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茨城大学人文社会科学部正保研究室

研究室の活動を紹介していきます。最新の研修会情報は左カラム上側の「研修会情報」をクリックしてください。

 

 

 

◎グループワークにまつわるさまざまな問題

 

○背景の問題

 私は学校で今頼まれて何かをやるときに、インプロがかなりのウェイトを占めてますけれども、なぜじゃあそれをやるかという背景の問題として、まず不登校とかいじめの長期化、固定化ということがあります。どの学校もこういうことで困っているわけですね。そこではですね、学校の息苦しさがあると思います(図24)。

 言い換えると、それは、私はかかわりの障害じゃないかと思っていますけれど、他者とかかわれないとか、集団に参加できないとか、友達と遊べないという問題を抱えた子どもたちがいっぱいいるわけなんですよね。そういう子どもたちに対してどうかかわるかということなんですけども。

 こんな言葉があります「困った子どもは、実は不幸な子どもである。彼は内心に戦っている。その結果として外界に向かって戦うのである」。これはイギリスの教育学者のニールさんという人が昔言った話ですね。もうちょっと平べったい言葉では「困ったこどもは、困っている子どもである」という言い方をすることがありますね。これは私が若い頃に知り合いの校長先生から聞いた言葉で、胸に刻んだ言葉ですね。困った子どもは困っている子どもであるということですね。みんな自分の中で困っているんだけども、その困り感を外に出して向けてくると、学校の中では困った子どもになってしまうというんですよね。そういう子どもに対して、なんとかしてあの子を手なずけたいとか躾けたいと思って、悪戦苦闘している先生方はいるんですけれども、そこで手なずけよう、躾けようとすると、実は逆効果になるということが結構ありますね。みんなやっぱりかかわれない、参加できない、遊べないということで困ってるわけで、その子どもたちをじゃあどうしたら遊べるようになるのかというところですよね。

 

 それから、今言った「治療者がなすべきことは子どもが遊べない状態から遊べる状況に導くことである」。ドナルド・ウィニコットという、これもイギリスの精神分析学者が言っている言葉ですけども、特にプレイセラピーということを彼は研究してますけれども、ここの大学にも子どもの相談室がありますけども、プレイルームというのがあって、床にカーペットが敷いてあって、壁一面がおもちゃで埋められているという部屋で、その部屋に不登校の子どもを連れて行ったら子どもはどうするかというと、半分の子どもは遊びます。半分の子どもは遊べません。遊べないで、そこで途方に暮れているわけですよね。で、その途方に暮れている子どもを大学院生が実習として入っていって、「じゃあ何して遊ぶ?」と言ってかかわっていくわけですよね。それは遊べない子どもを遊べる状況にしてあげるということ。それはとりもなおさず、かかわれない、参加できない、遊べないという状況を変えていこうとしているわけなんですね。

 

 こういう枠組みの中で、私は学校に対して、じゃあこんなことをやってみましょうかといろいろ提案しているわけですけれども。ここにあげてあるのは、私がよく使っているワークの例としてあげてあります(図25)。

 

 これは、私のブログにアップしてあります。私のブログは検索サイトで正保研究室といれて検索してもらうと大体出てきます。名前を間違えないようにお願いします。私のところにくる手紙の一定数は、生保で来ますけども、ダメですからね。一発で変換したいと思ったら、「しょうほう」と入れると出ます。正保(しょうほう)という年号がありますので、「しょうほう」と入れると、最初は商法が出て、5番目くらいに正保が出ますね。すいません、脱線しました。元に戻します。

 

○楽しむこと

 楽しむということですね。ここは大事ですね。昔買ったイタリア車のカタログにこんなことが書いてあって、「イギリス人は礼儀を、フランス人は料理を額に汗して芸術に高めた。その間にイタリア人が陽気に歌を歌いながら自動車を芸術に高めた」ということが書いてあったんですね。パンフレットの表紙に書いてあったんですけども、非常に好きな言葉でずっと覚えているんですけども。イギリス人は礼儀を、フランス人は料理を芸術に高めた。ただし、それは額に汗して高めたと。イタリア人は自動車を陽気に歌を歌いながら芸術に高めた。まあ、行き着くところは同じなんだけれども、どうせ行くんだったら、汗かいてやるよりも楽しみながら行った方がいいだろうということですよね。ちなみに私が買ったのはこのランボルギーニではないんですけども、結構格好いい車だったんですけどね、良く壊れました。イタリア人が陽気に歌を歌いながら作った車は良く壊れました。(笑)(図26)

