樽香がウザイ、凡曲の怪演・・ローラン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ドミニク・ローラン シャンボール・ミュジニー プルミエ・クル 2002
購入日    2005年4月
開栓日    2010年12月7日
購入先    キタザワ
インポーター 山信商事
購入価格   4680円

2002の1級ものだから、決して遅開けではないと思う。
最初から最後まで、果実香を押しのけて樽香がしゃしゃり出てくるのに辟易する。
ワインの特徴も覆い隠してしまうような、濃い味付けの料理と合わせるならともかく、
これでは、初日には少ししか飲めない。

2日目、3日目に樽香がちょっと引っ込むと、プルミエ・クルとしては弱々しげな果実が
見えてくるが、不肖の果実を隠すためバカ親が厚化粧させたのでは、と邪推してしまう。
ブドウそのものに自信があるなら、何もここまで手を加えることもなかろうに。

もっと若い頃に開栓していたらどうだったか。
あくまで自分の好みからの推測ではあるが、
果実香と樽香がお互い若いままコラボレーションしていて、
輪をかけて気持ち悪いワインであったのではないだろうか。

「ヘルベルト・フォン・カラヤンが振ったブルックナー」
と書こうかと思ったが、カラヤンのブルックナーだって表面上はもっと洗練されて見える。
聴く人が聴かないと、カラヤンの原曲に対する読みの浅さを見抜くのは困難だろう。
このワインのブドウをブルックナーに例えるのも作曲家に失礼だ。

凡曲を手練手管の演奏者がいじくり回した結果、凡曲の怪演になった、
という表現が一番当たっていると思う。