DFAについて調べにLAに来ております。DFAのクライアントだけでなく、社内の方々にもインタビューをしたり、雑談を通じていろいろと教えてもらっているのですが、戦略だけでなくマネジメントについてもDFAはきわめて独自・特殊で秀逸な会社であることを再確認できました。


この日はHRのマネジャーの方々とのインタビューがありました。金融の会社とは思えないような考え方と施策で組織が動いています。



Juliet Leeさん(Vice President, Human Resources)


先日東京でもお話しする機会があったDavid Butlerさんとのインタビューはビデオのシューティングが入りました。



オフィスの中にスタジオを仮設。この辺の段取りは日米共通。





例によってハゲ頭が乱反射しないように簡単にメイク。




このインタビューはそのうちに公開される予定です。

今回のLAでの仕事の目的のひとつはRIA (Registered Investment Advisor)の経営者やFAに、顧客の視点で見たときのDFAの特徴や競合他社との違いについてインタビューをすることであります。DFAはinstitutionalとretailのビジネスが半々ぐらいで、後者はかなり絞り込んだRIAを通じてエンド・クライアント(=個人投資家)に商品を提供しています。


で、いくつかのRIAを訪問して経営者の方々と議論をすることができました。そのひとつがビバリーヒルズのLourdMurrayというRIAです。






LMはわりとビバリーヒルズ・ビバリーヒルズしたファームで多くの映画やスポーツの世界で成功した人々を多くクライアントに抱えています。お話を伺ったのは創業経営者のBlaine Lourdさん。


この方がその方。


Lourdさんは会って話をすれば一発で分かる「叩き上げ」オーラが出まくっている経営者でした。RIA/FAの立場からすれば、DFAが開発・運用する商品そのものよりも、リレーションのあり方のほうが重要な価値の源泉になるということがよくわかるインタビューで勉強になりました。なによりもLourdさんの深みがある人格に強いインパクトを受けました。年季の入ったその道のプロに共通する何かは古今東西変わるものではございません。


で、次の向かいましたのがAbacus Wealth Partners。LourdMurrayはわりと伝統的な感じでしたが、Abacusはかなりぶっ飛んだ先鋭的なRIAです。創業者が"It's not about the money"とか"The cure for money madness"という本を書いているぐらいでありまして、「カネよりも人間らしい健全な生活。カネにわずらわされない生活を送るためのアドバイス」がコンセプトのわりとローテンション系RIAでした。



こちらがエントランス。レセプションの女の子がファンキーな人で、オーガニックなカフェラテをいれてくれました。




それほどおおきくないオフィスなのですが、いたるところにグリーンが。




Abacusというのは日本語で言うと算盤のことです。写真ではよくわかりませんが、木製の大きな算盤が壁に飾ってありました。アナログでオーガニック。





スタッフは奥の方のように立ったままデスクに向かっている人が多かった。




そのコンセプトからしてなるほど…なのですが、ヨガの専用ルームがオフィスにありました。東洋的な価値観を持っている方が多いらしく、FAの広告をアメリカの仏教専門雑誌にだしているそうです。




こちらがインタビューをした経営者のJD Bruce氏。「カネに縛られる人生は最悪!カネはどうでもいい。アドバイザーに任せたほうがイイ。そこに僕たちの仕事がある」。イイね!


これがヒジョーに面白い人で、インタビュー中、こっちはソファーに座っているのですが、ずーっと小さなスケボーのようなものに乗って部屋をあっちに行ったりこっちに行ったり、くるくるスピンしながら話をするんですね、ええ。「動き回っているほうがリラックスしてアタマがよくまわってイイ議論ができるから……。当然ですけど、当たり前ですけど」とのことでした。

ちょうど昼ごろだったので「サンドイッチでも食べてく?」ということになり、社員の皆さんと一緒に給食のオーガニックなサンドイッチをいただきました。この会社は給食があるのもイイ感じ。



JDのオフィスの窓際にはこんなサインボードがありました。

DFA (Dimensional Fund Advisor)という会社についての調査でロサンジェルスはサンタモニカに来ています。


LAということでハリウッドのシャトー・マーモント(映画"Somewhere"の舞台になった古いホテル)に宿をとりたいとも思ったのですが、今回はDFAのオフィスからワンブロックのフェアモント・ミラマーに泊まります。シャトー・マーモントは遊びできたときのためにとっておくことにいたしましょう。




フェアモント・ミラマー



ここもイイ感じでLA。プールもあります。入らないけど。


ホテルキャリフォルニア感のある客室廊下を通って徒歩3分のDFAのオフィスへ。



こちらがDFAのサンタモニカオフィス。




DFAのオフィスの中。LAならではのヌケ感があります。NYとLAだったら、僕は断然LA派。テンション低くてイイね。





早速デスクを用意していただきました。ここを拠点にしばし仕事をいたします。


オフィスはオーシャン・アベニューにありまして、窓からビーチが見えます。ローテンション。


サンタモニカの桟橋も至近でございます。


これは本腰を入れている仕事でして、桜田淳子(来て来て来て来てサンタモニカ)のようなわけにはいきません。さあ、やるぞ!