 

○楽しくてためになる

 で、楽しくてためになるという言葉を英語で言うと、Interesting and instructiveというふうに普通は言うと思うんですけども、この言い方だと、私は大事な点が伝わらないと思っています(図27)。

 つまり、単なる足し算で考えると、足して合格点とれればいいじゃないかとなっちゃうと思うんですね。例えばinterestingで50点満点中、10点しかとれない課題は、はっきり言ってつまらない課題ですね。でも、その課題はinstructiveという点では、満点取れる課題。で、両方足すと、100点満点で60点取れる課題で、それは良い課題だねというふうになってしまうと、私はおかしいと思うんですね。だって、それは子どもの目線からしたら、やりたくない課題ですからね。そうじゃなくて、interestingで50点中、30点くらい、一応合格点取れる課題、instructiveという点でも、50点中30点取れる課題。interestingであって、and then しかるのちに、なおかつinstructiveである課題であれば、これ、同じ100点満点で60点の課題ですけれども、子どもはまあそっちだったらやってもいいよ、ということになると思うんですね。この、interesting and then instructive. このthenを入れるということがすごく大事じゃないかなと私は思っています。

 

○ほめることについて

 ちょっとそれに関連してですけれども。最近こだわっている話なんですけども。ほめることというのがあって(図28)。

 

 「してみせて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かず」という言葉があって、これ山本五十六が言った言葉だと言ってあちこちで引用されている言葉だと思うんですけども、私、非常に嫌いな言葉なんですね。なぜ嫌いなのかというと、自分が人からこんなことを言われたくないなということですね。「してみせて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、正保は動かず」と言われたら、私はむかつくと思うんですね。誰だってこれ、むかつくと思いますね。こんなむかつく言葉をありがたがってる世間の風潮が私はおかしいと思います。

 でも、これいろんな本で結構引用されてるんですね。特にSSTのテキストの頭のところで出てきます。「SSTの極意を一言で言います。してみせて、言って聞かせてさせてみて〜、これがSSTの極意です」と書いてます。人を馬鹿にしてるわけですよ、頭っから。エンカウンターの本でも最初にこれを書いている本があります。エンカウンターの極意はこれですと書いている本があります。書いている人は、自分が人を馬鹿にしているということに気付いてないわけですよね。ここは非常に問題だと思います。

 

 一方、こんな話があって、「山本五十六さんが『やって見せ~』とよく申されていましたが、仕事は教えるのでも、讃めてやるということが秘訣のようであります」(図29)。

 

 そして次ですね。「讃めるということは、馬鹿な奴をおだてるということではなく、ともに喜ぶことなのであります。」これは、山本五十六さんと親しい交わりのあった禅寺の和尚さんが講演した言葉の中にある訳ですけれども、ほめるというのはおだてることではなくて、共に喜ぶことだということですね。

 ほめるということには価値観が入ってきますね。評価の軸が入ってきて、評価の軸に照らし合わせて、良いとか悪いとかというのがほめるということですね。でもそうじゃなくて、相手と一緒に「やった!」と言って喜ぶ、その感覚が大事だということですね。

 

 こんな話もあって、去年だいぶ話題になった、『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』の東田直樹さんですね(図30)。

 

 「僕がごほうびをもらいたくなかった理由は、指示された行動の結果、ごほうびがもらえるということに抵抗を感じたからです。自尊心が傷ついてしまうのです。この程度でほめられているなんて、僕には永遠にみんなと同じような未来が訪れることはないのだろうと落ち込んでしまうからです」。自閉症の男の子が書いた本の中にある一節ですね。彼はこれを喋ることはできないんだけれども、絵に描いたキーボードにあわせて指を動かしながらだと、これを発音できる。それを本にしているんですね。

 

