シラーらしくない?・・エルミタージュ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ヤン・シャーヴ エルミタージュ 2002
購入日    2005年5月
開栓日    2010年12月2日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   3380円

ワインの集団の中からふと出てきた1本。
5年前にこんなものを購入していたのか。
エルミタージュだからローヌのシラーだが、いつが飲み頃か分からないので
ほっておいたような気もする。

かつて(15~20年くらい前)、オーストラリアのシラーを何本か飲んで、
その濃さとアクの強さに辟易して以来、シラーが嫌いになってしまった。
さらに、その外傷体験の結果、カベルネ・ソーヴィニオンなどの重いワインも
敬遠するようになってしまった。

一時はシャトー・ヌフ・ドゥ・パプもちょこちょこ試してみたこともあるが、
これもどろりとした濃い赤色の奥に存在する、芯の舞い上がらないもたつきに
嫌気がさして、結局ピノ・ノワールに戻ってきてしまっている。

さてこのワイン、エルミタージュで有名なジャン・ルイ・シャーヴではなく、
無名のヤン・シャーヴである。
どっちにしてもよく知らないから、どうということはないが。

2002だからまだしっかりしているかと思ったら、はっきり飲み頃を過ぎていた。
90年代半ばの凡庸な造り手のピノ・ノワールから、芳香と余韻を無くしたようなワインである。
ちょっと飲んだ印象からは、あれ?これピノ・ノワールかな?と言ってしまいそう。
しかし時間が経つと、ちがうがな、これ南フランスの方やな、となる。

反面上品であるため、え?これがシラー?というサプライズもあるワインである。
最初のシラーとしてオーストラリアの若いものではなく、これを飲んでいたら、
ここまでシラーを敬遠するほどにはなっていなかったかも知れない。

購入後すぐに開栓していたとしたら、いわゆるエレガントシラーとして楽しめた可能性もある。
わたしはピノ・ノワールの酸と余香が好きなので、その時期であっても丸々1本1人で
飲み切れたかどうか。

自分のワインの好みがいかに偏狭か、改めて教えてくれた1本であった。