尻上がりに昇る・・ラマルシュ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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フランソワ・ラマルシュ ヴォーヌ・ロマネ 1級 ラ・クロワ・ラモー 2000
購入日    2004年12月
開栓日    2009年1月12日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   5780円

ヴォーヌ・ロマネの特級畑がひしめく銀座の隅に位置する畑のワインであるが、
2006年1月に開けた1本目意外なほど軽く、まるでACブルか、と思うような代物で、
このヴィンテージの頃はこの造り手は良い仕事をしていなくて、せっかくの好立地の畑も
宝の持ち腐れだなあ、と思いながら飲んでいた。
昨年3月に開けた2本目はブショネだった。

ワイン蔵を整理目的でひっくり返していたらまた1本出てきたので、開栓してみた。
ふ~ん、このワイン3本買ったんだ、と今ごろになって気付く自分も自分である。

まるで在庫管理ができていないから、どこに何があるか分からない。
自分のワイン庫を探すのはまるでびっくり箱を開けるような楽しみがある。

ちなみにこれはLP・CDも同じで、「ほぅ、こんな珍しい音楽のCDがあるじゃないか」
などと思うこともしきりである。
10数年前までに録音された、16世紀のルネサンス音楽の音源なら、ほとんど自宅にあるはずだが、
全貌は自分でも捕まえきれていない。

1級ものだという先入観があるから、このワインにはそれなりの重厚さを期待するのだが、
前の2本の印象があるからあまり期待しないで開栓した。
当日はやっぱり軽やかである。

2本目は論外だが、1本目と相当異なった印象だったのは、開栓すぐから鼻に抜ける香りに
品のあるスパイス香が長く漂うことである。
疑いもなくヴォーヌ・ロマネだと分かる。

面白いことにこの3本目、時間とともに尻上がりに厚みを増していく。
薄っぺらな中に果実が徐々に結実していく、と言ったらいいだろうか。
半分少々飲んだところで翌日に持ち越し。

翌日に飲んでみるとあら不思議、軽やかさが後退して果実味がしっかりと感じられ、
ふっくらとしたワインになっている。
2000といういまいちのヴィンテージだから、もうピークかなと思っていたら
このワインにはまだ先がありそうだ。

ただしもう2000は自宅にはなくて、2001が1本どこかにあっただけだと思う。
3本目で名誉回復したとはいえ、ちょっと神経質なヴォーヌ・ロマネであった。