 今、私支援学校の校長をしていますけれども、定期的に生徒指導委員会というのがあって、そこに出ますけども。この間もある男の子について、ちょっと案件がでてきて、みんなでどう指導したらいいかねという話題になったんですけれども、そこで出た話しでへぇと思ったのは、その彼は中学生の男の子ですけれども、ほめられることを嫌がるんだそうですね。「ほめられると、寿命が縮まる」と彼は言ってるそうですね。ほめられると寿命が縮まる、学校の先生はみんなそれが理解できないわけなんですよね。どうしたらいいんだろう、この子をほめて育てる、伸ばすしかないのに、この子ほめると嫌がるし、ほめられると寿命が縮まると言ってる子に対してどうかかわったらいいんだろうと、先生方は頭を悩ませているんですけれども、私はいや、それはわからなくもない気がすると。たとえば、東田直樹さんはこう言っているし、そもそもほめるというのは実は人を馬鹿にしているというね。馬鹿にしているは言い過ぎかもしれないけれど、おだてて自分をなにか操作しよう思っているというふうに捉える人だっている訳なんですよね。そうすると、やっぱりほめられるということに対して、アレルギー反応を示す子だっているわけで、じゃあどうしたらいいかと言ったら、さっきのほめるほめられるという関係じゃなくて、共に喜ぶという関係を作れるかどうかがポイントだと思うんだけれども、先生方はその子と一緒に共に喜べる関係を作れてますかと言ったら、みんな「うーん、それはちょっと」というんです。じゃあ、そこを作らないと話は先に進みませんよね、という。そんなことをやり取りしたことがあります。

 

○各種のグループワーク

 各種のグループワークをちょっと整理すると、SGE、GWT、インプロ、あとSSTも入れましたけれども、一番下のところだけ見ていただきましょう(図31)。

 

 動機付けですね。SGEは何を動機づけにして成り立っている活動かというと、気づきを深めるということですね。自分について気づきを深めて、ああ自分はこういう人間だったんだ、この人はこういう人だったんだということを理解すると、なんかやって良かったなと思うわけですね。GWTは課題がみんな正解がある課題なので、課題達成してやったー!できた!という動機づけになっていて。インプロは楽しむことだと思います。SSTは人にほめられるということが動機づけになっています。どれが一番良いかは、みなさんのお気持ち次第なのかなと思います。

 

○グループワークの矛盾

 それから、あとちょっと話をあちこち脱線気味に拾って行きますけれども。これ、10年以上前ですけれども、ある高校で子どもたちと人間コピー機の課題をやったときのことですけども。GWT、グループワークトレーニングですね。これはなにかというと、この絵を見えない離れたところに貼っておくので、それを数人で協力して、記憶して配った紙に正確に写してくださいというのがその課題だったんですね。最初はだまし絵的な錯視図形を持って行ったんですけども、その学校の先生に一言で却下されて、「ダメです。うちの子どもたちはこんな絵に関心を持つような子どもたちではありません」と言って。「じゃあどんな絵ならいいですか」と聞いたら、「まあ、車かバイクですよね」と。ちょっとヤンキーのお兄ちゃんがいっぱいいる学校なので、「ああわかりました、じゃあこれでいきましょう。」と言ってこの絵(図32)を持っていって、子どもたちに絵を描かせると、こんな絵が出てくるんですね(図33)。これは結構良いと思うんですけども、こんな絵はひとつだけなんですよね。こういう絵が出てきたり、こんな絵が出てきたり、こんなのが出てきたり、こんなふうに出てくるわけですね。

 

 

絹川 いいですねー。

正保 いいですか? 何がいいですか?

絹川 元があって、それをそこから自分で考えたものがここに出てきているというところですね。

正保 ということを言う人は、学校にはいないわけです。学校だと、これは、ふざけるな、真面目にやれよということになるわけです。

絹川 えー、相当すごい。遊び心もあるし。創造的ですよね。

正保 ええ。今は僕もそう言えますけれど、そのときは途方に暮れましたね。

絹川 すばらしいじゃないですか。

正保 ねえ。

 

 で、車を元にやりましょうと。元絵がこれです(図34)。車、ミニクーパーね、ちゃんと車名まで描いてあったりとかね(図35)。

 

 竹槍がすごい。やっぱりここでも夜露死苦が出てくるとかね。こういう系が出てくるわけですよね。で、ここで友梨さんは「素晴らしい、すごーい」と言っているわけですけれども、「素晴らしい、すごーい」と言うのか、「ふざけてる」とか「馬鹿にしてるのか」というのかが、分かれ道になるわけですね。

 

