今回チェックしたドラマは
【海のはじまり/マウンテンドクター/夫の家庭を壊すまで/西園寺さんは家事をしない/南くんが恋人/あの子の子ども/新宿野戦病院/初恋不倫/ひだまりが聴こえる/スカイキャッスル/私をもらって~追憶編~/錦糸町パラダイス/しょせん他人事ですから/笑うマトリョーシカ/伝説の頭翔/GO HOME 警視庁身元不明相談室/青島くんはいじわる/顔に泥を塗る/広重ぶるう/素晴らしき哉、先生!/(以上20作品と辛くて最後まで見続けることが出来なかった下記9作品)/ギークス~警察署の変人たち~/クラスメイトの女子、全員好きでした/ビリオン×スクール/マル秘の密子さん/嗤う淑女/ソロ活女子のススメ4/Room/降り積もれ孤独な死よ/ブラックペアン シーズン2】
(感想はすべて敬称略)
今期は、面白くて見るべきと感じられるドラマと、1回目から辛くて見続けられないものとの部別化が早期に出来たので、とても助かりました。どんなにつまらなくても3回は見て判断しようと心に決めて望みますが、初回から本当に辛くて集中することさえ出来ないドラマがいくつか。そういうドラマが評判になっているようなことをSNSで見るにつけ、本当にドラマに集中して楽しんでいるのか質問してみたい気分になります。例えば倍速で見るとか、それは面白くないドラマ(ストーリーのみを追えば済むドラマ)です。
私は、人間ドラマがないとテレビドラマではないと思っているので、どんな突飛な設定でも、登場人物の心の微妙な動きを見せてくれるものでないと見る意味が感じられません。そしてラブストーリー好きです。
2024年夏 MYアカデミー賞
主演女優賞 小池栄子 (新宿野戦病院)
これだけの役者を周囲に置いて、存在感、インパクト半端ないです。あらゆることが巧みで、脚本の世界をきちんと描いていると感じられる技術に伴った芝居で素晴らしい。何ひとつ引っ掛かるところがない分、主演女優としての魅力はあまり感じられないのですが、上手い役者がドラマの世界を作るのです。見終わるたびに、私も岡山弁になっていました。
次点:松本若菜(西園寺さんは家事をしない)ずーっと前から、綺麗で大好きな女優さんですが、やっと、本当にやっと主演になった。今回の役は、普通の役。その分、彼女の魅力で作られる役でした。仕事が出来て、家事は出来なくて、ガッツがあって、明るくて、絶対にモテモテの西園寺さんをとても魅力的な女性に仕上げていました。ドラマが後半に従ってどんどん下らなくなっていったのは残念でした
次点:生田絵梨花(素晴らしき哉、先生!)カラフルな演技でした。特に最初の彼氏と文句言い合っている頃が魅力がはち切れていて素晴らしかった。いろんなことが出来るんですよぉ~って、演技技術を満載していた感じです。自由にコントロールできているセリフや小道具の扱い、楽しくて仕方ないだろうと思います。
主演男優賞 前田公輝(私をもらって)
常務には若過ぎるように見えますが、彼はこういう頼りがいのある男が合っていて魅力的。ふざけた軽い役が続いてましたが、今後は是非ともこちらにシフトしていただきたい! 顔は個性的なのに、とても素敵に見える。こういう人が2枚目をやるべきですよね。
次点:中沢元紀 (ひだまりが聴こえる)もう本当に最高に2枚目です。このまま行って欲しいです。影のある2枚目を演じ続けて欲しいです。
次点:渡辺翔太(青島くんはいじわる)こういう役の方がいいです。軽くてちょっとエッチで。ただ、格好いいシーンでは良いのだけど、格好悪い時も魅力的であって欲しい。
次点:目黒蓮 (海のはじまり) 彼もこっちの役がいい。ちょっと暗くて、優柔不断。はっきりしない男でした。明るくガッツのある役の時は、ホントきつかった。
助演女優賞 高岡早紀(笑うマトリョーシカ)
とりたてて特別な芝居をしなくても(しているのですが)ミステリアスで悪女で恐ろしい。そして美しい。この人以外に、この役出来ないでしょうと思わせます
