タイ東北スリン県へ里帰り。オーガニックファームでサトの味見 | シャムの連絡網

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皆様こんにちは。

今回はスリン県滞在中にお伺いした有機農園Satom Organic Farm(せートムオーガニックファーム)についてお伝えします。

スリン県は象の他にもジャスミン米の生産地としても知られております。特にホ厶マリという香りの良い種が有名で、私がスリン県を訪れた少し前の10月下旬から11月上旬が稲刈りのシーズンとなります。こちらのセートムでも11ライ(1万8000平米)という広大な田んぼでは様々な種類のジャスミンライスや餅米が作られております。またサトというタイのライスワイン(米を原料とした醸造酒)を作っており、今回は一通り見学させて頂きました。因みにセートムとは"小川沿いの田んぼ"という意味だそうです。

今回ご案内頂いたステーンさん(右)です。

到着するとステーンさんから“ここ数日間は日本人の訪問が連続していて嬉しい”と言われました。

私達はこんなスリンの田舎まで日本人が訪れていることに驚きました。でも以前はコロナ中に日系旅行会社が開催したウェビナーでも紹介されたこともあるので、タイ在住の日本人の間でも徐々に知られているようです。もう少ししたら日本からの大学生グループ15人ほどがファームステイに来ると言ってました。

まず案内して頂いたのがジャスミン米の加工現場です。タイのスーパーでも見られますが1キロ程のお米は真空パックにして販売されているケースが多いです。

写真はステーンさんがこの農園で作られているお米の種類の説明をされています。手前の方は日本からお越し頂いた私のお師匠さんです。
因みにこちらがお米を真空パックにする機械です。
建物の裏にある広大な田んぼでは様々な種類のジャスミンライスや餅米が育っています。

こちらは黒の餅米。
こちらは赤の餅米 
またいろんな種類のハーブの栽培もされています。こちらはほんの一部です。
ステーンさん。滋養強壮に効くハーブを多数育てていました。笑
そしてサトの製作過程も習いました。サトを作る際にルッペーンというタイの麹を使います。(写真下の団子状のもの)。
先ず粉状にしたお米にルッペーンを2~3個混ぜます。
その後に農園で育てている様々なハーブのエキスも混ぜます。
そして写真のパン生地みたいにかたちを整えます。
カバーをして37度の環境で保管をすると白いカビが生えてきます。タイの暑い気候が日本の様に黒いカビではなく白いカビになるそうです。
これをいろんな種類のジャスミンライスに混ぜて蒸して、更に1~2週間寝かします。ここから個体と液体を分けると新鮮なサトができます。新鮮なサトは冷蔵状態での保管が必要なので、これをワインと同じ手法で寝かすと常温で保管できるサトができます。
 
また親切なステーンさん。サトの味見会も開いて頂きました。
その昔農村地帯にはスーパーもコンビニも無く、重労働の後に飲むお酒は遠くまで買いに行かなければなりませんでした。そこで各農家は自分達で作っていたお酒がサトでした。韓国のキムチの様に各家庭で自身のサトを作っていたそうです。ところが政府がサト製造の規制に乗り出し、ライセンス料を納めた農家のみサトの製造を認め始めたためサトを作る農家が激減してしまったそうです。こちらのセートムでは正規の免許を取得しており一般にサトを販売しております。
赤、白、黒、それぞれのお米から作られたサトを試飲させて頂きましたがどれもほんのり甘く飲みやすかったです。

 
以下は残念ながら売り切れで試すことができませんでしたが、カロンというこの土地で採れるマンゴーをベースにしたサトです。
普通のマンゴーより小さく、東北地方ではこのカロンに直接餅米を入れて食べていたそうで、それが後にあの有名なカオニャオマムアンになったと言われているそうです。
またバクバーという東北地方特産の柑橘類を使ったクラフトソーダ。見た目はザボンにそっくりです。これも大変美味しかったです。

Satom Organic Farmはスリン県とお隣ブリラム県の県境にあり国道2378号線沿いにあります。現在この道路が工事中でファームの入口が少々わかり難くなっています。私も自家用車で向かいましたが、周辺をぐるぐる周っているうちに迷ってしまい、現地へ連絡してお迎い頂きました。因みにこの道路工事はあと半年かかるそうです。

 

 

 

この後もスリン県からのレポートが続きます。お楽しみに!