 グループワークには矛盾があると思うんですね(図36)。

 ゲームやエクササイズは、所定の目的を持って構成されていて、枠に嵌めるという本質的な特徴があります。ところが始まってしまうと、そこで生じることはリーダーの手を離れて、その場のもの、メンバーのものになるわけなんですよね。そこで、今友梨さんが言っているように「わーすごい」とか「素晴らしい」というふうに言わないと、そこから先に続かないわけですよね。そうすると、実施形態として枠に嵌めつつ、場に対して開いていかなければならないという矛盾した構造があるわけなんですよね。この矛盾もわかった上で取り組むということがポイントになるんですけれども、ここを取り上げている本は見たことはないですね。これについて、取り上げている記述を見たことがないですね。いかにして枠に嵌めていくか、嵌らないときは、さらにどうしたら嵌るかというということは書いてあります。

 

絹川 目的がそっちということですね。

正保 そうですね。どうやって、枠のなかに押し込んでいくかということは考えるんですけどね。

 

 

 

 

 

◎グループワークのマインド

 

○オープンマインド

 で、場に対して開いて行くためには、こういったオープンマインドが必要ということになります(図37)。

 予断を持たずに“今、ここ”にいて、あらゆる可能性を受け入れる心が必要だと。そのためには、何が起こるか分からないリスクを引き受けるということ、体験に正解や模範解答はないので、どんな体験にも意味はある。その意味を見つけられる開かれた心が必要だと。リーダーが新しい出会いのファシリテーター・立会人になるという気持ちが必要だということですね。それを測る、まあ「なんでも測れると思うなよ」といわれちゃうんですけども。尺度として作ったらどうなるかなと思って、ワークショップでリーダーが取る行動を、全部で30いくつくらいあげて、それをですね、またワークショップの参加者の皆さんに協力して頂いて、12個にしぼって、因子としては2つですね(図38)。

 自分自身に対してオープンであること、それから、場に対してオープンであるということについて、それぞれ5つずつの下位項目で評定できるかなというふうに、試案を作って、これは今論文にまとめているところです。 (注2)

 

 

 まあ、ちょっと見てみますかね。自分自身に対して自分を隠さないでいるか、ありのままでいるか自分を見せかけているか、リラックスしているか緊張しているか、批判を恐れないでいるか批判を恐れているか。これ自分自身に対して、そのリーダーがどのくらいオープンでいるかということですが、また、リーダーだけじゃなくて、メンバーも自分自身に対して評価してもいいと思うんですけどね。

 その場に対して、今、ここで起きていることに注意を向ける、メンバーをよく観察する、メンバーのペースに合わせる、その場で起きていることに気づく、状況の変化に柔軟に反応する。

 脱線の脱線ですけれども。これが出てきたきっかけは、出てすごく嫌な気持ちになったワークショップがあって、なんでこんなに嫌な気持ちになるんだろうと思って考えて、そのリーダーの特徴を列挙したのが右側の文章なんですね。右側の文章、大体こういうことをやられると嫌な気持ちになるんだなということを挙げて、その反対は何だろうと考えたのが、左側の文章ですね。その日の彼らのブログを見たら、「たくさんの笑顔で満ちあふれたワークショップができました」って書いてあって、そういうところだけ切り取った写真がアップされてましたけども。何を言っても無駄だよなと思って、何も言ってないんですけども。でもその人たちは、今も活発に活動していますね。私も怒って、当時書いてたブログでね、今日はこんなひどいワークショップに行ったと名前を挙げずに書いたというのが、それが回り回って向こうに話が行ったみたいで、謝罪のメールがきました。すべて言い訳でした。そんなつもりで言ったんじゃない、そんなつもりでやったんじゃない、というメールがきました。

 

○グループワークを支える3つのマインド

 脱線してばっかりなんですけども、心を育てるグループワークを支える3つのマインドということで、1つは、まず信じるということですね(図39)。

 

 子どもの中には成長への力があると信じるということですね。根拠はないですよ、根拠はないけれど、信じなければ始まらないわけですよね。それから楽しむこと。楽しむことによって、外に現れていない成長への力が解発されて、そこから出発するんだということですね。ただ、それがどこへどういう方向へ向かっていくかはわからないですから、開く必要があると。そこで起こることをすべて受け入れる必要があるということですね。これを持って、なんとかやっていけるかなというふうに思います。

 

