「後ろ傷」東 直己 | Grog is not a frog

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2007年01月15日

東 直己という作家が好きである。ご存じない方のために簡単に紹介すると、東 直己は北海道在住の作家で、札幌を舞台としたハードボイルドを多く書いている。

主なシリーズものとして
・ススキノの便利屋「俺」を主人公とした、便利屋シリーズ
・私立探偵畝原を主人公としたシリーズ
・元やくざの榊原を主人公としたシリーズ(2作)

がある。

そのほかにもいくつか書いているが、その中に便利屋「俺」シリーズの番外編として、4作目の「駆けてきた少女」を高校生の松井省吾を主人公とした視点で書いた「ススキノ・ハーフボイルド」がある。

この「後ろ傷」は、その松井省吾を主人公とした2作目。省吾は合格確実のはずの北大受験に失敗し、北海道で最も「偏差値の低い」私立大学・道央学院グローバル大学(通称グロ大!)に入った。進学校で頭の良さを鼻にかけ、世の中を斜めに見ていた主人公だが、受験に失敗して周囲から浪人を進められたのに、グロ大に入ってしまう。だが、周囲に馴染めず鬱々とした日々を送っていたある日、同校の生徒がヤクザに暴行を受けている現場に遭遇してしまう…。

こうして事件に巻き込まれた主人公は、以前知り合った便利屋と、わけのわからないままに事件にかかわっていく。

この省吾、本を読んで知識はあるつもりなのに、ぜんぜん役に立たない。そんな省吾を便利屋がサポートしていく。

この便利屋、口が悪く(警察や公務員、政治家をいつもぼろくそに言っている)、いかさまトランプ賭博で小金を稼いだりする、飲んだくれの中年親父なのであるが、おせっかいで愛すべきキャラクターなのである。

まだ東 直己を読んだことがない方は、とりあえず便利屋シリーズの「探偵はバーにいる」「バーにかかってきた電話」あたりから読んでみて下さい。面白いです。