御茶ノ水でのワイン会 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

今年もあとわずかになってしまって、年賀状を書いている、いや印刷している。
勤務医時代に開業医からもらった賀状に
「今年で開業して○○年になります」などと書いてあるのを見ると
「ふ~ん、それがどうしたの」としか思えなかったが、
思わず今年は自分が「開業して15年になります」と書きそうになった。

こんな小さな科の単科標榜で患者が来るはずがない、
女性患者はほとんど来ないだろう、などと影で噂されたのは今は昔。
今では患者さんをさばききれず、12月の平均待ち時間2時間という惨状である。
患者数が多いのではない。科の特性上、1人あたりにかかる時間が長いのである。
なので最近ずっと疲弊気味である。

そんな中、今週の休日前の火曜日の夜に、初めて行くフレンチレストランに
無理矢理お願いして9本のワインを持ち込み、11名でのワイン会を開催した。

参加者はわたし以外に札幌と横浜で開業している同業者2名。
学会本部から事務局長(男性)と女性事務職員の合計7名。
学術業務担当の方々なので、英語のレター書きなど朝飯前の超インテリばかりである。
あと1人はほぼ飛び入り参加の元学会理事長の東大教授である。

開催地は学会本部に近い東京の御茶ノ水で、診療終了後すぐに新幹線で飛んでいった。
札幌の先生も、この会のためだけに午前の診療後に飛行機で飛んでこられた。
そして、わたしは翌朝早い新幹線で帰阪した。
またしてもトンボ返りである。まったく余裕のない生活だ。

東大教授とは10月にも京都で飲みに行ったばかりだが、
偶然この日は空いているとのことだったので、お誘いして参加してもらった。
なぜ大阪の町医者と東大教授が懇意なのか不思議な話だが、
診療分野が重なるので、大きな研究会で何度も座長をしてもらっているし、
日本医師会雑誌の座談会でも呼んで頂いたりしているから親しいのである。

2025年問題は実際に学会にとっても重要な案件なので、
意気込みを込めて会のタイトルを戦略会議とした。
タイトルだけで中身はただのワイン会であり、実際には仕事の話などしていない。
女性の中にはずいぶんワインに詳しい方もおられて、非常に盛り上がったが、
今回のメインのワインは10年もののサン・テミリオン2本であった。

ことにリンソランス2003の上品さは目を引いたが、なぜこんなレアワインが
自宅にあったかよく分からない。
2005年頃にプリムールで引いたものかと思われる。

会場にしたお茶の水駅前の「テロワール ビストロ・ドゥ・カワバタ」
は昨年オープンしたフレンチだが、シェフはベテランで、
最近シニア・ソムリエの資格を取られたらしい。

料理も上々で価格はリーゾナブル、フロアスタッフも優秀で
ワイン持ち込み料は3000円とこれも納得がいく。
残念だったのはグラスがもう一つだったことだろうか。
新しい店で資金が無いかもしれないが、特にシャンパーニュグラスには
もう少しいいものが欲しい。
普段ロブマイヤーを使っていると、知らず知らずのうちにグラスが自身の指先の延長になって
しまっているようだ。

それにしても楽しい会だった。
学会本部にこんなアホな企画を持ち込む会員はあまりいないと思うので、
できるなら来年も開催したい。