結成30年になんなんとするBluedogs。夏のライブを渋谷Take Off 7でやって参りました。リーダーのターチ(河村部長)が業務多忙のためしばらくライブをやっておりませんでしたので、実に1年数ヶ月ぶりのライブと相成りました。


アマチュアバンドのわれわれのコンセプト、それは「やっているほうが一方的に気持ちよくなるバンド」。観に来てくださるお客さまのことを「犠牲者の方々」とお呼びしております。久しぶりでしたので、無人ライブになるおそれもありましたが、お友達の皆さまや一橋ICSの学生の方々など、多くの皆さまの犠牲のおかげで、1時間のステージで気持ちよーくさせていただきました。


























あー、キモチよかった!




石黒さんと平野さんもおいでくださいました。



で、今回もイカしたロックンロールバンド、Suspicious-Jennyとのジョイント・ライブでございます。



Suspicious-Jennyの方々(楽屋にて撮影)。





たしくんのロックンロール・ギター、最高でした。音がイイ! ヴォーカルのユウちゃんの歌がものすごく上手くなっていたのにビックリ。





そしてベースはご存知、横山友一郎師匠。相変わらずヒジョーにお上手でした。



以前よく出演していた恵比寿のLive Gate Tokyoが使えなくなってしまったので、しばらくはここ渋谷Take Off 7を拠点に活動していきたいと思います。次回、冬のライブもひとつご贔屓にお願い申し上げます。

投稿写真

リハーサル終了。テイクオフ7はヴォーカルモニターがよく聞こえてやりやすいですね。いよいよ本番です。


投稿写真

渋谷のテイクオフ7で久し振りのBluedogsのライブ。リハーサルの前にリポD飲みました。スーパーというのをおごりました。


Benesseが日本で導入・運営しているUdemyで「楠木建の『経営者たちのストーリー』」という番組シリーズをつくっております。今回の収録も麹町スタジオ。ゲストは星野リゾートの星野佳路さん。

星野さんといえば「競争戦略大将軍」。僕は競争戦略という分野で仕事をしているのですが、星野さんの経営は戦略の本質を考える上で実に美味しいネタの宝庫。美味しすぎるといっても過言ではございません。

今回も深イイお話を収録することができました。


楽屋に入ります。


のんびりと出番を待ちます。この部屋は喫煙可でした。


星野さんは勝手知ったるお相手でありまして、打ち合わせはごく簡単に10分ほど。




収録が始まります。キャスターはいつものように進藤昌子さん。


カメラを回しているときは音の関係で冷房を切るので暑くなります。


進藤さんとのエンディングを収録して・・・


お疲れ様でした! 


星野さん、進藤さん、ありがとうございました。そう遠くないうちにUdemyで無料コンテンツとして公開されますので、ご興味ご関心のある方はぜひご覧ください。


コイシツ(しつこい)なお誘いで恐縮です。

僕の所属しているロックバンド、Bluedogsが久々にライブハウスに出演します。ライブの要領は以下の通りでございます。

日時:2015年7月11日土曜日 16:00開場、16:30開演、17:30終了の1時間のステージ

場所:渋谷テイクオフ7 (渋谷区宇田川町32-12アソルティ渋谷B1F)
地図はこちら

対バンは毎度おなじみのSuspicious-Jennyの皆さんです。Suspicious-Jennyのステージは17:40-18:25。

当日券は2500円、プラス500円の飲み物をお買い求めいただきます。「たまには70年代モノのロックをデカい音でナマで聴くのもいいじゃないの」という寛容な方がた、ひとついかがでしょうか。楽しいですよ!(←少なくとも僕にとっては……)

二十数年来の盟友にして先輩の米倉誠一郎大兄と、トークショーお楽しみ会をやる機会がありました。

代官山の蔦屋は噂には聞いておりましたが、行くのははじめて。噂どおり、なかなかよろしゅうございますね。

まずは、打ち合わせと称して蔦屋書店2回のカフェで無駄話に次ぐ無駄話の明け暮れ。


おかげさまをもちまして満席になりました。蔦屋のみなさん、ありがとうございました。


米倉さんとの仕事、昔から僕にとってはいちばんリラックスしてできるいちばん楽しい仕事でありまして、この日も心の底から愉しませていただきました。米倉さんとは意見が合わないのですが、気が合うのです。で、結局のところは結論も合う。(上の写真はいらしていたお客さまのFacebookから借用いたしました)。


