相性の問題?・・グロのシャンボール・ミュジニー | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ドメーヌ・ミシェル・グロ シャンボール・ミュジニー 2004
購入日    2006年12月
開栓日    2011年6月6日
購入先    かわばた
インポーター ソムリエ
購入価格   4980円

いくつかあるミシェル・グロの村名格の1つである。
なぜかこれまでこの銘柄で強い印象をを受けた記憶がないが、今回も残念ながら、
という結果であった。

性格が真面目すぎるグロが、シャンボール・ミュジニーの特徴と、2004というヴィンテージの特徴を
素直に引き出したら、それらがネガティブな方向にコラボレーションし、
実に面白くないワインになってしまった、というワインである。

残念ながらピークは過ぎているようで、タンニンには皺が入っていて張りが無くなっている。
開栓日はまだ楽しめるとしても、翌日の老け方には悲しくなる。
開けるのが遅すぎたと気付いても、後悔先に立たずである。

あと2年くらい前に開栓したら、もっと果実が若々しくて魅力的だったか、と考えてみるが
このヴィンテージではどうだったか、正直のところ大きな期待は持てない。

ヴォーヌ・ロマネの造り手であるグロだが、村名格のワインではシャンボール・ミュジニーより
モレ・サン・ドニ、特にアン・ラ・リュ・ド・ヴェルジーが最もしっくり来る。
ひょっとすると、グロの作風とシャンボール・ミュジニーの畑の相性が良くないのかも知れない。
そう言えば、シャンボール・ミュジニー2002では、丸々3本熱入りワインを掴まされたっけ。

フルトヴェングラーはほとんどチャイコフスキーを振らなかったらしいし、
ましてドビッシーの夜想曲を振ったなんて話は聞かない。
(すみません、1951.5.1録音のベルリンフィルとの録音がありました。
 Debussyさん、ご指摘ありがとうございます)
個性の強い指揮者ほど曲を選ぶのは当然だろう。

メンゲルベルクはオランダ人だが、彼のチャイコフスキーの悲愴や5番は
唯一無二の存在として存在感を主張する。
そこには努力を越えた何かがある、と思う。

名手シューリヒトも、ブラームスやモーツアルト、ブルックナーでは光る名演を見せるが、
セザール・フランクのニ短調を振った演奏記録は知らないし、
万が一ドビッシーの「海」の録音があったとしても、名演である可能性は低そうだ。

名手ミシェル・グロにだって、相性の良くない畑があってもおかしくないかも。
ま、次は2005でも開けてみるか。