ビオ・ヌーボー大活躍 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

一昨日の土曜日は、地元医師会の勉強会があって、最近開業された小児科の先生とわたしが
演者で1題ずつしゃべったあと、懇親会となった。
総勢16人のメンバーだったが、和気あいあいとした中、解禁になったばかりの
ボージョレ・ヌーボーを片手に、楽しい時間を過ごした。
先日免疫学者の先生といっしょにワインを飲んだ先生2名もおられたし、
それ以外にもワイン好きなメンバーもおられたと思う。

ワインを持ち込んだのは例によってわたしで、すべてAlcoholic Armadilloから
解禁日にまとめて届いたものである。
何本いるのか分からなかったが、6本用意したものがすべて空いてしまった。

こういう医者ばかりの会合では、話題は明るいことばかりではなく、暗い医療情勢の中、
眉をひそめて深刻な会話になりがちなことも多くなった。
しかしこの日は終始明るい雰囲気で、ヌーボーの貢献も大きかったと思われる。
その結果、ヌーボーがパーティに大変適した存在であることに、不覚にも初めて気付いたのである。

まず色がとてもキレイ。目が奪われ、明るい気持ちになる。
花やベリーを感じさせる香りが場を包む。これがまたいい。
味わいも軽やかで、ほとんどのメンバーが一口飲んで、即座に美味しいと言う。

今回は5種で6本だった(コサールのうさぎワインだけ2本あった)が、それぞれにちょっとした
違いがあり、新しいワインが注がれるたびに思い思いの感想の声が上がる。
そして会話は弾んで、会はモリアオガエルじゃなくて、盛り上がる。

これがボルドーやブルゴーニュのグラン・ヴァンならこうはいかない。
ワインに神経が集中し、頭の中で形容詞を追い求め、その結果思索をもたらして、寡黙になる。
少人数のワインオタクが集まる、ワインが主役の会と、大人数の明るいパーティとは、
当然ながら違うのである。

先日のUTAさんとその弟子たちとのワイン会もそうだったが、今回も参加者には
非常に好評だった。
これはヌーボーの存在抜きでは期待できないことと思う。

ヌーボーは1本約3000円で、会場のクラブへの持ち込み料もかかっている。
これをワイン代として考えると安くはないが、パーティの酒代として頭割りすれば、
カクテル代なんかよりはるかに安いと言える。
ちなみに、医師会から1人3000円補助が出るので、会費は1人3000円であった。
(0の数は間違っていない)
医者の集まりは派手である、などと外からは思われるかも知れないが、実はこんなものなのだ。

で、5種類飲み比べた感想は・・・
状況が状況だからほとんど覚えていないが、わたしが一番気に入ったのが、香り豊かな
ジャン・フォワヤールで、これが味わいも最も複雑だった。
個人的にはそれに次いでうさぎワインが気に入ったし、パカレも魅力的だった。
あとの2本は少し繊細で軽やかだった記憶がある。
(以下、すべてヴィンテージは2006で、開栓日は11月18日)


(左)ジャン・フォワヤール ボージョレ・プリムール  
      インポーター ヴァンクゥール 2900円
(右)ミッシェル・ギニエ ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 
      インポーター ヴァンパッシオン 2800円


(左)フィリップ・パカレ ボージョレ=・プリムール 
      インポーター 野村ユニソン 3300円
(中)カリーム・ヴィオネ ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール 
      インポーター ヴァンクゥール 2800円
(右)フレデリック・コサール ボージョレ=ヴィラージュ・プリムール『ラパン』 
      インポーター コスモ・ジュン 3300円