シルキーでスパイシー・・グロのオー・ブリュレ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ミシェル・グロ ヴォーヌ・ロマネ 1er オー・ブリュレ 2004
購入日    2007年12月
開栓日    2011年6月12日
購入先    かわばた
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   7800円

今週は本業がヒマなのだが、今日は取り立ててヒマである。
毎日こんな状態だったら、来年あたりからシャンパーニュをカヴァにしなければ
ならなくなるのは間違いないし、ブルゴーニュの安物あさりが上手くなりそうだ。

あまりにヒマなので、勤務時間中にブログ更新ができてしまう。
喜んで良いのか悪いのか,自分でも分からない。


さて、4月に開けた1本目に続いて、これが2本目である。
前回の記事に以下のように書いている。

 案の定2日目は酸化によってふくよかさを獲得し、例のスパイシーさもほのかに漂い、
 2003のような安直な果実の甘さがないことを救いに感じる。
 このワインの現在の飲み頃は、開栓翌日なのである。
 これも予想通りではある。

ところがこの2本目は違うのである。
前のボトルは、初日は痩せて貧弱なワインでしかなかったが、この2本目は開栓当日から、
滑らかでシルキーな舌触りがものすごく魅力的で、杯を口に運ぶ手が止まらない。

たった2ヶ月で熟成した、という発想もないとは言わないが、これは明瞭なボトル差である。
樽から瓶詰めする際の、最初の方か最後の方かによって、この程度の差が出るのかも知れないし、
樽が異なるのかも知れない。

1本目とどっちが美味しいか、と聞かれると、圧倒的にこっちのボトルで、
ほのかに香るターメリックも明らかにこちらが明瞭だ。
このボトルはピークが初日で、2日目になるとシルキーさも損なわれてしまうが、
この点は致し方ないとしか言いようがない。

でも、どっちにしても地味であることには変わりがない。
濃くて重いボルドーが好きな向きには、このワインの神経質で壊れやすい酒質は、
きっと分からないだろうなあ、と思ったりする。

音楽に例えると、小編成で室内楽的に演奏される、ヨッフムのブルックナーの2番だろうか。
ドレスデン国立との新しい方の録音ではなく、バイエルン放送響との旧録音の方だ。
この地味さがたまらない。

このワインを飲んでいる際に、横にいた息子から、
「おいおいオヤジ、1日で1本飲んでしまうつもりか」
とたしなめられた。

「だったら手伝えよ」
と言ったが、ほとんど協力してくれなかった。

偉そうな口をきくようになった、とは思うが、
何と良くできた息子であることよ。