次点:田辺桃子(笑うマトリョーシカ)良い子の役が多かったけど、こういう役の方が美しい顔が際立つ。うっかり悪女って役はあったけど、今回は本物の悪女。美しかったです。
次点:平祐奈(しょせん他人事ですから)アイドルの役があまりにもピッタリはまっていて、誰?このアイドル?って。もっともっと主要な役で出てきて良い役者だと思うのだけれど…
次点:久間田琳加(GO HOME) これまで男が好きそうなバカ女が多かったけど、今回は頭の良い美少女で影があり、イメージが変わりました。きっと本人はこっちですね。
次点:高畑淳子(西園寺さんは家事をしない)ラストの長台詞では、全てを持っていきましたね、自分のシーンとばかりに。演技とはこういうもので、技があると楽しんでやっていることが伝わります。
助演男優賞 西垣匠(顔に泥を塗る)
悩みましたが…
ほとんど、恐ろしい婚約者だったのだけど、ラストに少しだけ心優しい表情が見られて、そのギャップが良かったです。本当は笑顔の優しい男優なのでしょうが、笑顔の恐ろしい人の印象がついてしまっています。
次点:小林虎之介(ひだまりが聴こえる)途中から、ちょっと乗り過ぎてしまったのが、残念でした。求められているものがはっきりわかって自由になってしまったのでしょう。子どもような明るさなので、作りが見えるとマイナスになります。それにしてもいいキャラクターでした。
池松壮亮(海のはじまり)とてもいい役者で、いつもセリフに奥行きがあり、今回のように静かな流れの中で、吐くセリフにしっかりと厚みがある。このくらいの役でドラマに参加してくれると、本当にドラマのレベルが上がります。
気になる役者
小久保寿人(マル秘の密子さん、降り積もれ孤独な死よ)恐ろしかったり悪い役ばかりですね。素敵な方なのでそのうち優しい役を見られそうです。
野村康太(夫の家庭を壊すまで、あの子の子ども)売り出し中ですね。「あの子の子ども」の方のちょっと間抜けな可愛さの方が好きです。
太田莉菜(夫の家庭を壊すまで、西園寺さんは家事をしない)個性的な容姿
内海誠子(素晴らしき哉、先生!)吉高由里子を彷彿とさせる可愛らしさで、くったくのない明るさが抜群でした
小宮璃央(素晴らしき哉、先生!)どこかで見たことがあるとチェックしたら…大人になりましたねぇ。演技は大して上手くなった感じはしなかったけれど、個性が熟していました。
田中偉人(伝説の頭翔)インパクトありました
関秀吉(伝説の頭翔)美男子なので覚えておきます
長友郁真(しょせん他人事ですから)セリフが巧みでした。明らかに自分のシーンをどのように演じるか全て計算し尽くし、セリフの言い回しも自由自在に動かしている感じが小気味良かったです。次はもっと長台詞のある役で見たい
田牧そら(スカイキャッスル)笑顔、特に口角にインパクトのある子で、若いのに存在感もありました
田中美久(夫の家庭を壊すまで)残念ながら魅力に乏しいのですが、前に出るエネルギーと演技力はOK
原作賞 文のゆき【ひだまりが聴こえる】
衣装 賞ではありません
西園寺さんの衣装、奇抜でしたねぇ。あまりに奇抜でどうしちゃったの?と何度も感じたけれど、いまどきは何でもOKですからねぇ。
「顔に泥を塗る」の高橋ひかるの衣装も奇抜でした。彼女にとっても似合っている素敵な衣装だったけれど、このドラマの意図からして、それをどこで着るのかはもう少し考えられて然るべきと感じました。
「青島くんはいじわる」の衣装、酷かったですねぇ。あれを着こなせと言われると役者さんたち困るでしょう。同じシーンで数人がフワフワとぶつかる衣装だったり。
美粧
「顔に泥を塗る」 メイクがとても重要な意味を持つドラマなのに、メイクを変えても高橋ひかるの印象が変わらない。木村慧人はその都度顔が変わるのに…、メイクさんの問題ではないの?
