求人媒体や人材紹介会社の営業マンに怒りつつも、他に良い採用のアプローチを見いだせず、使い続けるというケースもあったかと思います。ですので、「どうすれば自社に良質な応募(人材要件に見合う応募)が低コストで集まるのか?」と日々考える企業の採用担当者が、既存の採用手法に辟易して、求人媒体としてのソーシャルメディアの可能性に興味を持つのは自然な流れでしょう。私も人事として最初にTwitterを見た時は、これは天の助けだと本気で思いました(笑)

例えば、弊社でも本の執筆のために取材をさせて頂いたり、研究会での講師をお願いさせて頂いたりしているアイティメディア株式会社様でのお取組*を聞くと、ほとんどの企業で「よし!当社でもチャレンジしよう」と思われるのではないでしょうか。

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ソーシャルメディアを採用活動に導入し、採用コスト全体で20万円以下、1,000名の母集団を集め、15名が最終面接候補となり、7名を最終面接。うち、4名に内定(4名とも入社)という結果を出していらっしゃって、15名の最終面接候補とも、例年であれば内定が出せる評価の学生であった。
(アイティメディア株式会社 総務人事部長 浦野様に取材)
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とは言え、冬以降のFacebookページでの採用アカウント数の増加は目を見張ります。

「流れに乗らなきゃ!」ということでソーシャルメディアへの対応を進めようとする採用担当者も更に増えていくでしょうし、ビジネスチャンスと考え煽る事業者も増えていくことでしょう。

気をつけなくてはならないのは、人事支援のマーケットにおいて一時期のホームページブームやERPブームの時に起こった手段を目的化する雰囲気が起こりはじめているのではという点です。

■「手段の目的化を避ける」

「ホームページを作れば千客万来」、「ERPを導入すれば全ての業務が効率化する!」などといった雰囲気が世の中にあったのをご存じですか?

もちろん、良識ある読者の皆様であれば、「それは違うよね」と感じて頂けると思いますが、その当時はそれらの熱にうなされ、沢山のお金を費やす会社や人が多数続出していました。

実はそのような勘違いがすでにソーシャルリクルーティングでも生まれつつあることを感じ、「おいおい」という気持ちと、これからソーシャルリクルーティングに取り組もうとする企業の方に参考にして頂ければなと思って、この文章を書いています。

「ソーシャルメディアを採用に使いさえすれば何かしら良い結果が生まれるはず。」という程度の考え方であれば、まず効果はほとんど生まれないでしょう。

例えば、Facebook上で採用ページを持つことをソーシャルリクルーティングとしましょう。

そしてFacebookページに採用アカウントを設置し、綺麗なWelcomeページを作ったとします。そして、四季折々の会社のイベントや自社の人事制度なんかを投稿し続けるとします。・・・貴方の会社に人材要件に見合う応募が集まることが想像できますか?

もちろん、貴方の会社の認知度も高く、従来の取組み(例えば求人媒体や人材紹介会社にお願いする等)においても一定の母集団を形成できる会社であるならば、「おっ、こんな会社が募集している」「(採用にもつながりそうな)面白そうなイベントだ」とソーシャルグラフ(人のつながり)、インタレストグラフ(興味や仕事のつながり)から伝わる情報を見て一定の流入も見込めるでしょう。私もLinkedinが人材募集してる!という情報をニュースフィードで見て、すぐにサイトをチェックしました(笑)

逆に貴方の会社の認知度が低く母集団形成が十分になされていないとすれば、例え綺麗なfacebookページを作って流入を期待したとしても、大した効果は見込めないでしょう。
(綺麗なホームページを作ってもアクセスがないのと同様に)

考えてもみて下さい。よく知らない、大して興味もない会社の職場風景や人事制度の投稿に誰が興味を持つでしょうか??何かのはずみで1回「いいね」を押すことがあったとしても、次に訪問することはないでしょうし、ニュースフィードに興味のない情報が頻繁に出てくるようになれば、うるさくて即非表示にするでしょう。


■ではソーシャルリクルーティングは認知度の低い会社に効果がないのか?