○「ボウシ」

 そして、最後ですね。なんでこんなもの(図40)が突然出てくるかというと、星新一の短編小説に「ボウシ」というのがあって、どういう話かというと、ミーラ星人という宇宙人が地球にやってきました。で、ミーラ星人は地球に何かめぼしいものはないかなと思って、あちこち見てまわったんですけれども、みんな自分の星から見たら、どこにでもあるようなものでつまらないな、帰ろうかなとしていたときに、ある手品師のおじいさんが家で練習をしているのを見つけました。手品師のおじいさんは、全然売れない手品師なんだけど、帽子から何かを取り出すという手品が売り物の人で、これしかできないからと今日も練習をして寝ようかと思って練習をしていた。その様子を窓の外からミーラ星人が見ていて、彼らは驚愕したと。なんでも取り出せる装置を持っているおじいさん、というふうに彼らには見えた。なんとかしてあの帽子を手に入れようとして、結果的には腕ずくで帽子を取って、彼らは円盤に乗ってミーラ星に帰りました。という話なんですけども。

 

 もちろん、みなさんはお分かりですけれども、帽子がすごいんじゃないんですよね。おじいさんの技がすごいんですよね。帽子だけ手に入れて、なんとかすればウサギが出てくるわけはないんですよね。ところが、インプロとか、それからその他のグループワークをやっていると、ときどき勘違いする人が出てくる。エクササイズがすごい。エクササイズをやれば、何かが得られる、なにか結果が付いてくる、と思ってしまう。でも、それは確かにそういう面もあるんだけれど、実はやっている人がどれだけさっき言ったようなオープンなマインドで、相手とかかわってそこで起こることをうまく引き出していくかによって得られるものが、実はワークショップの素晴らしさなんですよね。そこを理解しないで、エクササイズだけやればうまくいく、で、みんな喜ぶ。喜んでいったい何がいいのかといったら、結局自分の価値を高めることに返ってくわけですよね。「これだけやって、みんなこれだけ盛り上がってる、それやってる俺ってすごくない?」という想いでやっている連中は結構いるように私には見える。誰だって人間、自己愛がありますから、そういう思いがあっていけないとは言わないですけれども、そこに溺れてしまうのは、私はおかしいんじゃないかなと思います。

 私たちが手に入れなければいけないのは、帽子じゃなくて、技だということですね。で、その技というのは、そんな簡単に手に入るものではないと私は思いますが、どうでしょうか。

 

(終わり)

 

さらに詳しくお知りになりたい方はこちらを。

 

 

 

9月4日(金)に久しぶりに水戸第三高校でグループワーク授業(絆作りプロジェクト)をしました。これが第3回目です。

今日は身体表現とイメージ。

5人1組の「仕事ジェスチャー1人バージョン」で身体表現を。

そこから「2人バージョン」に移行して他者との連携による表現へ。

さらに「彫刻ネーミング」を経て、最後は「私は木です」でみんなでイメージを共有した身体表現へ。

率直に言ってとても盛り上がりました。グループ分けをカードで人為的に作れるのもこの学校の強み(それができない学校が多いのも事実)。

みんなの笑顔が溢れました。
もう一つ「溢れた」のは今日の暑さ。クーラーのない格技場で4時間で計8クラス約300名に授業をするともうフラフラ。アシスタントの学生3人含めて、学校側から一人当たりペットボトル計3本の差し入れがありました() アシスタントのみんなもお疲れ様。

 

○仕事ジェスチャー一人バージョンは写真がありません。

前回(7月10日・第2回)実施したおもちゃジェスチャー、家電ジェスチャーなどの延長線上の活動です。

 

○仕事ジェスチャー・二人バージョン

二人で協力して仕事(職業)をジェスチャーで表現します。

二人の連携がポイントです。

 

○彫刻ネーミング

意味のない一対の「彫刻」に観客が意味=タイトルをつけていきます。

 

○彫刻ネーミング

 

○私は木です

 

○私は木です

 

始めに説明の際、担任の先生に「木」をやってもらって、そこにアシスタントが入って説明しました。ここで担任の先生が入ってくれると生徒たちのモチベーションが3割方上がります(笑)

ノリのいい先生方に感謝です。

 

 

