情けないヴォーヌ・ロマネの1級・・ラマルシュのスショ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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フランソワ・ラマルシュ ヴォーヌ・ロマネ 1級畑 レ・スショ 2001
購入日    2004年12月
開栓日    2011年3月20日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   5380円

神が世界で唯一微笑んだ地であるヴォーヌ・ロマネの、しかも1級畑から、
こんな情けないワインが出てくること自体、驚きに値する。

はっきり言って、同じ造り手のACブルゴーニュ2004、2005にも負けている。
先日開けたミシェル・グロのオート・コート・ド・ニュイ2004とは、まったく勝負にならない。

かつて、同じ造り手の1級ラ・クロワ・ラモーにも同様の感想をもった記憶があるが、
まったく同じ轍を踏んでいるようである。
この貧相なワインから、テロワールにイメージを膨らませること自体が無理難題だ。

黙って飲んだら、ボケな造り手のオート・コート・ド・ニュイ01だと思うだろう。
注意深く香りを追いかけると、微かなスパイス香がしないことはないので、
少なくともボーヌのワインではないことくらいは分かるが、それ以上のものは何もない。

あえて長所を探すとすれば、2001でありながら10年しても落ちていないことぐらいか。
ボケな造り手のオート・コート・ド・ニュイ01だったら、今だったらイガ味が出て、
今日のこのワインのような体裁は失われているだろう。

毎日毎日テレビをつけると鬱になりそうだが、悲惨な被災状況を見ながら、
こういうワインを開けるとますます鬱な気分に拍車がかかる。

レ・スショ自体だだっ広いものの、ヴォーヌ・ロマネの1級の中でも冴えないイメージがあるが、
このワインを開けると、その冴えないイメージが、これでもかと増幅される。

自分のワインリストを確認すると、まだセラーには2003と2005が1本ずつあるようだ。
2004や2005のACブルやオート・コート・ド・ニュイが、この造り手の印象を塗り替えたと
思っているので、2005のスショだったら多少は期待できるかも知れない。

何を血迷ったか、2005のラ・グラン・リュも1本購入している。
我ながら暴挙に出たものだ、
3年ほど前に平常心を失っていた一時期があったか、経験の乏しさから銭失いの行動に出たか、
今さらながら反省せざるを得ない。

将来2005のスショやラ・グラン・リュを開けてアタリだったら、その時点で
この造り手を再評価して持ち上げることにやぶさかではない。

しかし今回のワインを経験した結果からは、その確率は非常に低いと予想せざるを得ない。