フィリップ・パカレ ジュブレ・シャンベルタン 2003
購入日 2005年10月
開栓日 2006年11月21日
購入先 Alcoholic Armadillo
インポーター INA
購入価格 8000円(セットなので推測)
先日一緒にワインを飲んだルーミエ親父は、現在大阪に単身赴任中だが、東京の職場を離れるとき、
餞別でワインをもらったそうだ。
それが、例のルネ・ルクレールのジュブレ・シャンベルタン1級だったそうである。
開けたらきちんと?澱だらけで、飲めたものではなかったらしい。
どういう確率で不良ワインが混じているのか分からないが、2人とも泥ワインを体験しているのは
偶然なのだろうか。それにしても確率が高すぎる。
ルネさんのワイン造りは、特級のグリオット・シャンベルタンだけじゃなく、
他の樽でも同じなんだな、と思った次第である。
そんなこんなで、この親父の言うことは信用していいと思っている。少なくともワインに関しては。
彼は、パカレの2003はすでに数本開けたそうだ。
そして、「もうとっくに飲めるし、数年も持つようなワインではないと思う」と言っていた。
2002が惨めにも枯れていく課程に入っているパカレだが、わたしはこれまでパカレの2003は
9月にポマールを1本開けただけである。
それ以外に残5本あるので、とっとと開けないと飲み頃が過ぎるかも知れないという不安がある。
そこで、昨晩村名ジュブレ・シャンベルタンを開栓した。
当然ガメイのヌーボーとは違うガーネット色で、ビオ香が強く漂うが、熟成した黒系果実の
香りも混じる。
一口含むと、奥深く広がる豊かな果実味があり、一瞬心の中で拍手をした。
だが、このワインのピークはこの一瞬ではなかったか?
このあとはゆるやかに変化していく。何となく徐々に線が細くなり、酸味が立ってくる。
例によって出汁系の味があって、そこに果実の汁が混じっているが、
まだそれぞれが融合しているとは言い難い。
初日には、すでにピークを過ぎたワインではないかと感じた。
黒い液体の奥底に、あまりパワーを感じさせることはなかった。
すでに2003が下り坂とは、と思うと相当がっかりしたが、翌日の印象でまた
分からなくなってしまった。
2日目ではかなり酸味が強くなっていて、ちょっと含むとイガ味のように感じる。
かなりタンニンもしっかりしているようだ。
3日目ではさすがに芳香は失せていたが、酸味とタンニンはしっかり残っている。
さてさて、このワインのピークはいつなのだろう。
これ以上置いておいたら、もっと伸びていくのだろうか?
そう思いながら杯を重ねるが、ビオワインらしく、抵抗なく身体に入ってくる。
2日目以降は自分でも楽しんで飲んでいるのか、よく分からない。
リアルワインガイド誌が、10号のビオワイン特集で、このワインの飲み頃を2006~2018年と
記している。
他のものも含めて、2003のパカレには複数人のテイスターが、絶賛していると言って良い。
しかし、2002の枯れ方を知るわたしとしては、2003を何の疑問もなくあと1年も
置いておく気にはならない。
異様に高いこともあって、2004はパスしたままだ。
今年のヌーボーでは、わたしはパカレよりコサールの方に軍配を上げた。
コサールのワインもまだ数本しか知らないが、着実な造り手であると、わたしの中では
評価が定まりつつある。
これに対してパカレは、まだゲテモノの範疇を出ない。
リアルワインガイド誌がいかに絶賛しようが、
「高名な評論家が何を言おうが 権威ある本に何と書かれてあろうが
そんなことは知ったことではございません」
とうそぶくほかはなさそうだ。