で、終了後にサイン会。



昔々にゼミの学生だった牧陽子さんもお顔を見せてくださいました。


あー、楽しかった。読者の皆さま、引き続きごひいきにお願い申し上げます。



「競争の戦略」という分野で仕事をしておりまして、ここしばらくディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ(DFA)という、米国はオースティンに本部がある資産運用会社について、わりとつっこんだ調査をしております。金融や投資や資産運用の業界は、僕の分野からするとあまり面白みがないので、これまでそそられる会社はごく少なかったのですが、ひょんなことから知るに至ったDFA、この会社は「優れた戦略ストーリーの生きた標本」といってもイイほど面白すぎる事例であります。これだけでご飯3杯はイケるという上玉中の上玉、この際腰を据えて考えてみようという気になり、いろいろと勉強しております。

で、先日のこと、日本の投資業界の方々に向けて、これからの資産運用のあり方についてのDFAの独自の考えを伝えることが目的として、東京国際フォーラムにてDFAが「ディメンショナル・インベストメント・フォーラム」という大規模な集いを開きました。これに僕も登壇させていただきました。

で、ファイナンス理論の研究者と密接に協働していくというのがDFAの特徴のひとつでありまして、このフォーラムにもDFAに協力しているファイナンス分野の科学者がたくさんいらしていました。これがどうしようもないほど豪華メンバーで、ノーベル賞を受賞したロバート・マートン先生&マイロン・ショールズ先生をはじめ、シカゴ大学のジョージ・コンスタンティニディス先生やジョン・グールド先生などが一堂に集結。ファイナンス分野に無知な僕でも知っているような大御所が大勢登壇なさいました。同僚のファイナンス学者の本多さんも登場。

で、僕だけがファイナンスの埒外。しかも、こうした大科学者とは違って、一応大学に所属はしておりますが、僕のやっているのは「科学」ではありません。この違和感をどう説明しようかと思ったのですが、とりあえず聴衆の皆さんには「お集まりのファイナンスの先生方がオリンピックの金メダリストだとすれば、僕はプロレスラーですので注意してください」と申し上げておきました。

で、ただのチンピラ学者の僕にとってはまことに光栄な経験だったのですが、さすがに緊張したのはフォーラムの前の準備段階でのディスカッション。フォーラムの本番は午後からだったので、午前中に登壇者が集まって事前の話し合いを行いました。で、僕が待ち合わせの場所に行ってみると、すでに議論がガンガン盛り上がっていました。

で、DFAのジョン・アルカイヤさん(この人が僕にDFAの面白さを気づかせてくれた恩人)が、「あー、ケンさんここの議論に参加してくださいね」と部屋に入れてくれたのですが、入ってみるとマートン&ショールズのノーベル・コンビがワンワンやっていらっしゃるんですよ、これが。僕はミーハーにも「おー、これがマートン先生とショールズ先生その人か…。生きているノーベル経済学者と話をするのははじめて、ラッキー!」と思ったのもつかの間、ショールズ先生がチンピラ学者(←俺)の目を見据えて、「で、キミはどう思う?」とおっしゃるんですね、ええ。

このときはさすがに「むむむ・・・」とばかりに言葉がすぐに出てこなかったのですが、ここで怯んではチンピラ・プロレスラーの名が廃ると気合を入れて、手前勝手な意見を申し述べました。若干の汗をかいたことをここにご報告いたします。

で、事前のミーティングも終わって、本番となりました。僕の出番はDFAのデイヴィッド・バトラーさんとの対談で、業界におけるDFAの独自の戦略がテーマでした。


チンピラ学者ぶりをいかんなく発揮。



デイヴィッド・バトラーさん。これまでヴィデオ会議では話したことがあるのですが、実際にお会いするのはこの日が始めて。僕の身長は182センチなので日本人としては背が高いほうなのですが、彼は206センチ!若いころは有名なバスケットボール選手だったそうです。




深くてイイお話を伺いました。


で、終了後はディナーがありました。


ショールズ先生。「写真をとってもよろしいですか?」と聞いたら、「1枚100円ね!」。ずーっと冗談ばかり言っている、以外にも軽いストロークの方でした。



マートン先生(左)とDFAのCo-CEOのエデュワルド・レペットさん(右)。マートン先生はヒジョーに話が長い方で、そのスピーチの深さにシビれました。ゴッドファーザーの映画に出てくるようなボスの風格。レペットさんはDFAにはいる前は宇宙工学の科学者だったそうです。


シカゴ大学のアビー・スミス先生。この方の実証研究は、学者の鑑というべき素晴らしい業績で大レスペクト。ご本人から研究についてのお話をわりとじっくり伺ったのですが、その悠然たる語り口に感動しました。


オリンピック・ゴールドメダリストの方々にお目にかかるという貴重な経験。いやはや勉強になりました。科学といえども芸術的。目が澄んでいる。

「俺はこれからもプロレスの道でやっていくぞ!」という意を新たにしたチンピラ学者の一日でございました。