認知度が低い会社でも効果を出すことは可能です。ただ、まず「facebookを使うこと=ソーシャルリクルーティング」ではないということをしっかりと頭に入れておく必要はあると思います。もちろん、facebookがLinledin、Twitterになっても、Ustreamになっても、Youtubeに置き換わっても、5つ並んでも一緒です。ツールありきではないということです。
(是非、そりゃそうだよと思ってほしいところです。)

ソーシャルリクルーティングとは何でしょう?色々な見方はあるでしょうが、成功している企業を取材させて頂きながら、このように定義づけてみました。

「潜在的に候補者が存在するコミュニティにソーシャルグラフ、インタレストグラフを通して働きかけ、候補者を見出しコミュニケーションによって関係性を築き、親密になっていく採用手法。一般的には、その手段としてソーシャルメディアを活用する場合にソーシャルリクルーティングと呼んでいる。」はい、ちょっと格好つけて言ってみたかっただけです。すみません。

$ソーシャルメディア・リクルーティング研究会のブログ

平たく言うと、「候補者がいそうな場所・コミュニティ見つけ、『面白そう』『ためになる』『いい人そうだ』等という良い評判(噂)になれるように1参加者として情報収集・情報発信しつつ、コミュニケーションの中でこれはという人を見つけたら、声をかけ仲良くなって応募を促しましょう。で、その一連の流れがソーシャルメディア上で実現できるとソーシャルリクルーティングと呼ぶ。」となります。

つまり、じっくりと関係性を築いていくことがソーシャルリクルーティングとも言える訳です。(もちろん、一定の母集団が見込める企業ではまた違ったアプローチもあり得ます。)認知度が低い企業が取り組むソーシャルリクルーティングでは自らコミュニティや候補者達に働きかけを行い、ステップ・バイ・ステップで関係性を温めていく必要がある訳です。

そう考えると「関係性」を築くという視点を全く無視した、「綺麗なWelcomeページを作りましょう!」「アプリを導入しましょう!」「フォロワーをX百、保証します!」「いいねをY百、保証します!」という事業者の提案は、認知度の低い企業にとっては的外れに近いことは理解してもらえるのではないでしょうか。ある人事の方がいみじくもこうおっしゃっていました。「facebookページ開設後にすぐに1,000単位での『いいね』がついたとしても、あまり意味があることではないように思う。」まさに私もそう思います。

「ソーシャルメディア上で」という点を外すと、私もそうですが実は一部の採用担当者やヘッドハンターがやっていた事とあまり変わりはないのかもしれません。例えば、中途採用では「○○技術を扱う学会に参加しつつ、懇親会で声をかけて自社に引き抜く」、「有名ホテルの支配人の人脈を頼り、紹介をお願いし、候補者に面会して応募を促す」新卒では「学生が興味をひきそうなイベントを催して自社で活躍できそうな学生がいれば、インターンや応募を促す。」といったことですね。

なぜソーシャルメディアを活用すると良いのかと言うと、上記の例で言う、

①候補者がいそうな場所(例:学会・人脈 etc.)
②関係性を築く場所(例:懇親会・紹介etc.)

の双方が一緒にメディア上に存在している点と、コミュニケーションのハードルが低い点かなと思います。Twitterでは気軽にアンフォローもブロックもできますし、特にfacebookでは実名主義でソーシャルという前提がありますので、アプローチがまともであれば話を聞いてみようというオープンな人が多い雰囲気があります。

ただ忘れてはいけないのは、そもそも採用担当者(もしくはその委託を受ける事業者)がしっかり自社の魅力の整理を行い、関係性を築く効果的なコミュニケーションをとったり、場を作ることができなければ、いずれにしても結果は出ないという点です。(ソーシャルリクルーティングにおいて採用担当者が持つべきリテラシーについては、また別の機会に記載したいと思います。)

■ソーシャルメディア活用の目的

さて上記までは応募を促す、母集団形成するという視点でのみ書いてきましたが、もちろん、応募者とのコミュニケーションを深めることのみを目的にしたり、告知のみに活用したり、内定者フォローに使ったりと目的は企業によって様々だと思います。いずれにせよ、この目的を忘れてしまうと、この投資はなんだったんだろうということになりかねません。

ご参考までに「母集団形成のステップで何を目的にどのようなツールを使うのが良いか」という整理をしてみました。これは、あくまでもソーシャルメディアを活用した母集団形成の、ステップ・バイ・ステップという1パターンに過ぎないということをご理解ください。(取材や海外事例を通し、あと大きく4パターンはあります。)




このパターンの場合、多様なメディアの特徴を活かしつつ母集団形成を進めていく訳ですが、「何を目的にしているのか」という点は、ムダな費用や時間を発生させないためにも、常に頭に入れておくべきポイントだと思います。

執筆している本の中では取材した具体例を見ながら、どのように「いいね」や「フォロワー」を集めていくのが効果的であるのかを書いていきます。次回は海外の事例についても触れていきます!

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 条件によりまして、原則交通費・宿泊費(地方)のみ(講演費は無料)で社数を限って
 承っております。お気軽にお声掛けください。

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