1人で仕事場の掃除と整理に取りかかっていた。
10年前のこの時期には1人で旅に出かけたりしていたが、最近出かける余力がない。
単に体力が落ちただけではなく、仕事量が増えているのが原因だろう。
年を経るに従って仕事量が増えていく。
自分で辞める決断をしない限りエンドレスである。
先日サラリーマンとして立身出世を極めた友人から、
「金より時間だ。いい加減にしたほうが良い」と諭された。
多くの友人が「定年がなくて収入が続くから儲かってええなあ」と言うのと正反対だ。
2日半でかなりの量の書類や本をゴミにしたが、開業時の書類が出てきて面白かった。
テナントで入っているビルとの契約書、求人広告の控え、物品の見積書、
診療所の内装の見積書、薬品の注文書などである。
資金計画書は詳細なものは作っていないが、金融機関からお金を引き出すのに
前年の所得を証明する書類などもあった。
大きな買い物であるX線装置の見積書も出てきたが、大手2社の見積書に
談合されたとしか思えない常識はずれの価格がついていた。
たまたま、ある大手薬品卸売業者の人から「先生、この価格はおかしいですよ」と指摘され、
間一髪発注をキャンセルして200万円の損失を免れた。
まったく世の中油断も隙もない。
細かいところでは、電話工事代に法外な価格を請求されているのに気付いた。
知人が紹介してくれた小さな業者のようだが、狭い診療所に必要がない
ビジネス電話を入れている。
今でも取引がある某薬品卸売業者の機機見積もりも出てきたが、
X線装置、超音波検査装置、レセコンまとめて2000万円などと書いてある。
この価格の異常さには当時も気づいていたが、
マルメにして個々の機器の価格を明らかにしない業者の嫌らしさがよく出ている。
この卸売業者の開業支援部門は、現在でもかなり胡散臭いことをしているようだ。
世間知らずの勤務医が開業する際には、カモにしようとする手練手管の業者が
手ぐすね引いて待ち受けているのである。
だったら開業コンサルタントを入れればいいと思いがちだが、
車1台分くらいのコンサルタント料を取られる上に、自分側に付いているのか
業者側に付いているのか分からないコンサルトもいる。
医者にはおめでたいのが多いと知りあいの税理士さんも言っているが、
開業医には知識と臨床力以外も必要なのだ。
ワインの知識もあった方がいいのは言うまでもない。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151231/14/griotte/6d/4c/j/o0400074013527466056.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151231/14/griotte/70/6d/j/o0400058813527466057.jpg?caw=800)
ドメーヌ・ミシェル・グロ ヴォーヌ・ロマネ 1er. オー・ブリュレ 2005
ドメーヌ・メオ・カミュゼ ヴォーヌ・ロマネ 2005
購入日 2007年12月/2007年8月
開栓日 2015年12月
購入先 /ゆはら
インポーター JSRトレーディング / オルヴォー
購入価格 8570円/10800円
さて、最近開けたヴォーヌ・ロマネの2005の2本である。
購入時期も近く、価格もまあ近いが、グロの1級ものの方が少し安い。
2005は良年と言われるが、個人的に好きなヴィンテージではない。
ユーロ高だったこともあって、この年をもってブルゴーニュワインの価格は高騰する。
しかしユーロが下がってオフヴィンテージであった2006でも価格は下がらず、
この時期をもってわたしのワイン購入意欲が一気に萎えた。
今回の2本だが、いずれもヴォーヌ・ロマネらしいワインであった。
しかし、グロの中でもヴォーヌ・ロマネの特徴が出やすいオー・ブリュレにしては
香りも果実も弱めで、個体差かも知れないが2004の方が魅力的だった。
一方のメオ・カミュゼのヴォーヌ・ロマネ力はすごい。
ムンムンした香辛料の香りがするし、舐めても辛い。
未だに果実も豊かでボディがとてもふくよかだ。
だがタンニンは強くなくて、非常にバランスが良い。
ここまで上質なヴォーヌ・ロマネ村名ワインはこれまであまり記憶が無い。
こう書くと大絶賛しているようだが、このワインは食事を選ぶ。
もう10年前のワインだが、まだ開けるのが早すぎたようだ。
個人的にオー・ブリュレは好きな畑だが、今回はメオの圧勝だった。
個体差なのかも知れないけれど。