吹田市立南千里中学校さんが道徳の授業でスゴロクトーキングを活用されました(2025年4月16日)。
先生、申し訳ありませんが、「サイコロトーク」ではなく「スゴロクトーキング」です。
サイコロトーク(トーキング)はスゴロクトーキングとは異なる別の活動です(とてもよく似ていますが)。
サイコロトーキング
あちこちで活動していると「正保先生のエンカウンター」をいう言い方をされることがしばしばあります。
申し訳ありません。私の活動は「エンカウンター」ではなく「グループワーク」です。
どう違うのか? 「エンカウンター」は「グループワーク」の一部です。そして「グループワーク」は「グループアプローチ」の一部です。簡単に模式的に表すと図のようになります。
なぜそうなるかというと、私が提唱している活動には構成的グループエンカウンターの他、グループワークトレーニング、インプロなどの諸活動が折衷的に取り入れられているからです。ちなみに、「グループアプローチ」にはベーシックエンカウンターやサイコドラマ・プレイバックシアターなどが含まれますが、それらは含まれていません。
「グループワーク」という言い方は今ひとつ訴求性が弱いと考えて、前著(『心を育てるグループワーク』(金子書房))を著したときに「i-Work」という呼称を考えたりもしました。
interactive(相互的)でinteresting(面白くて)でinstructive(ためになり)でintegrated(統合的)な活動という意味です。「これはいい!」と思ったのですが、出版社から「ダメ出し」されて叶いませんでした。Appleが商標登録していたからです。「i-Work」というほとんど使われていないソフトがあるんですね(ため息)。なんとかならないものか…。
なお 『心を育てるグループワーク』には裏表紙に小さく「i-Work」と書いてあります。
2023年4月から茨城新聞【茨城論壇】に連載してきたコラムも今回が最終回です。
グループワークをテーマとして書いてきましたこの連載も今回が最終回です。現在、拙著に基づき、多くの学校で毎月1回、年間計10回のグループワーク授業が実践されています。最終回に当たり、それらの学校の中から茨城大学教育学部付属中学校(実施学年1〜3学年)、水戸第一中学校(同1〜3学年)、藤代南中学校(同1学年)にお邪魔して、生徒さんと先生方にお話を伺ってきました。
まず、生徒さんも先生方も「楽しかった」「もっとやりたい」という声がほとんどでした。生徒さんでは「他クラス・学年全体でもやりたい」「来年もやりたい」「高校に行ってもやりたい(3年生)」という声がありました。友だちが増える、友だちを理解できる、男女の仲が良くなる、などといったことがその理由です。
先生方からも「子どもたちの表情がいい」「人間関係が築かれ、変容していく」「男女の壁がなくなる」といった声がありました。また近年のコロナ禍により経験の幅が限られていた子どもたちの人間関係を拡げることに効果的だったという声も多くありました。さらに中1での実践は「いい中学校生活のスタートが切れる」「小規模小学校出身者が新しい環境になじむのをサポートしてくれる」という声がありました。
また、先生方は必ずしもグループワークの実践経験が豊富だったわけではなかったのですが、水戸一中、藤代南中では実施に先立って先生方対象のワークショップを開催したことが効果的だったようで「紙に書かれたものを読むのと実際に体験するのは全く違う」という声が多くありました。これはいわゆる「グループワークあるある」で「やってみないと分からない」ということです。さらに、先生方からは他の人にファシリテーター役を務めてもらえれば、自身が生徒と一緒に活動することができ、生徒と新しい関係を築いていくことができそうだ、という声もありました。確かにそれは魅力的です。
生徒さん、先生方含めて特定のワークに偏ることなく、多くのワークについて言及がありましたが、意外なところでは、ワークで小グループをつくる際にしばしばトランプを使って小グループをつくり、授業途中でトランプを交換してグループをつくり直すのですが、それが人間関係を拡げる、という思わぬ効用の指摘もありました。
校長先生からは、こんにち、対話的・主体的な学びの推進が求められている中で、グループワークは学びの前提となる協調性を育ててくれるというご指摘や、従来は先輩教員が学級経営力を高めるための経験則を若手に伝えていたが、グループワークがそれをカバーしてくれるというお話もありました。確かにグループワークのファシリテートは正しく「集団指導」なので、結果的に先生方の学級経営力を育てることにつながります。
不登校については欠席状態の生徒さんはそもそも参加できないことが以前より課題となっていましたが、各校共、不登校生徒の新規発生をかなり抑えることができているとのことで、活動を継続していくことで将来的に全体数を大幅に減らすことが可能であると考えられました。
学校は子どもたちが集まる場所です。そこに集まった子どもたちの人間関係をグループワークで活性化することで多くの効果が得られます。4月になるとまた新学年・新学期が始まりますが、「始業式の後にグループワークをしたのが良かった」という声があったことを紹介して、連載を終えたいと思います。
必要があって宮口幸治氏の『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)を再読しました。同書では非行少年の認知機能の問題に着目し、コグトレという方法で認知機能を強化することで非行少年の抱える問題を解決しようとします。その中で、同書第7章(p.146〜)では「ではどうすれば?一日5分で日本を変える」と題して、「朝の会の1日5分でできる」として、以下のような計算式が示されています。一日5分の実施、これを週に4回を1年で32週(1,2学期各12週+3学期8週)=計128回、5分✕128回=640分≒約10時間というものです。
うーん、これはモジュール方式を含む月1回1時間(1,2学期計8回、3学期計2回)、1時間✕10回=10時間の『10時間で学校が変わる!楽しく学べるグループワーク』と発想・所要時間が似てはいまいか。「子どもの心を傷つけない」というところも同じです。
違うのはコグトレがいわゆるプリントによるドリル学習中心であるのに対して、『10時間で学校が…』はグループワーク体験であること。どちらがいいかは一概には言えず、ドリル学習は教室で手軽に行うことができるメリットがあり、グループワークは他者と楽しく関わることができるというメリットがあります。
ただ、書籍の売上実績では『ケーキの切れない…』(25万部)に到底及びません(涙)。別のところで宮口氏は「オビのイラストの衝撃が大きかったんじゃないですかね」と言っておられますが、うーんそれだけかなあ。
茨城県立岩瀬高校さんの総合的な探求の時間でのスゴロクトーキングの様子が、茨城県教育委員会のHPで紹介されていました。
岩瀬高校さんでは2024年5月9日に私も授業でスゴロクトーキングを実施しましたが、写真がその時のものかどうかはわかりません。
ありがとうございました。
石川県川北町立中島小学校さんでスゴロクトーキングを実施していただきました。
さまざまなやりとりの様子が記述されていて、楽しげなようすが伝わってきます。
ありがとうございました。