キャスティング賞 ひだまりが聴こえる
「下剋上球児」で大注目だったふたりが、あの時よりも更にぴったりの役どころで主演。大学の友人たち、夏生大湖、宇佐卓真のバランスが良い。重要な役柄の女子大生ふたりもピッタリハマっている。太一の祖父役はでんでんで、とても救われたし、航平の母親役の西田尚美は、とても可愛らしくやはり救いになる役。微妙な心の揺れを描いたドラマに、周囲の人たちがバランスよく関わり合って、素晴らしいキャスティングだったと思います。
今回特に目立ちましたが、テレビ東京のキャスティングは他局と比べてかなり秀でています。力関係ではなく、純粋に役に合ったキャスティングが出来ているのでしょうか。その結果、「しょせん他人事ですから」のように小さな役でもしっかりと印象を残している。良い役者がテレ東からこれからもたくさん出るチャンスを頂けるといいです。
「私をもらって~追憶編」のキャスト酷かったですね。主演2名を除いて。制作費がないならないなりに役者は探せばいると思うので、制作の手抜きですね。
タイトル賞 ひだまりが聴こえる
タイトルバック賞 GO HOME 警視庁身元不明相談室
なんか好きで、毎回見るたびに、なんか好きって、それだけです。
「初恋不倫」のタイトルバック酷かったですねぇ。踊るのは何のため? 踊れない役者たちを簡単な振り付けで動かしても、見るべきものが見つからなくて参る。どういう風にしたいのか、まったく意図がない。
音響
「顔に泥を塗る」のドラマ中の音楽の使い方が奇抜なんです。そう記憶に残るのは、当然、ドラマの流れや雰囲気と合っていないこともあるからなのでしょう。面白いと思える部分もないこともない。音楽:中村佳紀 というよりも、演出家の仕業でしょうか。
演出家賞 八重樫風雅(ひだまりが聴こえる)
作品賞のところでじっくり書きます。
次点:宅間孝行(素晴らしき哉、先生!)
海のはじまり、新宿野戦病院、あの子の子ども、も良かった時があるのですが、演出家が数人入れ替わっていたので何とも言えず、どの演出家かチェックすることも出来ず
脚本賞 宮藤官九郎(新宿野戦病院)
アイデアが溢れまくっているのでしょうね。3クール連続で彼のシナリオドラマがあり、どれも上質でした。今回は特に数学的な計算が抜群で、休みない展開が素晴らしいし、役がそれぞれに際立っていた。バランス感覚抜群です。
彼の作品には、表面的な雑な描き方とか遊び、の裏側にいつも社会問題が幾層にもなって訴えられている。演劇とはこういうものであるべきだと思っています。ドラマを使って、社会に訴えたいことを、捻りを加えて描く。出来うれば、見ている人たちがその問題に関心を持ち、近くの人たちと語り合って貰いたい。
アイデアが溢れまくっている時期に、どんどん書いてください。とても上質な作品だけれど、来週が待ちきれない!とならないのが、彼の作品の残念なところではあります。
次点:宅間孝行(すばらしき哉、先生!)あっという間に終わってしまって…すぐに次の作品がありますように
作品賞 ひだまりが聴こえる(テレビ東京)
毎回、声を上げて笑う瞬間があり、ドキドキしたり、ウルウルしたり、胸がワサワサしたり、微笑んだり、とにかく毎回、見ている私の心が動く。これぞドラマです。そして、最終回まで一回たりとも無駄な回がなかった。(出演者みんなで温泉旅行に行くみたいな?)
