ほとんど幸せワイン・・ダイス | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


マルセル・ダイス 1erCru ブリュレンベルグ アルザス
購入日    2006年1月
開栓日    2007年12月18日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター 山信商事
購入価格   6400円

一昨日の土曜日、平塚の日本料理屋さんのnononaさんで行われる、恒例のワイン会に
飛び入り参加してきた。
この3連休、実は親友3家族と蓼科に行く話があとで持ち上がったのだが、
子供たちの都合もあり、泣く泣く蓼科行きを断念して、畏友ooisotaroさんとの
約束を優先させ、平塚行きとなったのであった。

とてもエキサイティングなワイン会であったが、そのレポートをするには
まるで時間がない。
何が面白かったかというと、ワインもさることながらメンバーである・・・
飲んだワインの写真は撮っているが印象は一切メモしていないので、早く書かないと
脳から消え失せるが、今回はそのすぐ前に開けたワインの印象を記しておく。

もう2年ほど前、何も考えずに1本だけAlcoholic Armadilloから購入したアルザスの
ピノ・ノワールである。
厳密には、ピノ・ブーロという品種が5~7%ほど混じっているらしい
Alcoholic ArmadilloのHP参照)。

ooisotaroさんがかつて開けておられたな、と思って調べてみたら、
なんと2年も前じゃないか。
確かに今でも豊潤なスミレの香りがするが、華々しくはなくむしろストイックな印象。
標準的なブルゴーニュの1級クラスより重めで密度が高いが、適度の酸と
多めのタンニンのバランスが非常に良く取れており、殊にくっきりした輪郭が
とても好ましい。

体形がまったく崩れずうまく熟成しており、ちょうど飲み頃に入ったところだろうか。
開栓後3~5時間がピークで、この時点ではもはや幸せワインの一歩手前。
自己規制をかけず本能のままに飲んだら、あっという間に空にしてしまいそうになる。
そこをぐっと我慢してゆっくり飲んでいると、非常にゆるやかに変化していく。
24時間後には少し枯れるがそれでも魅力十分である。

ジュリアン・メイエーのハイゼンシュタインに感じられた一抹の脆弱性は微塵もなく、
柔らかながら芯の強さを感じさせ、多少の保管の甘さにも耐えうるような
強いワインであるとの印象を受けた。
造り手は相当ストイックな人物ではないか、とまで思わせるのがこのワインの特徴か。

さて、Alcoholic Armadilloにももう在庫はない。
ちょうど平塚のワイン会でこの話をしたら、Alcoholic Armadilloのせんむが
ワインの山の中から在庫を掘り出して下さった。
2000と2001が1本ずつだったが、いそいそとそれを自宅に持ち帰った。

6000円余りだから決して安くはないが、2005ヴィンテージだとまともな造り手の
ブルゴーニュなら村名しか買えない。
現時点ではお買い得だと思うが、2002以降のヴィンテージは楽天にはなく、
やっぱりワインは一期一会なのだ、と割り切るしかないのだろう。