水戸三高ではあと2回授業が予定されています。

計5回ということになると、結構豊かな内容を盛り込むことができます。

残り2回が楽しみです。

7月14日に茨城県立大洗高校でグループワーク授業をしました。

今回行ったワークは先週の水戸第三高校と同じ、手合わせ、聖徳太子ゲーム、おもちゃジェスチャー、家電ジェスチャーの4つです。

手合わせは、やはり、始めに2人組、4人組とやった後、他のワークを挟んで、最後に全員で実施しました。

スクールカラーの違いもあり、全く同じように、という訳にはいきませんでしたが、どの授業でも生徒たちの笑顔をたくさん見ることができました。

また、校内でもクラスによるカラーの違いがあり、トランプによるグループ分けは1クラスのみでの実施となりました。

 

これで今年度夏休み前の高校でのグループワークは一旦終了です。ふう。

 

聖徳太子ゲーム

 

おもちゃジェスチャー

 

おもちゃジェスチャー

 

おもちゃジェスチャー

7月10日に水戸第三高校で第2回のグループワークを実施しました。

コロナ休みに入る前の4月10日以来の授業です。

実施したワークは手合わせ、聖徳太子ゲーム、おもちゃジェスチャー、家電ジェスチャーの4つです。

手合わせは始めに2人組、4人組とやった後、他のワークを挟んで、最後に全員で実施しました。

グループは基本的に4人1組としましたが、ワーク毎にトランプのカードを引き合って同じ数字で新しい4人組を作りました。

トランプで組み合わされたどんな相手とも笑顔でワークができるのは人間関係力に余裕があるからできることです。これは素晴らしい。中高生年代ではなかなかできることではありません。

8クラスを2クラス合同で80人ずつ、計約300人に対する実施となりました。

さすがに最後は疲れました(^_^;)

 

聖徳太子ゲーム

 

おもちゃジェスチャー

 

おもちゃジェスチャー

 

手合わせ(全員で)

 

6月9日の第1回授業に続いて6月30日、7月7日の両日、筑波高校で第2回、第3回のグループワーク授業を行いました。が、今回は前回とは違ってかなり厳しい結果となりました。生徒たちの反応は鈍く、予想(期待)とは異なる動きが多く見られました。

6月30日の第2回授業でその傾向は顕著だったので7月7日の第3回授業では少し対応を考えたのですが、ほとんど効果はありませんでした。

理由は明快です。人数が多すぎました。

第1回はクラス別の活動だったのですが、第2回、第3回は学年合同の形になりました。グループワークの実施法について貴重な示唆を与えてくれる体験となりました。

グループワークを実施する際は、「何をするか」よりも「誰とするか」が大事、と何度も強調して来ましたが、今回得た教訓は「何人でするか」もとても大事、ということでした。

肝に銘じます。

 

 

おもちゃジェスチャー

 

おもちゃジェスチャー

 

彫刻ネーミング

 

トラブル発生

 

入学はしたものの、誰とも会えない1年生向けのグループワーク授業をTeams上で実践しています。第6回授業(最終回) は「ポジティブ人生相談所」です。

 

「ポジティブ人生相談所」はオリジナルネタの授業ですが、単純に言うとリフレーミングを主題とした内容になります。

予め学生たちに自分の短所やそれに関する相談事を3点送信してもらいます。

ここで短所とは性格または行動習慣に関することで、身体的特徴や能力に関することは除くこととします。送られてきた短所は無記名でシャッフルして一連の「相談事」として数件のファイルにまとめられます。学生たちはチャネルに移動して3人でグループになり、「ポジティブ人生相談所」の相談員となりますが、そこへ先ほどの相談事のファイルが送信されます。彼らは徹底してポジティブシンキングの相談員で、どんな相談事もポジティブに解釈してあれこれ言い合い、最後は「こんな相談は相談に値しない!」と言って棄却してしまいます。その際に、彼らが参照するのが「ネガポ辞書」です。「ネガポ辞書」ではさまざまなネガティブな言葉がポジティブに変換されています。ポジティブ人生相談所の相談員はこのネガポ辞書を参考に相談に対応することになります。

ポイントは、各相談所に送られた相談事のファイルには彼ら自身が書いた相談事が紛れ込んでいる、という点です。しかし、学生たちには「自分が書いた相談事を他の相談員に絶対に悟られてはならない」という指示もされています。相談員である学生たちは否応なく、自分の「短所」に視点を変えて向き合うことになります。