航平と太一の関係を見ていてBLではありませんように!と途中祈りつつ見続けた。BLというジャンルについては、最初に見たものが悪かったのか、あまり良い印象がないのです。
このドラマをどういうジャンルに分けるのかは分からないけれど、ラブストーリーの要素はたくさん盛り込まれていました。
タイトルが素晴らしく、景色の色が美しく、登場人物の心の微妙な動きがしっかりと描き続けられ、青春と恋愛と友情と優しい風と、そして身障者との付き合い方。
親がいない太一が、祖父と雑な暮らしをしている。裕福ではないのでバイトの掛け持ちをし、それでも友人が多く、とにかく明るく、自然に気配りのできるとても魅力的なキャラクターを小林虎之介が、他には出来ない生きた太一を演じている。
どうしてももう一度見たいシーンがある。どうしてもあのシーンをもう一度見たいんです! こう感じさせる彼は(このドラマは)凄いと思うんです。本当に。
生まれて初めてDVDを購入しようか、今考えているところです。
次点:海のはじまり(フジテレビ)
ブログに以前書きましたが、初回は素晴らしかったです。
この脚本家は、ちょっと無駄が多い。言いたいことがたくさんあるのでしょうが、実際の作品作りは、その山ほどある言いたいことから削除していく作業。無駄を削除していくともっと上質な芝居になります。ただ、別の見方をすると、無駄なところに、笑いとか涙を誘う部分を組み込むことができるのも事実です。
前作では、毎週、無駄ばかりの会話の羅列で疲れましたが、今回は、かなり複雑な重いテーマが中心にあったので、無駄の多さも許せる部分もありました。でも、魅力的なセリフは少ないな。脚本はセリフです。
言いたいことを、平に羅列している感じが強い。だから、回想シーンにいくと、ずーっと回想シーンのままになる。目新しくて、それもありかな?と感じてしまうことも否めませんが、実際は、もう少し立体的なドラマになる方が望ましい。(少なくともその方が高度)その点、今回の「新宿野戦病院」や「素晴らしき哉、先生!」は遥かに優れている。
脚本をこっちに置いて話したいのだけれど、難しい。
初回が素晴らしかったのは、その構成です。話の持っていき方。現代から、突然、昔の知り合いの葬儀、そして知らなかった自分の子どもの存在。
誰かがコントロールしてくれたのか? 誰かのコントロールがなくなると、平坦なドラマになる恐れがあります。
夏くんは、何も悪いところのない被害者であり、絶えず可哀想だなぁと思ったけれど、水季が、選択肢のない質問を出来ないというのはとても素敵だと思う。
重要なことを書き忘れるところでした。このドラマの成功はひとえに、子役、泉谷星奈の存在です。少し前から見るようになったこの子がもっと小さい時、とにかく泣くのが上手で、泣くと全ての大人が引きずられる。まさかこれほどまでにしっかりとした演技をされる子だとは知りませんでした。
次点:あの子の子ども(フジテレビ)
難しいテーマを丁寧に描いた感じがありました。
登場人物たちは、基本的に優しい人ばかりだけれど、ぶつかることも多々あり、最後の落とし所まで(微妙なテーマなだけに)進めていく作業は、丁寧さがあってこそだと思います。
次点:素晴らしき哉、先生!(朝日放送)
初回の生田絵梨花で度肝を抜かされた。テンポと展開が素晴らしかった。初回はとても重要で、やはりそのドラマを見続けるための掴みがあるわけです。その後の流れも、C組のクラスメートを順番に一人ずつ出していくというよりは、バランスよく組み込んで、誰かの話になり、また元に戻り、構成がしっかりしていると思います。
いいドラマは、役者が良く見える。このドラマも例外ではなく、鈴木仁、茅島みずき、高橋克典、萬田久子、柳沢慎吾、葉山奨之、小宮璃央、桐山漣、永井大 等、いつもより素敵に見えました。