グループはやはり3人グループだった第3回の授業時と同じメンバーとし、相談所の営業時間は30分間としました。下の感想にもありますが、以前一緒にワークをやったメンバーとチャネル上で再会できたことも嬉しかったようです。

 

心理学的には「自己受容」に関する内容で、授業ではコンプレックスに関する解説も併せて行いました。ちなみにこの授業は本来計8回のクオーター制授業ですが、初回がガイダンスにとられたのと、毎回の授業時間を90分から100分に延長して休校期間の1回分を吸収したため6回で終了となりました。 本当ならもっと実施したいワークもあったのですが残念です。

 

〔感想〕

・以前のグループのメンバーと再び活動できたのが良かった。(複数有り)

・みんな似たようなことを短所にあげていたことが興味深かった。

・どう考えても短所だとしか思えなかった自分の性格を他人が長所に言い換えてくれることで、考え方に新たな発見があったし、自分のことをありのままに受け入れてみようかなと思えた。

・この言葉は絶対にポジティブに変換できないだろうと思っていても、ほかの人の意見を聞いていくとすごくいい言葉に変換できていたことが面白かった。

・自分が書いた短所があっという間に解決されたとき少し気持ちよかった。

・自分の短所は優柔不断で人に流されやすいところだと思っていたけれど、ポジティブに考えると慎重に行動できて、周りに気を配ったり空気を読めるという面が認識できて面白かった。

・他のメンバーに自分の短所がわからないように自分で解決策を発言した。そのため、自分の短所をどうすれば克服できるのか知ることができたのが良かった。

・活動をしていたら急に一人のメンバーが黙った。その時は気が付かなかったが、もしかしたらその人自身の短所だったのかもしれない。私がポジティブな側面を言うと、納得の反応とともに安心感が混ざった笑いが起こった。自分の考え方が役に立ったのなら嬉しい。

・影があるところには光がある事と同じように、ネガティブな部分があるところには、ポジティブな部分もあると考えた。

・良いところも悪いところもありのままの自分だから自分に自信をもって生活しよう!と強く思いました。

・自分の嫌いなところも受け入れて生きていこうと思えた。

・今度バイトの面接で使ってみようと思う。

・心理学という学問を遊びを交えながら教わったことで、自分の中で心理学はこのような活動に生かされているんだなと肌で感じることができて、今後心理学を学ぶことにとても興味が湧いた。

・慣れてきて楽しく受講できてきた頃に授業が終わってしまって悲しい。

 

◎「今日の授業は楽しかった」得点 4.66(5点満点)

「今日の授業はためになった」得点 4.77(5点満点)

 

ポジティブ人生相談室

 

 

ものの見方に関する枠組み(フレーム)に関しては「ボケて」のガッチャマンの絵を解説の例に使わせていただきました。

 

前回授業【オンラインで結婚の条件】

 

 

 

 

茨城県立佐和高校2学年(約240名)でグループワーク授業でした。

先週の1学年に続いての授業です。1学年とは内容を全く変えて、2クラス合同の授業を3時間行いました。


手合わせ(2人組、4人組)。聖徳太子ゲーム。上下ドン!(ハイ、イハ、ドン!)、木とリス、手合わせ(全員)。軽い身体接触(手合わせ等)があるので手指消毒をしてから実施しました。

 

始めのクラスでは上下ドン!をやってから聖徳太子ゲームという流れでやったのですが、生徒さんのノリがイマイチなので順序を入れ替えました。効果はてきめん。聖徳太子ゲームの効果は強力です。構造が簡単なこと、個々にやることがはっきりしていること、全員参加なこと、正解があってゲーム性が高いこと、課題がどんどん続くこと、などが理由かな。全体としては、みんなでかかわりながら、そのかかわりを楽しみつつ一体感を感じることがテーマです。50分ぴったり。

 

ワーク終了後は私から、仲いい友達とのC(コンフォート)ゾーンを越えて、L(ラーニング)ゾーンに踏み出すと、少し抵抗あるかもしれないけど、もっと楽しい世界が待っているよね、という話をしました。


夜、学校の先生から送られてきたメール。
「生徒たちの「めっちゃ楽しかった!」という言葉をたくさん聞けて、とても嬉しかったです。表情も明るくなった気がします。クラスの絆が深まるきっかけになることを確信しました。」
良かったです。

 

手合わせ(少人数)

 

聖徳太子ゲーム

 

上下ドン!

 

木とリス

 

手合わせ(全員)

入学はしたものの、誰とも会えない大学1年生向けのグループワーク授業をTeams上で実践しています。

第5回授業は自己主張がテーマの「結婚の条件」です。「容姿」「収入」「人柄」「愛情」「健康」「知恵」の6つに結婚相手の条件として重要なものに順位をつけ、さらにそれをグループで話し合ってコンセンサスを得ます。

 

まず、一人の状態で順位をつけます。その後、全部で7つのチャネルに分かれそこで話し合いをし、最後はまた戻って来て結果を全体で報告・共有します。1グループの人数は通常は6人程度ですが、今回はオンラインであることを考慮し、1人減らして5人としました。各チャネルでの議論はとても活発なものになり、当初話し合いの時間は20分として始めましたが、各チャネルを巡回したところもっとかかりそうなので延長し、最終的に40分となりました。自己主張とはいいながら、相手を言い負かすことが目的ではなく、むしろ他者の考えを聞くことが重要で、「自分の考えはどんどん変えていい」と始めに強調しておいたことも影響したかもしれません。

 

最後は、各グループからの報告を画面共有をしながら表に入力し、目についた結論についてその理由などを問いかけてグループの代表者に発表してもらいました。

 

教師側の感想としては、対面の授業ではこの課題の討論にかける時間は30分が標準的ですが、予想としてはむしろ短くなるのではないかと思っていましたが、それよりも長くなったことが意外でした。前回の授業(6月11日報告)でやりとりを交わす細かなワークを積み重ねていたことが良い準備になっていたようでした。また、人数を少なくしたことはよかったと思いました。オンライン上で6人以上でディスカッションをするのは難しそうでした。「愛情」が第一、というグループが多かったと思いますが、各グループの結果をまとめたファイルを消してしまったのが残念です。今日の授業ではこのワーク1件です。学生の「対面でこの授業を受けたかった」という感想が考えさせられました。

 

授業も段々終わりに近づいています。

 

〔感想〕

・今までの中で一番面白く、話も盛り上がった。女性との真面目な意見交換も今まではあまりしたことなかったので、新鮮でした。(男性)・今までで一番楽しい授業だった。結婚もそう遠くないことな気もするのでこういうことがみんなと話せて楽しかった。・大体みんな同じ順位になるだろうと思っていたけれど、グループメンバーそれぞれ大幅に順位が違っていて、人によってこんなにも違うのか、というところが面白かった。・なかなか意見が一致しなかったので議論が白熱した。・途中どうすればよいのかわからず皆黙ってしまう時がありました。でもそんな中色々考えて発言してくれる人がいて、こんな人になりたいなと心から思いました。・皆で恥ずかしがりながらも、「愛情が一番!」と言い合うのが楽しかった。・とても盛り上がりました。対面でもう一度やりたいくらい楽しかった。・やはり実際に対面でこの授業を受けたかったと感じた。・はじめて自分からまとめ役になれた。・毎回面白く、もう終わってしまうのかと本当に残念です。最後まで楽しみたいと思います。

 

◎「今日の授業は楽しかった」得点 4.67(5点満点)

 「今日の授業はためになった」得点 4.72(5点満点)

 

前回授業【オンラインでインプロ】

 

 

 

 

2020年6月16日。茨城県立佐和高校1学年(240名)でグループワーク授業でした。未報告の水戸三高も含めて今年4校目になります。佐和高校では自宅待機期間中にオンライン授業でビデオメッセージを2回送るなどしていたので、生徒たちからすれば「初対面」という訳ではありませんでした。内容は各校同じ風船ゲーム、一歩前へ!、スゴロク・トーキング(自宅待機ver)です。コロナ対策もあり、今年はこれがテンプレートです。前回(筑波高校)の失敗を反省して英語verも持っていったのですが、今回は需要なし。2クラス合同で80人ずつの授業を3回繰り返しました。人数が多くて大変でしたが、みんなとても積極的で楽しく授業ができました。学年担当の先生方からも、「一度やっている様子を見れば、こうやればいいんだ、というのが分かる」という声がありました。先生方の実践がどんどん広がってくれると嬉しいです。